外国人が入管時に使う在職証明書とは|必要な場面・もらい方・テンプレートを紹介

書類を作成している女性

外国人材の採用や在留資格の手続きで、「在職証明書」の提出を入管(出入国在留管理庁)から求められる場面は少なくありません。ただし、入管に提出する在職証明書は、転職や住宅ローンで使うものとは確認されるポイントが異なります。

本記事では、在職証明書が入管手続きで必要になるケース、記載すべき項目と書き方、2026年に変わった最新の必要書類ルール、混同しやすい書類との違いまでを、企業のご担当者が上長・現場・法務への社内説明にもそのまま使える形で整理しました。

在職証明書とは

在職証明書(英語では Certificate of Employment)は、特定の会社で現在働いている、または過去に働いていた事実を証明する書類です。「在籍証明書」「雇用証明書」と呼ばれることもあります。

一般的には転職や保育園の入園、住宅ローンの審査などで使われますが、外国人材の在留資格(いわゆるビザ)の手続きでは、入管が本人の職歴や現在の就労状況を確認するための資料として重要な役割を担います。

ポイントは、入管の文脈では在職証明書が「働いていることの証明」にとどまらない点です。たとえば「技術・人文知識・国際業務」(専門的・技術的分野で働くための在留資格。通称「技人国(ぎじんこく)」)では、学歴だけでなく実務経験によって要件を満たすケースがあり、その経験年数を裏づける書類として在職証明書が使われます。

実際、出入国在留管理庁の提出書類でも、在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書として位置づけられています。さらに家族滞在ビザでは、扶養する社員に安定した収入があることを示す資料としても提出を求められます。

つまり、入管における在職証明書は、「在留資格の要件を満たす根拠」を示す書類だと理解しておくと、準備の精度が上がります。

在職証明書が必要になる場面は?

在職証明書に記載される基本項目

入管向けに限らず、在職証明書には雇用に関する情報が幅広く記載されます。一般的な記載項目は次のとおりです。

  • 氏名(漢字およびローマ字表記)、生年月日、国籍、在留カード番号
  • 勤務先の会社名・所在地・連絡先
  • 入社日、雇用形態(正社員・契約社員など)、雇用期間
  • 職種・担当業務の内容、所属部署、役職
  • 勤務日数・勤務時間、月収または年収
  • 証明書の発行日、使用目的、会社の代表者印または社印

これらは企業や提出先によって多少前後しますが、基本構成は共通です。入管手続きでは、このうち「在籍期間(いつからいつまで働いたか)」と「担当業務の内容」が特に重視されます。職歴を要件として申請する場合、業務内容が在留資格の活動範囲と関連していること、そして必要な経験年数を満たしていることが読み取れるよう、具体的に記載してもらうことが大切です。

入管に提出する在職証明書が一般的なものと違う点

転職や賃貸契約で使う在職証明書は「現在その会社に在籍していること」を示せれば足りる場合が多い一方、入管提出用ではより踏み込んだ情報が求められます。具体的には、ローマ字での氏名表記、国籍や在留カード番号、雇用期間や勤務時間の詳細、そして雇用契約書との整合性などです。

入管がフォーマットを細かく指定することは基本的にありませんが、審査で確認したい項目はあらかじめ決まっています。記載漏れや、申請書・雇用契約書との食い違いがあると、追加資料を求められて審査が長引いたり、不利益な判断につながったりすることもあります。日本語での作成で問題ありませんが、本人が内容を理解できるよう、日本語と英語を併記したフォーマットを使う企業も増えています。社内説明の場面では、「入管用は職歴と整合性が命」と押さえておくと判断しやすくなります。

在職証明書と似ている書類との違いを理解しよう

在職証明書とよく似た書類に、「就労資格証明書」や「退職証明書」などがあります。

それぞれ目的や発行元が異なるため、混同しないように違いを知っておきましょう。

就労資格証明書との違い

就労資格証明書(英語では Certificate of Qualification for Employment)は、「自分の在留資格で日本の会社に就労できるかどうか」を証明する書類です。

これは、出入国在留管理局が発行する公的な文書で、会社が発行する在職証明書とは別ものになります。

簡単に言うと、在職証明書は「働いていることの証明」、就労資格証明書は「働いていい資格があることの証明」と覚えておくとわかりやすいです。

就職活動中や転職直後など、「この仕事をして問題ないか?」を確認したいときに求められることがあります。

退職証明書との違い

退職証明書は、すでに会社を退職した後に、「その会社でいつまで働いていたか」を証明するための書類です。

記載内容は在職証明書と似ており、氏名や雇用形態、在籍期間に加えて、退職日や退職理由が記載されます。

書かれている内容は在職証明書とよく似ていますが、発行されるタイミングが違うので、在職中は在職証明書、退職後は退職証明書と、状況によって使い分けましょう。

日本の在職証明書に記載されている内容とは

在職証明書には、あなたが働いている(または働いていた)会社や仕事内容など、雇用に関するさまざまな情報が記載されます。

ここでは、一般的に書かれている内容と、入国管理局に提出する際に求められる情報の違いについて見ていきましょう。

在職証明書に必ず書かれる基本情報は?

