在留資格「技術・人文知識・国際業務」について

4/27/2021最終更新

 就労ビザの代表格である在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、2014年の入管法改正により、「人文知識・国際業務」と「技術」のそれぞれの在留資格が統合されて生まれた在留資格です。企業側が専門的・技術的分野における高度外国人人材を雇用する上で、職務上の多面的なニーズに対応する必要性の高まりを受け、文系出身者対象の「人文知識・国際業務」と理系出身者対象の「技術」の区分を撤廃し、新たに包括的な在留資格として「技術・人文知識・国際業務」が設立されました。

 今回は、法改正による「人文知識・国際業務」と「技術」の在留資格の統合の背景と、現在の「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の職務と要件について解説します。

1.「人文知識・国際業務」と「技術」の在留資格の統合の背景

 2014年の入管法改正以前においても、高度外国人人材を雇用するにあたり、上陸許可基準として技術や知識に関連する学歴又は実務経験が求められており、学歴又は実務経験と従事する職務内容の関連性を立証する必要がありました。大学等の教育課程においては、一般的に文系と理系に分かれていることは周知のとおりですが、上記の関連性を判断する際に「人文知識・国際業務」と「技術」の類型に分けて審査していました。

 しかしながら、現実の業務においては文系専門の職種から理系専門の職種に配置転換がなされることが珍しくないこと、職務を「人文知識・国際業務」と「技術」のどちらかに明確に区分することが難しくなってきていること等より、それらの事情に対応すべく双方を一本化したという背景があります。

2.「人文知識・国際業務」の具体的な職務

「人文知識」は、経理・会計、人事・総務、法務等の学術的素養を背景とする一定水準以上の専門的知識を必要とする典型的な文系の活動といえます。一方「国際業務」とは、通訳・翻訳、語学指導、広報・宣伝、海外貿易業務、デザイン、商品開発等外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を要する文系の活動をさします。この両者においては審査上の要件が異なりますので、カテゴリーとしては区分されます。

 ただし、現実の業務においては人文知識を必要とする国際業務というように、複合的にオーバーラップすることは十分考えられます。例えば、経済学部や経営学部を卒業した外国人が「海外取引業務」を行う場合があります。また、大学で日本語を専攻した外国人が通訳・翻訳業務を行う場合にも「「技術・人文知識・国際業務」が許可されることになります。また、コンピューターソフトウエアの開発も含まれます。大学で人文科学の分野の科目を専攻して卒業した外国人が、人文科学の分野に属する知識を必要とするコンピューターソフトウエア開発の業務に従事する場合を指します。大学での専攻が理系科目でなくても申請が可能であることに注目する必要があります。

3.「技術」の具体的な職務

 自然科学などの典型的な理系分野出身の外国人専門技術者を採用する際に設けられているカテゴリーです。例えば、システムエンジニア、プログラマー、土木・建設機械等の設計・開発者、航空宇宙工学の専門技術者等があげられます。

4.「技術・人文知識・国際業務」を申請する際の3つの要件

 在留資格申請の際には、以下3点すべての要件がクリアされているかを確認しなければなりません。

⑴ 在留資格該当性

 外国人の受入・雇用を検討する際最初に確認すべきことは「行おうとしている活動に当てはまる在留資格があるかどうか」です。この点については、入管法7条1項2号で定められており、在留資格ごとに認められている活動内容(=在留資格該当性)は、入管法の別表(第一・第二)で定められています。

参照: E-GOV法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/document?law_unique_id=326CO0000000319_20200401_501AC0000000063#Mp-At_7-

⑵ 基準適合性

 ⑴の在留資格該当性があると考えられる外国人が「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請し許可を得るための基準に適合しているかを「基準適合性」といいます。当該外国人が従事する業務を遂行するためには、必要な知識を修得していることが必要です。最初に学歴、次に職歴を確認します。

①学歴要件

 大学もしくはこれと同等以上の教育を受けたこと、又は日本の専修学校の専門課程を修了していることのいずれかが必要です。大学卒業の場合は学士取得、専修学校の場合は「専門士」あるいは「高度専門士」の称号が必要です。大学卒業生よりも専門学校卒業生の方が、学校での専攻科目と職務内容との関連性についてより厳格に審査されます。

②職務要件

「技術・人文知識」の場合は、従事する業務に関連し10年以上の実務経験があることが求められます。この実務経験には、「大学、高等専門学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連する科目を専攻した期間を含む」とされています。

 一方「国際業務」の場合は、従事しようとする業務(翻訳・通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他)について3年以上の実務経験を有すること、とされています。ただし、大学の卒業者は、翻訳・通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合は実務経験不要とされています。

参照:「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について 平成20年3月 出入国在留管理庁資料 http://www.moj.go.jp/isa/content/001343664.pdf

⑶ 相当性

 出入国在留管理庁のウェブサイトによると、

我が国に在留する外国人が許可された在留資格とは別の在留資格に該当する活動を行おうとしたり,許可された期間を超えて引き続き在留しようとするときは,「出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)」に基づき,在留資格の変更許可又は在留期間の更新許可の申請を法務大臣に対して行い,法務大臣は変更又は更新を適当と認めるに足る相当の理由があるときに限り,これを許可することができると規定されております。この「相当の理由」があるか否かの判断については,申請した外国人の在留状況,在留の必要性,相当性等を総合的に勘案して判断しております。

参照:出入国在留管理庁 http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyukan_nyukan66.html

と記載されています。

 すなわち外国人が日本に在留するためには、適当と認めるに足る相当の理由があることが必要となり、入管法20条(在留資格変更)及び21条(在留期間更新)に規定されています。

参照:出入国在留管理庁 http://www.moj.go.jp/isa/content/930004753.pdf

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