留学生が学校卒業後に申請できる特定活動ビザとは?申請条件から必要書類、注意点まで解説!

「卒業までに就職先が決まらなかったらどうしよう…」と不安に感じている留学生も多いはず。
留学ビザは卒業と同時に効力を失うため、そのままでは日本で就職活動を続けることができません。
そこで役立つのが「特定活動ビザ」です。
このビザを取得すれば、卒業後も最大1年間、日本に滞在して安心して就職活動を続けられます。
この記事では、特定活動ビザの条件や申請方法、必要書類、アルバイトの可否までを詳しく解説します。
▼Goandup Picks おすすめ記事はこちらから!
- 日本でプリペイドSIMはどこで買える?外国人におすすめのSIMカードも紹介
- プリペイドSIMの購入方法や外国人に適したSIMカードを紹介しています。
- 【保存版】外国人におすすめの日本のポケットWi-Fi完全ガイド
- 日本で便利に使えるポケットWi-Fiの選び方やおすすめ商品を紹介しています。
Contents
留学生が学校卒業後に必要な「特定活動ビザ」とは?

学校を卒業しても就職先が決まっていない場合、留学ビザのままでは滞在を続けられません。
そんなときに利用できるのが、特定活動ビザです。
留学ビザは学業を前提とした在留資格のため、卒業と同時に効力がなくなります。
卒業後も就職活動のために滞在を希望する場合は、特定活動ビザへの切り替えが必要です。
特定活動ビザの条件と対象者は?

特定活動ビザは、すべての留学生が自動的に取得できるわけではありません。
申請できる対象者や満たすべき条件が明確に決まっています。
自分がその範囲に含まれるかをしっかり確認しておきましょう。
特定活動ビザを申請できる対象
まず、特定活動ビザを申請できるのは、次のいずれかに該当する留学生です。
- 日本の大学を卒業した留学生
日本の大学を卒業し、卒業前から就職活動を行っていた人。
卒業後も日本で活動を続けたい場合が対象になります。
- 専門学校を卒業した留学生(専門士取得者)
専修学校専門課程を修了し「専門士」の称号を得た人。
さらに、専攻内容が「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格に関連している必要があります。
- 日本語学校を卒業した留学生(海外大学卒業者に限る)
海外の大学または大学院を卒業したうえで、日本語学校を修了した人。
このように、専門学校や日本語学校の卒業生も対象にはなりますが、条件が大学卒業生よりも厳しく設定されています。
特に日本語学校の場合は「海外大学を卒業していること」が前提となるため注意が必要です。
特定活動ビザを取得するための条件
対象者に該当するだけでは十分ではなく、申請にはさらにいくつかの条件を満たす必要があります。
- 卒業前から就職活動を行っていること
在学中から応募や面接などの活動を続けている必要があります。
- 学んだ分野に関連する職種での就職活動であること
専攻内容と無関係な職種を希望すると審査で不利になる場合があります。
- 学校の推薦状があること
成績や出席率を基準に学校が発行します。
申請に必須の書類なので、余裕をもって依頼することが大切です。
- 就職活動中の生活費を確保できること
仕送りや自己資金の証明を通じて、日本滞在中に安定して生活できることを示さなければなりません。
これらの条件を満たして初めて、特定活動ビザの取得が可能になります。
特に推薦状や生活費の証明は準備に時間がかかるため、卒業前から計画的に進めることが重要です。
証明書などで、ある程度まとまった金額が用意できていることを示す必要があります。
特定活動ビザの申請方法と流れは?

特定活動ビザを取得するには、留学ビザから在留資格を切り替える「在留資格変更許可申請」必要です。
準備から審査完了までには時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
基本的な流れは以下の通りです。
1. 申請書類の準備
在留資格変更許可申請書、写真、卒業証明書、推薦状などを揃えます。
必要書類は出身校や卒業区分によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
2. 出入国在留管理局で申請
居住地を管轄する出入国在留管理局に書類を提出します。
受付は平日の午前・午後に分かれて行われているため、窓口時間を確認して訪れるのが安心です。
3. 審査
提出内容をもとに審査が行われます。
就職活動を続けているか、推薦状や生活費の証明が十分かどうかがチェックされます。
4. 結果通知
結果は、申請時に提出した封筒やハガキで通知されます。
不備があると再提出を求められることもあるため、初回から正確に準備することが重要です。
5. 在留資格「特定活動」の取得
許可が下りると、入管窓口で収入印紙(4,000円)を納付し、パスポートや在留カードに変更内容が反映されます。
これで正式に特定活動ビザが取得できます。
また、審査期間は通常2週間から1か月程度かかります。
卒業直後は申請が集中して混み合うこともあるため、余裕を持って動き始めましょう。
特定活動ビザの申請に必要な書類は?

