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日本の新年に欠かせない「門松(kadomatsu)」の由来とは?飾る理由や意味・飾り方まで解説!

お正月飾りの門松

日本のお正月に飾られる「門松(kadomatsu)」は、松や竹でつくられた華やかな飾りですが、初めて見る外国人にとっては、「どうして飾っているの?」と不思議に感じるかもしれません。

この記事では、門松の由来や飾る意味、飾り方や期間までをわかりやすく解説します。

日本の伝統文化にふれることで、より深く日本文化を楽しめるはずです。

日本の正月に飾る「門松(kadomatsu)」とは?

お正月の風景としてよく見かける「門松」。この飾りには、どんな意味や由来があるのでしょうか。

まずは、門松の基本的な特徴と歴史を見ていきましょう。

「門松(kadomatsu)」はどんな飾り?

「門松」は、日本の正月に欠かせない伝統的な飾りで、松や竹を使って作られた縦長の装飾です。

玄関や門の前に飾られ、新年を迎える象徴として広く親しまれています。

この風習は江戸時代に庶民の間にも広まり、現在では全国各地で見られるお正月の風物詩。

形や大きさ、飾り方には地域差がありますが、いずれも新しい年の始まりにふさわしい、縁起の良いものとされています。

「門松(kadomatsu)」の歴史と由来

門松の風習は、実は平安時代から続くといわれています。

当時は、今のような立派な飾りではなく、玄関先に松の枝を立てるだけという、とてもシンプルなものでした。

その後、時代が進むにつれて少しずつ形が変わり、松に竹や梅などの縁起物が加わるように。

江戸時代には庶民の間でも広く飾られるようになり、正月の風物詩として定着していきます。

現代では、松竹梅に加え、南天(「難を転じる」)や葉牡丹(「吉事が重なる」)などをあしらった門松も登場しています。

こうして、門松は時代ごとの暮らしや価値観に合わせて姿を変えながら、日本のお正月を彩る大切な存在として受け継がれているのです。

「門松(kadomatsu)」を飾る意味は?「年神様」との関係

新年になると、幸せや健康をもたらす神様「年神様(としがみさま)」が各家庭を訪れると、日本では古くから信じられてきました。

ここでは、門松を飾る意味や込められた願いについて見ていきましょう。

なぜお正月に「門松(kadomatsu)」を飾るの?

門松は、年神様を迎え入れるための「目印」として飾られる正月飾りです。

年神様とは、1年の幸運や健康、豊作をもたらす神様で、「歳徳神(としとくじん)」や「穀物神」など、さまざまな信仰が結びついた存在とされています。

松を玄関や門の前に置くことで、「この家へお越しください」と神様に伝える役割を果たすとともに、松や竹など神聖な植物を通して、神様が降り立つ「依代(よりしろ)」ともなっています。

「門松(kadomatsu)」に3本の竹が使われる意味

門松には、3本の竹を組み合わせて飾るのが一般的です。

日本では古くから、2で割り切れない「奇数」が縁起の良い数とされており、3本の竹にもその考えが反映されています。

竹の長さは「7・5・3」の比率で作られ、それぞれに荒縄を巻く回数も同じ数。

最も長い竹と縄は「男性」、短いものは「女性」、真ん中はその仲を取り持つ存在とされています。

このように、「縁起の良さ」と「男女円満」の願いが込められているのです。

「門松(kadomatsu)」に飾る松・竹・梅の意味

門松に使われる「松・竹・梅」は、もともと中国で「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と呼ばれ、寒さに強く、おめでたい植物として新年にふさわしいとされてきました。

  • 松:神様が宿る木とされ、「神を待つ(まつ)」にも通じます。
    常に緑を保つことから、不老長寿の象徴です。
  • 竹:成長が早く、寒さにも強いため、生命力や繁栄を表す縁起物とされています。
  • 梅:紅白の花を早春に咲かせることから、出世や開運を願う存在として親しまれています。

また、南天(「難を転じる」)や葉牡丹(「吉事が重なる」)などを添える家庭も多く、新年の願いが込められた華やかな飾りになっています。

「門松(kadomatsu)」の竹はなぜ斜め?切り方の意味

竹の先端には、「まっすぐ切られた寸胴タイプ」と「斜めに切られたタイプ(そぎ)」の2種類があります。

水平に切られた「寸胴」は、節がしっかり詰まって見えることから、金運や商売繁盛を願う意味があります。

銀行や商業施設でよく使われているのがこのタイプです。

一方、竹を斜めに切った「そぎ」は、切り口が笑顔のように見えることから、縁起が良いとされています。

飲食店や家庭でも人気があり、現在は広く親しまれている形です。

「門松(kadomatsu)」の種類とは?

門松にはさまざまなスタイルがあり、飾る場所や目的に合わせて選ばれています。

ここでは代表的な2つのタイプをご紹介します。

寸胴門松(zundou kadomatsu)

シンプルなデザインで、装飾が控えめなのが特徴です。

玄関や門の前など、スペースを選ばず飾りやすいため、個人宅にもよく使われています。

角切門松(kakukiri kadomatsu)

より華やかで装飾性が高いタイプ。

松や南天、葉牡丹などをあしらい、お正月らしい雰囲気を演出します。

マンションの玄関先や店舗の入り口などでも人気があります。

「門松(kadomatsu)」を飾る場所や期間は?

