外国人でも借りられるアパートはある?外国人向けの不動産会社も紹介

日本でアパートを借りたい外国人の方にとって、賃貸契約は複雑で難しく感じられることが多いでしょう。
しかし、適切な準備と知識があれば、外国人でも問題なくアパートを借りることが可能です。
本記事では、外国人がアパートを借りる際に必要な費用や書類、注意点について解説します。
Contents
外国人がアパートを借りる際に必要な家賃以外のお金

日本でアパートを借りる際には、家賃以外にもさまざまな初期費用や更新料が発生します。
これらの費用を事前に理解し、準備しておくことが大切です。
敷金・礼金
敷金は、賃貸契約が終了する際に発生する可能性のある修繕費用や、家賃を滞納した際の保証として家主に預けるお金です。
敷金の相場は家賃の1〜2か月分となっており、退去時に原状回復のための費用を差し引いた残額が返還されます。
ただし、通常の生活による自然な汚れや損耗については借主の負担にはなりません。
礼金は、大家さんに対するお礼として支払うお金で、敷金とは異なり返還されません。
地域や物件によって異なりますが、家賃の1〜2か月分が相場です。
最近では礼金なしの物件も増えており、初期費用を抑えたい場合はそのような物件を探すとよいでしょう。
仲介手数料
仲介手数料は不動産会社に支払う手数料で、法律上は家賃の1か月分+消費税が上限となっています。
ただし、借主と貸主双方の合意があれば、それぞれが家賃の0.5か月分ずつ負担することも可能です。
仲介手数料は契約成立時に支払う必要があり、物件探しから契約手続きまでのサービス対価として発生します。
保証委託料
保証委託料は、連帯保証人の代わりとなる保証会社を利用する場合に必要な費用です。
外国人の場合、連帯保証人を見つけることが難しいため、保証会社の利用が一般的になっています。
初回保証料として家賃の0.5〜1か月分程度、その後は年間で家賃の10〜20%程度の更新料が発生することが多いです。
更新料
賃貸契約は通常2年間で設定され、継続する場合は更新の手続きが必要です。
更新料は家賃の1〜2か月分が相場で、契約を更新する際に支払います。
火災保険料
賃貸住宅では、火災保険への加入が義務付けられることがほとんどです。
火災保険料は年間1〜2万円程度で、2年分を一括で支払うことが多いです。
火災だけでなく、水漏れや盗難なども補償の対象となる場合があります。
外国人がアパートを借りる際に必要な書類

外国人がアパートを借りる際には、日本人よりも必要な書類が多くなります。
必要な書類を事前に準備しておくことで、契約の手続きをスムーズに進めることができます。
身分証明書
パスポートと在留カードは、必須の書類です。
在留カードには、常に最新の情報が記載されている必要があります。
住所の変更などがあった場合は、速やかに更新の手続きを行いましょう。
運転免許証がある場合は、追加の身分証明書として使用できる場合があります。
就業証明書
現在の勤務先から発行される就業証明書が必要です。
就業証明書には、勤務先の正式名称や住所、電話番号、雇用形態、勤務開始日などが記載されている必要があります。
また、正社員でない場合は、雇用契約書の提出も求められることがあります。
収入証明書
収入証明書には、源泉徴収票や給与明細書(直近3か月分)、課税証明書などが該当します。
家賃の支払い能力を証明するため、月収が家賃の3倍以上であることを示す書類が一般的に求められます。
自営業の場合は、確定申告書のコピーが必要です。
就労資格証明書
就労資格証明書は、在留資格が就労可能であることを証明する書類です。
在留カードに就労制限の有無が記載されていますが、より詳細な就労資格証明書の提出を求められる場合があります。
留学生の場合は、資格外活動許可書も必要になることがあります。
緊急連絡先の情報
日本国内に住む緊急連絡先の情報が必要です。
友人や同僚、先輩などでも構いませんが、日本語でコミュニケーションが可能な方が望ましいです。
連絡先の氏名や住所、電話番号、関係性を明確に記載した書面を準備してください。
外国人の賃貸契約が難しいといわれる理由

