在留カードの更新にかかる期間は?必要書類・申請の流れ・有効期限切れ時の対応と罰則まで徹底解説
日本に中長期在留する外国人にとって、在留カードは身分証明・就労可否の証明・在留管理の基盤となる最重要の証明書です。
「更新はいつからできる?どのくらい時間がかかる?必要書類は?期限が切れたらどうなる?」 といった疑問に、最新の制度トピックを踏まえてまとめました。
【要点】
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Contents
1. 申請開始時期と全体スケジュール

在留期間が6か月以上ある場合、在留期間満了の約3か月前から更新申請が可能です。
会社の決算や学期末等の繁忙期は窓口が混み合うため、早めの準備を推奨します。
申請〜受け取りまでの標準フロー
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審査期間の目安
おおむね2〜6週間(通常は2〜4週間程度)。
繁忙期や追加資料が発生すると長期化します。
目安期間の早見表
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 申請開始可能時期 | 満了日の約3か月前(6か月超の在留期間がある場合) |
| 審査期間 | 2〜6週間(標準は2〜4週間) |
| 許可後の費用 | 窓口6,000円/オンライン5,500円(収入印紙、2025/4/1〜) |
2. 申請方法(窓口/オンライン)と費用

窓口申請
居住地を管轄する地方出入国在留管理局・出張所で申請してください。
許可時に収入印紙6,000円を納付(2025年改定)をしてください。
オンライン申請
対応資格・手続きは拡大中。会社・学校経由の代理申請もあります。
許可時の収入印紙5,500円(2025年改定)です。
※オンラインで「申請受理票(紙)」は原則出ません。
受付完了メールやマイページの申請状況画面を保存・提示用に印刷しておきましょう。
16歳になった場合の特例
永住者のお子様が16歳になった場合、永住者は在留期間の更新は不要ですが、在留カードの有効期間更新は法定義務です。
期間内に更新しなかった場合は罰則(1年以下の懲役または20万円以下の罰金)の対象となることがあります(入管法71条の2)。
また、在留カードの有効期限が16歳の誕生日となっている方は、その6か月前から当日までに更新申請が必要です。
必要書類

在留資格ごとに異なります。ただし、在留資格に関わらず共通の書類がありますので、それらをまずはご紹介し、資格別の必要書類を整理してご紹介いたします。
ベース書類(多くの申請で共通)
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在留資格別の代表例
| 在留資格(例) | 代表的な追加書類(例) |
|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務 等(就労) | 在職証明/雇用契約書、所属機関の概要資料、報酬見込み、源泉徴収票、任意の理由書 等 |
| 経営・管理 | 会社の登記関係、決算書、事業計画、納税・納付状況 等 |
| 留学 | 在学(進学)証明、成績・出席状況、学費の支弁計画 等 |
| 家族滞在・配偶者 | 戸籍・婚姻継続性資料、扶養者の収入・税関係 等 |
| 永住者カード更新(身分系のカード更新) | 申請書・写真・パスポート・在留カード 等(在留期間の更新とは手続が異なるため、別途要項を確認) |
例として、入管サイトでは住民税の課税・納税証明が案内されています(直近1年分)。
就労系では勤務先書類の重要度が高いです。
申請中に期限が来たとき(特例期間)と就労・出国

特例期間」とは?
在留期限までに更新(または変更)申請が受理されていれば、最大2か月の「特例期間」が自動適用され、従前の在留資格のまま在留が認められます。
- 就労可否:いま持っている在留資格の範囲で継続可。もともと就労不可の資格は継続して働けません。留学の資格外活動(アルバイト)は、在学実態等の条件に要注意してください。
- 証明手段:窓口申請なら在留カード裏面の申請中スタンプ+申請受付票、オンラインは受付完了メールや画面の印刷を携行してください。
申請中の出国(再入国許可・みなし再入国)
申請中でも出国可能です(再入国許可またはみなし再入国の条件充足が前提)。
みなし再入国の有効:出国から1年以内(または在留期限までのいずれか早い日まで)です。
実務ヒント
海外滞在中に在留期限が先に到来する場合、1年以内でも在留期限が先なら在留期限までに再入国が必要。
出国前に通常の再入国許可(最長5年※資格により上限差)を検討する選択肢もあります。
有効期限切れのリスク(オーバーステイ)と対応

