在留資格「技能」とは?取得するための要件も解説

5/23/2021最終更新

「技能」の在留資格は、日本経済の国際化の進展や産業の発展に対応した形で、日本人では代替できない産業上の特殊な分野において、熟練技能労働者を海外から受け入れるために設置されました。具体的には、外国料理の調理、外国で考案された工法による住宅の建築、宝石・貴金属・毛皮の加工、動物の調教、外国に特有のガラス製品、絨毯等の製作又は修理、定期便の航空機の操縦、スポーツの指導、ワインの鑑定等の熟練した技能を要する業務に従事する外国人が在留するための在留資格です。

今回は、在留資格「技能」について特に産業分野の特徴と熟練した技能を要する業務の特徴、分野ごとに従事する活動とそれぞれの活動に該当する在留資格を取得するための要件について解説します。

1.具体的な「産業上の特殊な分野」と「熟練した技能を要する業務に従事する活動」とは

日本の公私の機関との契約に基づいて行う「産業上の特殊な分野」に属する「熟練した技能を要する業務に従事する活動」になります。以下に具体的な基準を紹介します。

参照:平成二年法務省令第十六号出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令 法別表第一の二の表の技能の項の下欄に掲げる活動https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=402M50000010016

⑴ 料理の調理又は食品の製造に係る技能で外国において考案され、日本において特殊なものを要する業務に従事する者で、以下のいずれかに該当するもの。

料理の調理又は食品の製造に係る産業上特殊な分野に属する熟練した技能を有する外国人に係る規定で、中国料理、フランス料理、インド料理等の調理師や「点心」、パン、デザート等の食品を製造する調理師やパティシエ等がこれに該当します。なお、タイ人調理師については、日タイEPAにより実務経験が短縮されています。

  1. 当該技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関においてその料理の調理又は食品の製造に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者
  2. 経済上の連携に関する日本国とタイ国との間の協定附属書7第1部A5節1(c)の規定を受ける者

参照:附属書七 自然人の移動に関する特定の約束 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_asean/thailand/pdfs/fuzoku07.pdf

⑵ 外国の特有の建築又は土木に係る技能について10年(当該技能を有する業務に10年以上の実務経験を有する外国人の指揮監督を受けて従事する者の場合にあっては5年)以上の実務経験を有する者で、当該技能を有する業務に従事するもの。

「外国に特有の建築又は土木に係る技能」とは、ゴシック、ロマネスク、バロック方式又は中国式、韓国式等の建築、土木に関する技能で、日本にはない枠組壁工法や輸入石材による直接貼付方法等も含まれます。

⑶ 外国に特有の製品の製造又は修理に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該製品の製造又は修理に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの。

「外国に特有の製品」とは、ヨーロッパ特有のガラス製品、ペルシア絨毯等日本にはない製品の製造又は修理に係る技能をいいます。

⑷ 宝石、貴金属又は毛皮の加工に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において当該加工に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの。

「外国に特有」等の要件は定められていないこと、毛皮の加工は認められますが皮革の加工は認められないことに注意が必要です。

⑸ 動物の調教に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において動物の調教に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの。

⑹ 石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質調査に係る技能について10年以上の実務経験(外国の教育機関において石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削又は海底鉱物探査のための海底地質探査に係る科目を専攻した期間を含む)を有する者で、当該技能を要する業務に従事するもの。

⑺ 航空機の操縦に係る技能について250時間以上の飛行経験を有する者で、航空法(昭和27年法律第231号)第2条第18項に規定する航空運送事業の用に供する航空機に乗り込んで操縦者としての業務に従事するもの

参考:国土交通省発表「外国人操縦士の在留資格要件の見直しについて」https://www.mlit.go.jp/common/001114845.pdf

⑻ スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験(外国の教育機関において当該スポーツの指導に係る科目を専攻した期間及び報酬を受けて当該スポーツに従事していた期間を含む)を有する者若しくはこれに準ずる者といて法務大臣が告示をもって定める者で、当該技能を要する業務に従事するもの又はスポーツの選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技会に出場したことがある者で、当該スポーツの指導に係る技能を要する業務に従事するもの。

在留資格「技能」におけるスポーツには、競技スポーツと生涯スポーツの双方が含まれます。プロスポーツ選手として報酬(賞金を含む)を受けた者、地域又は大陸規模の総合競技会(アジア大会、アジアカップ等)に出場した者が該当します。「技能」の対象はアマチュアスポーツの指導に限られませんが、野球、サッカー等チームで必要とするプロスポーツの監督、コーチ等でチームと一体として出場しプロスポーツの選手に随伴して入国し在留する活動については、「興行」の在留資格に該当しますので注意が必要です。なお、病気治療としての「気功治療」は「技能」の在留資格に該当しません。

⑼ ぶどう酒の品質の鑑定、評価及び保持並びにぶどう酒の提供(以下「ワイン鑑定等という)に係る技能について5年以上の実務経験(外国の教育機関においてワイン鑑定等に係る科目を専攻した期間を含む)を有する次のいずれかに該当する者で、当該技能を要する業務に従事するもの。

  1. ワイン鑑定等に係る技能に関する国際的な規模で開催される虚偽会(以下「国際ソムリエコンクール」という)において優秀な成績を収めたことがある者
  2. 国際ソムリエコンクール(出場者が1国に月1名に制限されているものに限る)に出場したことがある者
  3. ワイン鑑定等に係る技能に関して国(外国を含む)若しくは地方公共団体(外国の地方公共団体を含む)又はこれらに準ずる公私の機関が認定する資格で法務大臣が告示をもって定めるものを有する者

2.その他

外国人を採用する際にまずすべきことは、在留資格「技能」を取得可能な「産業上の特殊な分野」に当てはまるかどうかを確認することです。例えば、「シーシャ(水パイプ)の職人」などは、実務経験年数の要件がクリアできていたとしても、そもそも「シーシャ(水パイプ)業」が「産業上の特殊な分野」に指定されていないため採用(招へい)することができません。

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