特定技能に必要な「JFT-Basic」を徹底解説!JLPTとの違いや試験内容、企業が押さえるべきポイント

日本企業で特定技能外国人を採用する際、日本語能力の基準として選ばれる試験のひとつが「JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)」です。
JLPT(日本語能力試験)と並んで利用できる選択肢ですが、違いや特徴を把握しておかないと、採用基準を適切に設定できません。
この記事では、JFT-Basicの概要や特定技能との関係、試験内容やJLPTとの違い、採用判断に活かすポイントをわかりやすく解説します。
Contents
JFT-Basicとは?特定技能との関係を解説

JFT-Basicは、国際交流基金が実施する日本語能力テストで、外国人が日本で生活する上で必要な基礎的な日本語力を測るために作られました。
特定技能1号の在留資格を取得する際、日本語能力を証明する方法のひとつとして認められており、JLPT N4と同等レベルとされています。
企業の人事担当者にとっては、JFT-Basicは「採用前に候補者の日本語コミュニケーション能力を確認できる指標」として活用可能です。
特定技能制度では、JFT-Basic合格(A2レベル相当)かJLPT N4以上が必須条件となるため、どちらの試験結果を基準とするかを社内であらかじめ決めておくとスムーズです。
JFT-BasicとJLPTの違い

JFT-BasicとJLPTは、同じ「日本語能力試験」ではありますが、目的や試験方法が異なります。
ここでは企業担当者が知っておきたいポイントを整理します。
試験のレベル・評価方法の違い
JLPTはN5〜N1まで5段階に分かれ、読解と聴解を重視する試験です。
一方、JFT-Basicはレベル分けがなく、A2相当(JLPT N4程度)の日本語力を判定します。
問題は生活場面を想定した内容が多く、実践的なコミュニケーション能力を評価できます。
実施頻度・結果通知スピードの違い
JLPTが年2回(7月・12月)しか実施されないのに対し、JFT-Basicは年6回のペースで行われ、結果は5営業日以内に通知されます。
採用スケジュールに合わせやすいのが大きなメリットです。
企業が基準を設定する際の選び方
短期での採用や海外現地での採用活動には、受験機会が多く結果も早いJFT-Basicが有利です。
JLPTは認知度が高く長期的な学習指標になります。
どちらを求めるかは採用職種や必要な日本語レベルに合わせて決めると良いでしょう。
JFT-Basicの試験内容とレベル

JFT-Basicは、全部で約50問、試験時間は60分。すべてコンピューターベース(CBT方式)で出題されます。
試験構成と問題数・時間
試験は以下の4つのセクションで構成されます。
- 文字・語彙
- 会話・表現
- 聴解
- 読解
現行記事と同様に、日常生活で必要な日本語を中心に出題されます。
実際の試験では、問題文や選択肢は受験者の母語で表示されるため、日本語初心者でも理解しやすい設計です。
CEFR A2レベルの意味と実際の日本語力
A2レベルは「日常生活でよく使う表現が理解でき、簡単な会話ができる」水準です。
採用後は、基本的な指示や簡単な会話には対応できますが、専門的な説明や複雑なやり取りにはフォローが必要になるケースもあります。
職場でどの程度の日本語が必要かを明確にし、教育体制を検討しておきましょう。
JFT-Basicの受験方法と日程

企業としては、候補者に試験を受けてもらうタイミングを計画的に設定する必要があります。
受験資格と申込の流れ
JFT-Basicは誰でも受験可能で、受験予約はオンラインで行います。
個人受験と団体受験があり、企業が複数人まとめて予約することも可能です。
採用前に案内する際は、予約締切日や必要な本人確認書類を事前に伝えておきましょう。
試験実施国・会場・日程情報
日本国内だけでなく、ミャンマー、フィリピン、インドネシアなど海外でも受験可能です。
海外採用を行う場合は、現地の試験スケジュールや会場の混雑状況も確認しておくと安心です。
結果通知と活用方法
JFT-Basicの結果は試験後5営業日以内に通知されます。
合格基準とスコアレポート
合格ラインは250点満点中200点以上。スコアはWeb上で確認でき、PDFでダウンロード可能です。
採用書類として提出してもらえば、客観的な日本語能力の証明になります。
採用フローへの組み込み方
例えば、内定条件として「JFT-Basic合格」を設定し、入社前に受験してもらう運用も可能です。
技能試験との組み合わせで特定技能1号要件を満たしているかをチェックしましょう。
JFT-Basic活用のメリット・注意点
JFT-Basicを採用基準に活用することで、現場で必要な日本語力を確保しやすくなります。
メリット
結果通知が早い、年6回の実施でチャンスが多い、海外でも受験できる点は採用スケジュールを立てやすい利点です。
注意点
国や地域によって会場数や日程に差があります。
繁忙期には予約が取りづらい場合もあるため、採用計画を立てる際はスケジュールに余裕を持ちましょう。
また、結果は合格/不合格のみのため、より高い日本語レベルを求める場合は追加面接や独自テストで補完すると安心です。
企業が押さえるべきチェックリスト
外国人を採用する際は、以下のをチェックしましょう。
- 採用基準としてJFT-Basicを明記
- 合格スコアの提出期限を設定
- 内定後の日本語教育計画と連動させる
まとめ
JFT-Basicは、特定技能採用における重要な日本語能力判定ツールです。
JLPTと比較して受験機会が多く、結果も早くわかるため、採用スケジュールに柔軟に対応できます。
企業としては、「JFT-Basic A2以上」または「JLPT N4以上」を明確に採用条件に組み込み、入社後の教育・研修とセットで運用することがポイントです。
社内の基準を整えておくことで、採用のミスマッチを防ぎ、外国人社員が安心して働ける環境を整えられます。