特定活動ビザを申請する際に提出する書類は、基本的に共通するものと、卒業した学校の区分ごとに異なるものがあります。
書類が不足すると審査が進まなかったり、追加提出を求められたりするため、早めの準備が欠かせません。
すべての留学生に共通して必要な基本書類は以下の通りです。
【共通して必要となる書類】
|
続いて、留学生ごとに必要な書類は以下の通りです。
【日本の大学を卒業した留学生】
|
【専門学校を卒業した留学生(専門士取得者)】
|
【日本語学校を卒業した留学生(海外大学卒業者に限る)】
|
上記のとおり、大学・専門学校・日本語学校のいずれの場合も「卒業校からの推薦状」は必須です。
しかし、推薦状の発行には日数がかかることもあり、出席率や成績によってはすぐに発行してもらえないケースも。
そのため、卒業前から学校に依頼し、スケジュールを逆算して動くことで、安心して申請に臨めるでしょう。
参考:出入国在留管理庁
特定活動ビザで認められる活動内容と在留期間

特定活動ビザを取得すれば、一定期間日本で就職活動を続けられます。
滞在できる期間やアルバイトの条件も確認しておきましょう。
在留期間は最長1年(6か月+更新1回)
まず6か月が認められ、必要に応じて1度だけ更新できます。
最長で1年間活動できるため、更新時には活動実績を示す資料を整えておきましょう。
資格外活動許可があればアルバイトも可能(週28時間以内)
資格外活動許可を取得すれば、週28時間以内のアルバイトができます。
ただし本来の目的は就職活動なので、アルバイトに偏りすぎないよう注意が必要です。
特定活動ビザ申請における注意点

大学卒業生と比べ、専門学校や日本語学校卒業生は申請の条件が厳しくなることがあります。
ここではそれぞれのケースについて解説します。
専門学校卒業生の場合
専門士の称号を持っていても、就職活動は「専攻分野と関連する職種」に限られます。
学んだ分野とかけ離れた業種ばかりを希望すると、審査で不利になる可能性があります。
日本語学校卒業生の場合
日本語学校を卒業しただけでは対象にならず、「海外の大学や大学院を卒業していること」が前提条件です。
さらに、学校が適正校に認定されているか、推薦状を発行してもらえるかが重要になります。
【Q&A】特定活動ビザを申請する際のよくある質問

初めて特定活動ビザの申請に取り組むと、制度やルールが複雑に感じられることもあるでしょう。
ここではよくある質問をまとめたので、参考にしてください。
Q. 推薦状がもらえない場合どうすればいい?
A. 推薦状がなければ原則申請できません。
発行されなかった理由を確認し、必要に応じて改善点を整理しましょう。
再依頼や専門家への相談で解決できる場合もあります。
Q. 卒業後にすぐ就職活動を始めていないとダメ?
A. 卒業前から就職活動を続けていることが条件です。
卒業後に新たに始めた場合は認められにくいため、在学中から活動を始めておきましょう。
Q. 特定活動ビザは何回でも更新できますか?
A. 就職活動用の特定活動ビザは最大1年(6か月+更新1回)までです。
Q. 特定活動46号との違いは?
A. 特定活動46号は高度人材の就労を目的とした在留資格で、対象者や条件が異なります。
就職活動用の特定活動とは別物なので、混同しないよう注意してください。
まとめ
特定活動ビザは、卒業後も日本で就職活動を続けたい留学生を支える大切な制度。
申請には推薦状や生活費の証明などいくつかの条件がありますが、計画的に準備すれば取得は十分可能です。
また、専門学校や日本語学校の卒業生は条件が大学卒業生と異なる部分もあるため、自分が対象になるかを早めに確認しておきましょう。
まずは学校に相談し、必要書類を整えることが第一歩です。
特定活動ビザを活用すれば、安心して就職活動を続けられます。
日本で理想のキャリアを実現するために、ぜひ余裕を持って準備を進めてください。