外国人採用の面接で使える質問例を紹介!注意点や採用後のフォローのコツも

外国人材の採用を進める中で、「面接で何を聞けばよいのか」「文化や言語の違いにどう配慮すべきか」と悩む方は少なくありません。
日本人と同じ感覚で進めてしまうと、採用後のミスマッチや早期退職につながることも。
この記事では、外国人の面接を担当する日本企業の人事・採用担当者に向けて、面接前の準備から効果的な質問例、注意点、面接後のフォローまでを解説します。
日々の採用活動にすぐ活かせる実務的な内容をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
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外国人の採用面接での注意点

外国人採用では、文化や言語の壁からミスマッチが起きやすいと言われています。
そのため企業側で面接段階から工夫する必要があります。
では、実際の面接でどんな準備や注意が必要なのか、見ていきましょう。
在留資格を必ず確認する
外国人が日本で働くには、適切な在留資格が必要です。
種類によって活動内容や期間が異なるため、応募者の希望する職務と合っているかを面接時に確認しましょう。
在留資格 | 対象分野 | 要件 | 就労期間 | 転職・就労制限 |
---|---|---|---|---|
技術・人文知識・国際業務 | 専門的な業務 | 学歴または専門知識 | 最長5年 | 基本自由(関連職種内) |
特定技能 | 労働力不足の分野 | 技能試験や日本語能力試験 | 1号:最長5年/2号:無期限 | 分野内のみ可能 |
技能実習 | 技能習得が目的 | 技能実習計画の認定 | 原則1年 | 転職不可 |
留学 | 学生アルバイト | 資格外活動許可が必要 | 在学中のみ | 週28時間以内に制限 |
家族滞在 | 扶養家族のアルバイト | 資格外活動許可が必要 | 在留資格の期間に準ずる | 週28時間以内に制限 |
特定技能や技能実習では就労期間が限られるため「長期的に働けるか」を確認すると安心です。
技術・人文知識・国際業務では、スキルや仕事への意欲を中心に質問するのが良いでしょう。
また、留学や家族滞在の在留資格は、就労が認められていませんが、「資格外活動許可」を取得することで、週28時間以内のアルバイトとして働くことが可能です。
採用時には必ず許可の有無を確認しましょう。
在留資格外の業務を任せた場合、企業側も処罰対象になるため注意が必要です。
◇ わかりやすい日本語で質問する
外国人応募者の日本語力には個人差があり、難しい表現や専門用語は誤解のもとになります。
例えば「試用期間中の勤務評価」などの複雑な言い回しは、「最初の3か月はお互いに合っているか確認します」と言い換えると理解されやすくなります。
面接官自身がわかりやすい日本語を意識することが大切です。
文化・価値観の違いを理解して配慮する
文化背景の違いは、面接でのビジネスマナーや行動に表れます。
例えば、面接の直前にキャンセルしたり、連絡をせずに辞退するケースも。
必ずしも本人の意欲が低いわけではなく、国や地域によって「辞退時に必ず連絡する」という習慣が一般的ではない場合もあります。
応募者を評価する際には、「文化の違い」と「本人の姿勢」を分けて考えるようにしましょう。
給与・勤務条件を明確に伝える
給与や勤務条件は、外国人候補者が不安を抱きやすいポイントの一つです。
特に日本では、給与から社会保険料や税金が天引きされるため、提示額と実際の手取り額が異なります。
制度を知らない外国人応募者もいるので、あらかじめ説明しましょう。
また、休日や勤務時間の取り扱いも国によって常識が異なるので、モデル給与例や勤務スケジュールを提示し、誤解が生じないよう明確に伝えることが安心感につながります。
差別やNG質問を避ける
国籍・宗教・結婚や出産の有無といった質問は、差別的と受け止められるだけでなく、法律的なトラブルの原因にもなります。
特に外国人との面接では、文化や習慣を知らずに聞いた質問が無意識の差別につながるケースもあるため注意しましょう。
面接官全員が共通認識を持てるよう、NG質問例を社内で共有しておくと安心です。
外国人の面接で聞くべき質問例!