外国人の賃貸契約が困難とされる背景には、家主や不動産会社側のさまざまな懸念があります。
これらの理由を理解することで、対策を講じやすくなります。
日本語でのコミュニケーション不足
最も大きな課題は、言語の壁です。
賃貸契約には複雑な条項が多く含まれており、誤解やトラブルを避けるためには十分な日本語能力が求められます。
また、契約内容の説明、日常的な連絡、緊急時の対応など、さまざまな場面でコミュニケーションを取らなければなりません。
このため、家主や不動産会社は日本語に不安がある外国人の入居を躊躇することがあります。
しかし、最近では多言語対応の不動産会社も増えており、英語や中国語、韓国語などでのサポートを受けられる場合があります。
また、日本語ができる友人や同僚に同行してもらうことで、この問題を解決できることもあります。
連帯保証人を確保できない
日本の賃貸契約では、連帯保証人の確保が一般的な条件となっています。
なお、連帯保証人は借主と同等の責任を負うため、日本国内に居住し、安定した収入がある親族や知人である必要があります。
外国人の場合、このような条件を満たす連帯保証人を見つけることが難しいケースが多いです。
現在では、保証会社の利用を条件に連帯保証人を不要とする物件も増えていますが、この場合は保証会社の審査に通る必要があります。
外国人向けの保証会社も存在するため、不動産会社に相談してみることがおすすめです。
支払い能力に対する不安
就労ビザの期限や転職の可能性、母国への帰国リスクなどを理由に、外国人は長期的な支払いが難しいのではないかという不安を抱く不動産会社も多いです。
特に、就労ビザの更新が必要な場合や、転職活動中の場合は審査が厳しくなる傾向があります。
この不安を解消するためには、安定した収入の証明、長期的な日本滞在の意思を示す書類、十分な預貯金の証明などが有効です。
また、勤務先の安定性や将来性についても説明できるとよいでしょう。
文化の違いから発生するトラブル
文化的な違いから、住居の使用方法や近隣との関係において、外国人が日本人とは異なる行動を取る可能性への懸念があります。
例えば、靴を履いたまま室内に入る、大音量で音楽を聴く、ゴミ出しのルールを守らないなどの問題が過去に発生したケースがあるためです。
また、退去時の原状回復についても、基準や範囲について理解が不十分だったためにトラブルになることがあります。
これらのトラブルを避けるためには、事前に日本の住居マナーや契約条件をしっかりと理解し、守る意志があることを示すことが重要です。
外国人がアパートを借りる際に知っておくべきこと

日本でアパートを借りる際には、日本特有の住居文化やルールを理解しておくことが重要です。
これらを事前に知っておくことで、入居後のトラブルの防止に効果的です。
室内では靴を履かないこと
日本では、室内で靴を履く習慣がありません。
靴は玄関で脱ぎ、室内ではスリッパや裸足で過ごします。
畳の部屋のルールは特に厳しく、靴はもちろん、スリッパも履かないことが一般的です。
また、外国から来た友人を招く際も、この習慣について説明し、協力してもらうことが大切です。
家具や家電は自分で用意すること
日本の賃貸アパートは、通常「空室」の状態で貸し出されます。
このため、冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどの基本的な家具・家電は自分で準備する必要があります。
入居前に必要な家具を自分で購入し、設置しましょう。
ただし、「家具付き」や「家電付き」と明記された物件もあるので、初期費用を抑えたい場合はそのような物件を探すとよいでしょう。
水道費や光熱費、インターネット利用料は自分で負担すること
家賃とは別に、電気・ガス・水道などの光熱費、インターネット利用料は入居者の負担となります。
各サービスの契約手続きは自分で行う必要があり、毎月の使用料も自己負担です。
これらの費用は月額1〜2万円程度が目安ですが、使用量や契約内容によって変動します。
契約の際には各サービス会社の連絡先を確認し、入居日に合わせて開通手続きを行いましょう。
外国人が借りやすいアパートの特徴

外国人が賃貸契約をより円滑に進めるためには、外国人の受け入れに積極的な物件を選ぶことが重要です。
以下のような特徴を持つアパートは、外国人でも借りやすい可能性があります。
多言語に対応している
英語や中国語、韓国語などの多言語でのサポートを提供している不動産会社の物件は、外国人も借りやすいです。
これらの会社は、契約書の翻訳版を用意していたり、多言語対応のスタッフがいたりする場合があります。
保証人が不要である
保証会社との提携により、連帯保証人不要で契約できる物件が増えています。
特に外国人向けの保証会社と提携している物件では、審査もスムーズに進む可能性が高いです。
外国人の受け入れが可能である
物件情報に「外国人可」「外国人歓迎」などの記載がある物件は、最初から外国人の入居を想定しているため、審査も比較的通りやすいです。
外国人向けの不動産会社も増えているため、ここを通じて物件を探すこともおすすめです。
家具や家電、インターネット環境が完備されている
家具や家電がついていたり、インターネット環境が整っていたりすると初期費用を抑えることができます。
また、面倒な手続きも不要になるため、日本語が苦手な外国人には特にメリットの大きい物件です。
短期滞在予定の方には、特におすすめです。
外国人が多いエリアにある
国際的なビジネス地区や大学周辺など、もともと外国人の居住者が多いエリアの物件では、外国人の受け入れに慣れている大家さんや不動産会社が多いです。
このため、外国人は契約しやすい傾向があります。
まとめ

外国人でも適切な準備と知識があれば、日本で賃貸契約をすることは十分に可能です。
必要な書類や費用を事前に準備し、日本の住居文化やマナーを理解することが大切です。
また、外国人向けのサービスを提供する不動産会社や、外国人歓迎の物件を積極的に探すことで、よりスムーズな契約が期待できるでしょう。
言語の壁や文化の違いによる不安もありますが、丁寧な準備と適切なサポートを受けることで、自分に合った住まいを見つけることができます。