門松は、飾る場所や飾る時期にも意味があります。

新年を迎える準備としてふさわしいタイミングと場所を選びましょう。

「門松(kadomatsu)」はどこに飾る?

門松は本来、家の門や玄関の前に一対(2本)で飾るのが基本とされ、左に「雄松(おまつ)」、右に「雌松(めまつ)」を配置し、夫婦円満や家内安全の願いが込められています。

戸建て住宅では、玄関脇などの屋外スペースに大きめの門松を飾るのが一般的です。

一方、マンションでは、玄関の内側やドア前など限られたスペースにも置きやすい、コンパクトなタイプがよく選ばれています。

「門松(kadomatsu)」はいつからいつまで飾る?

門松は、12月13日の「正月事始め」から飾り始めることができます。

この日はお正月の準備を始める日とされており、昔から大切にされてきました。

中でも、12月28日は「末広がり」の「8」が含まれていることから、縁起の良い日とされています。

一方で、12月29日は「二重苦(にじゅうく)」につながる語呂合わせから避けられ、12月31日は「一夜飾り」として失礼にあたるとされるため、避けるのがベター。

地域差はありますが、関東では1月7日、関西では15日まで飾るのが一般的です。

その期間中は、年神様を迎えるための大切な目印として玄関を飾ります。

「門松(kadomatsu)」の処分方法とマナー

お正月が終わったら、門松は感謝の気持ちを込めて丁寧に処分するのが大切です。

神聖な飾りだからこそ、扱い方にも気を配りましょう。

どんど焼きでの処分|地域の伝統行事に参加しよう

門松の伝統的な処分方法として知られているのが「どんど焼き」です。

小正月(1月15日ごろ)に神社や地域の広場などで行われ、正月飾りや書き初めなどと一緒に燃やします。

煙とともに年神様を天にお送りし、1年の無病息災を願う意味が込められており、灰を持ち帰って玄関にまくと、魔除けになるともいわれています。

自宅で処分する方法|お清めして感謝の気持ちを

地域でどんど焼きが行われていない場合や持参できない場合は、自宅で処分します。

その際は、神聖な飾りとして役目を終えた門松に感謝し、塩でお清めしてからごみとして出すのが一般的です。

「ありがとう」の気持ちを込めて処分することで、新しい年も心穏やかに過ごせそうですね。

「門松(kadomatsu)」はどこで買える?

門松はどこで手に入れられるのでしょうか。

ここでは、購入先ごとの特徴や価格帯についてご紹介します。

専門業者から購入する

本格的な門松を求めるなら、門松専門の業者から購入するのがおすすめ。

職人の手で丁寧に作られており、見た目の美しさだけでなく、素材やバランスにもこだわりがあります。

価格は2万〜3万円ほどですが、その分クオリティは高く、玄関を立派に彩ってくれるでしょう。

最近では、オンラインで注文できる専門店も増えており、自宅にいながら全国の名店から選べるのも魅力です

おすすめの専門業者▶︎ 日本の門松

スーパー・ホームセンターで購入する

手軽に門松を用意したい場合は、スーパーやホームセンターがおすすめです。

12月になると特設コーナーが設けられ、プラスチック製や造花を使ったコンパクトなタイプが並びます。

価格帯は1,000〜4,000円程度と手頃で、掃除や保管がしやすい点も人気の理由。

特にマンションや玄関が狭い場合には、こうしたタイプが重宝されます。

「門松(kadomatsu)」以外のお正月飾りもチェック!

日本のお正月には、門松のほかにもさまざまな飾りが登場します。どれも一年の健康や幸福を願う気持ちが込められていて、新年を気持ちよく迎えるために欠かせない存在です。

◇ しめ縄(shimenawa)|家内安全を願う縁起物
しめ縄は、稲わらを綯(な)って作られた神聖な縄で、玄関や神棚に飾られるのが一般的です。結界のような意味を持ち、悪いものが家に入ってこないように守ってくれるとされています。

輪の形には「円満」、切り垂らした形には「神様を迎える依り代」といった意味が込められ、松や柑橘類、紙垂(しで)などをあしらうことで、より縁起の良い飾りに仕上げることもあります。

◇ 鏡餅(kagamimochi)|年神様へのお供え物
鏡餅は、丸いお餅を2段に重ね、その上に橙(だいだい)などの縁起物を乗せて飾る伝統的な正月飾りです。丸い形には「円満」、白い色には「清浄」といった意味が込められています。

12月28日ごろから飾り、1月11日の「鏡開き」で割って食べるのが一般的。この鏡開きには、「年神様の力をいただく」という願いが込められており、お餅を雑煮や汁物に入れて食べるのが習わしとされています。

まとめ

門松は、新年の神様を迎えるための目印として飾られる、日本ならではの正月飾りです。

松や竹、梅などにはそれぞれ縁起の良い意味があり、昔から人々の願いが込められてきました。

飾る場所や期間、処分の仕方などにも意味があるため、由来を知って飾ることで、新年の始まりをより気持ちよく迎えられるでしょう。

ぜひ、お正月の風物詩として門松を取り入れてみてください。

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