期限切れ=不法残留(オーバーステイ)
更新申請をせずに期限を1日でも過ぎると不法残留となります。
入管法の罰則では、3年以下の懲役(禁錮)または300万円以下の罰金が規定されています。
退去強制・最大5年の上陸拒否の対象にもなります。
自主出頭と「出国命令制度」
条件を満たす自主出頭で出国命令制度が適用されれば、上陸拒否期間が5年→1年に短縮される場合があります。早めに専門家へ相談し、入管の指示に従ってください。
期限切れへの実務対応フローチャート
| 状況 | 直ちにやること | 留意点 |
|---|---|---|
| 期限前に申請済(受理) | 申請受付票・スタンプ携行、在留資格の範囲で活動継続 | 特例期間(最大2か月)内。出国はみなし再入国/再入国許可の条件を確認。 |
| 期限当日 | 受理時間内に即日申請 | 受理されれば特例期間適用へ。書類不備で受理不可→翌日以降は不法残留の危険。 |
| 期限後(未申請) | 速やかに専門家へ相談・自主出頭を検討 | 罰則・退去強制・上陸拒否のリスク。出国命令制度の適用を要確認。 |
必要書類チェックリスト(汎用)

下表は就労系(技人国等)を例に、一般的に求められる書類を整理したものです。
個別要件は管轄入管の案内に従ってください。
| カテゴリ | 書類 | ポイント |
|---|---|---|
| 本人書類 | パスポート/在留カード | 原本必須。 |
| 申請書類 | 更新許可申請書・写真 | 規格遵守(サイズ・背景)。 |
| 収入・税 | 課税(非課税)証明書・納税証明書(直近1年分) | 総所得・納税状況の記載がある様式を取得。未納があれば先に納付し整える。 |
| 雇用関係 | 在職証明/雇用契約書 等 | 役職・職務内容と在留資格の整合が重要。 |
| 所属機関 | 会社概要・事業内容・決算資料 等 | 会社側の実態資料は審査で重視されやすい。 |
| 任意 | 理由書・補足資料 | 転職直後・勤続短期・収入変動などは説明資料で補強。 |
申請後の「待ち」期間の実務ポイント

- 身分証明:特例期間中は、在留カード(裏面の申請中表示)+申請受付票またはオンライン受付メールをセットで提示できるようにしてください。
- 勤務先・金融機関への説明:雇用主や銀行・証券会社から有効な在留カード提示を求められる場合、申請中である証明を提出します。審査長期化に備え、総務・人事と事前共有をします。
- 出国予定:みなし再入国の適用範囲(原則1年/在留期限まで)を事前に確認。帰国時期が読めない場合は通常の再入国許可を検討してください。
よくある質問(FAQ)

| Q1. 更新はいつからできますか? A. 満了日の約3か月前から(在留期間が6か月超の場合)。早めの準備を。 |
| Q2. どのくらいで終わりますか? A. 目安は2〜6週間。繁忙期や追加資料があれば延長可能です。 |
| Q3. 申請中に期限が切れても働けますか? A. 特例期間(最大2か月)は従前資格の範囲で就労継続可。証明資料を携行してください。 |
| Q4. 申請中に海外へ行けますか? A. 条件を満たせばみなし再入国等で可能。原則は出国から1年以内(在留期限が先ならそこまで)に再入国が必要。 |
| Q5. 手数料はいくらですか? A. 2025/4/1以降、窓口6,000円、オンライン5,500円(収入印紙)です。 |
| Q6. 期限を過ぎてしまいました。 A. 不法残留です。3年以下の懲役(禁錮)または300万円以下の罰金のほか、退去強制・上陸拒否のリスクがあります。自主出頭や出国命令制度の適用余地を専門家と確認しましょう。 |
失敗しないためのチェックリスト(保存版)

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さいごに

在留カードの更新は、「早めの準備」と「証明書類の整合性」が肝です。
特に税の未納や雇用実態とのミスマッチは不許可リスクを高めます。申請方式(窓口/オンライン)や出国予定、在学・就労の状態を踏まえて、3か月前から逆算して動き出しましょう。