外国人材の採用面接では、日本人に対する一般的な質問に加えて、在留資格・文化的背景・働き方への希望などを確認する必要があります。
ここでは、面接官が外国人応募者に聞くべき質問をカテゴリーごとにまとめました。
質問の狙いを理解しながら使うことで、応募者の適性やミスマッチをより正確に判断できます。
基本情報に関する質問
応募者が日本に来た背景や興味を持った理由、教育環境の選択理由を知ることで、生活・文化面での適応力やキャリア形成への意識を判断できます。
<質問例> いつ日本に来ましたか? どうして日本に興味を持ったのですか? なぜ日本の大学(または学校)を選んだのですか? |
応募者の日本に対する理解度や適応力、学びへの姿勢を具体的に把握できます。
志望動機や希望条件を知る質問
応募者のキャリア目標や価値観を知り、自社の方針と合致しているかを判断します。
<質問例> この仕事に応募した理由を教えてください 日本で働きたいと思ったきっかけは何ですか? 職場に期待することは何ですか? どのような条件で働きたいと考えていますか? 通勤時間や勤務地に希望はありますか? |
こうした質問を通じて、応募者の志望度や職場環境へのニーズが見えてきます。
経験や強みを引き出す質問
これまでの実績やスキルを確認することで、どの業務に適性があるか判断できます。
<質問例> 前職ではどのような業務を担当しましたか 今までの経験で特に自信を持っているスキルを教えてください チームで仕事をした経験はありますか 問題解決をした具体例を教えてください 大きな成果を挙げたプロジェクトについて教えてください |
応募者が語るエピソードを通じて、強みだけでなく仕事への取り組み姿勢も把握できます。
キャリアプランを確認する質問
長期的に定着してもらえるかどうかを見極めるための質問です。
<質問例> 将来どのようなキャリアを築きたいと考えていますか? この仕事を通じて達成したい目標は何ですか? 日本での長期的な生活を考えていますか? スキルアップや資格取得の計画はありますか? 企業にどのように貢献したいと考えていますか? |
キャリア意識を確認することで、早期離職のリスクを下げる判断材料になります。
日本への印象・文化適応を確認する質問
文化や職場環境への適応度を見極めるために有効です。
<質問例> 日本の文化や生活に対する印象はどのようなものですか? 日本で働く際に期待していることは何ですか? 日本で経験したいことはありますか? 日本語の勉強や習得状況を教えてください 日本の企業文化についてどう感じていますか? |
これらの質問から、応募者がどれだけ日本社会に関心を持っているかを確認できます。
コミュニケーション力や協調性を探る質問
日本人社員や他のチームメンバーと一緒に円滑に働けるかどうかを判断する質問です。
<質問例> 職場で人とやり取りするときに意識していることはありますか? これまでのチームで協力してうまくいった経験はありますか? 言葉が通じにくい相手と仕事をした経験はありますか?そのときどんな工夫をしましたか? |
こうした質問は、実務での協調性や対人スキルを見極めるヒントになります。
日本語や多言語スキルを確認する質問
履歴書の資格だけでなく、実務での運用力を把握することが大切です。
<質問例> この求人票に書かれている仕事内容はどこまで理解できましたか? 日本語で働くうえで不安に感じていることはありますか? これまでに英語や他言語を使って仕事をしたことはありますか? 外国人のお客様や取引先とのやり取りで工夫したことはありますか? |
語学力の確認は、即戦力性を判断する大きなポイントになります。
仕事への責任感や熱意を知る質問
意欲や粘り強さは、定着率を左右する重要な要素です。
<質問例> これまでに一番力を入れて取り組んだ仕事は何ですか? とても大変だったけれど、最後までやりきった経験があれば教えてください |
応募者の答えから、業務への向き合い方や達成意欲を読み取れます。
外国人採用後のフォロー|定着とミスマッチ防止のポイント

外国人材の採用は、入社前後のサポートが不十分だと、不安や誤解が積み重なり、早期離職やミスマッチにつながるリスクも。
ここでは、採用後に企業が意識すべきフォローのポイントを紹介します。
勤務条件・入社時期の再確認
内定通知の際には、改めて勤務条件や給与体系、入社日を明確に伝えましょう。
特に外国人材は契約内容に敏感で、口頭説明だけでは不安を抱きやすい傾向があります。
雇用契約書やシフト例を提示しながら確認することで、認識のズレを防げます。
在留資格・ビザ手続きのサポート
在留資格の更新や変更が必要な場合、応募者本人だけに任せると不備が生じやすいです。
企業側で必要書類や流れを案内し、行政書士や専門機関のサポートを紹介すると安心感につながります。
「会社がサポートしてくれたので入社を決めた」という事例も多く、信頼関係の構築にも有効です。
応募者の不安や疑問への対応
採用連絡の後に「不安なことはありませんか?」と一言添えるだけで、応募者の安心感は大きく変わります。
例えば「社会保険制度は初めてですが大丈夫ですか?」といった質問に対して、社内の相談窓口や生活サポート情報を案内できると効果的です。
定着率を高める工夫
入社直後は言語や文化の違いから孤立を感じやすいため、社内でメンター役を決めたり、既存の外国人社員とつなぐ仕組みを整えると定着率が高まります。
採用後のフォローを「採用プロセスの一部」として位置づけることが、外国人材の長期的な活躍につながります。
まとめ
外国人の面接は、日本語力や文化の違いを考慮した事前準備、効果的な質問の工夫、採用後の丁寧なフォローが揃ってこそ成功します。
特に面接の対策では、この記事で紹介した質問例をぜひ参考にしてください。
応募者との認識のズレを減らすことで、定着率の高い採用を実現できるでしょう。