在職証明書に記載される主な項目は、以下のとおりです。

  • 氏名(漢字およびローマ字表記)
  • 生年月日
  • 現住所
  • 性別
  • 国籍
  • 在留カード番号
  • 勤務先の会社名
  • 会社の所在地
  • 会社の連絡先(電話番号やメールアドレス)
  • 入社日
  • 雇用形態(正社員、契約社員、アルバイトなど)
  • 職種や担当業務の内容
  • 所属部署
  • 役職名
  • 雇用期間(契約社員などの場合)
  • 勤務日数・勤務時間(週単位)
  • 月収または年収
  • 社会保険の加入状況
  • 証明書の発行日
  • 使用目的
  • 会社の代表者印や社印

企業や提出先によって多少の違いはありますが、これらが一般的な記載内容です。

入国管理局に提出するとき、追加で必要な情報は?

ビザの更新や変更、家族滞在ビザの申請などで入国管理局に在職証明書を提出する場合は、追加で求められる情報があることもあります。たとえば、次のような内容です。

  • ローマ字での氏名表記
  • 国籍や在留カード番号
  • 雇用期間や勤務時間の詳細
  • 雇用契約書との整合性が取れていること

入国管理局がフォーマットを指定することは基本的にありませんが、審査に必要な項目はあらかじめ決まっているため、記載漏れがないように準備しておきましょう。

書式については、後ほど詳しくテンプレートを紹介します。

【正社員・派遣・フリーランス別】日本で在職証明書のもらい方

在職証明書の入手方法は、働いている形態によって違います。

正社員やアルバイト、派遣社員、自営業・フリーランスなど、立場によって依頼先や準備の方法も変わるので、それぞれの流れを確認しておきましょう。

正社員・アルバイトは人事部や総務部に依頼しよう

正社員やアルバイトとして働いている場合、在職証明書は勤務先の会社に依頼して発行してもらいます。

多くの企業では、人事部や総務部が担当しており、上司や人事担当者に相談して手続きを進めるのが一般的です。

希望する提出先や受取日、記載してほしい項目がある場合は、あらかじめ伝えておくとスムーズ。

発行には1〜2週間ほどかかることもあるため、早めの依頼が安心です。

派遣社員は派遣元の会社に依頼しよう

派遣社員として働いている場合は、勤務先ではなく「雇用契約を結んでいる派遣元の会社」に在職証明書を依頼します。派遣先の会社は雇用主ではないため、証明書を出してもらうことはできません。

依頼する際は、派遣先での勤務日数や勤務時間、仕事内容などを正確に伝えることが大切。

派遣元はその情報をもとに在職証明書を作成します。

自営業・フリーランスは自分で対応しよう

自営業やフリーランスの場合、企業から発行されるような在職証明書はありません。

ですが、ビザの申請や公的手続きで在職証明が求められるケースもあります。

その場合は、自分で「〇〇として自営業を営んでいる」「フリーランスとして〇〇の業務を行っている」と記載した証明書を用意し、確定申告書や収入の記録(請求書、領収書など)を添付して対応するのが一般的です。

在職証明書を依頼する時に押さえておきたいポイント

会社に在職証明書の発行を依頼する際は、ちょっとした注意点も。

ここでは、事前に確認しておくと安心なポイントをまとめて紹介します。

依頼は早めに!発行に1〜2週間かかることも

在職証明書は、依頼してすぐに発行されるとは限りません。

会社によっては、発行までに1〜2週間ほどかかる場合もあります。

提出期限が迫ってから慌てないよう、必要になりそうな場面では、できるだけ早めに依頼しておくのが安心です。

使用目的を明確に伝える

在職証明書は、提出先や目的によって記載すべき内容が少しずつ異なります。

たとえば、転職先に提出する場合と、ビザの更新に使う場合では、重視される情報も違ってくることも。

依頼時には「どこに提出するのか」「どんな目的か」をきちんと伝え、必要な情報がきちんと反映されるようにしましょう。

指定のフォーマットがないか事前に確認する

会社によっては独自のフォーマットを用意していたり、提出先から指定の書式が求められることがあります。

事前にフォーマットの有無を確認し、必要があればその様式にあわせて書類を作成してもらいましょう。

発行手数料の有無を確認する

会社によっては、在職証明書の発行に手数料がかかる場合があります。

依頼する前に、発行費用が必要かどうかを確認しておくと安心です。

個人情報の管理にも注意する

在職証明書には、氏名や住所、勤務先の情報など、個人情報が多く記載されています。

提出先以外に不用意に見せたり、コピーを配布したりしないよう、取り扱いには十分注意しましょう。

【日本語・英語対応】在職証明書のテンプレートを紹介!

書式について不安がある方は、出入国在留管理庁が公開しているテンプレートを参考にしてみてください。

ビザ申請や入国管理局向けにも対応できる内容になっています。

ただし、提出先によって記載内容のルールが異なる場合もあるため、このサンプルをベースに、必要に応じて内容を調整するようにしましょう。

▶︎ 出入国在留管理庁

まとめ

在職証明書は、日本で働く外国人の方にとって大切な書類のひとつです。

ビザの申請や更新、家族の呼び寄せ、住居の契約など、さまざまな場面で必要になることがあります。

この記事の内容を参考に、必要なタイミングに備えて早めに準備しておきましょう。

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