「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザの取得条件を徹底解説!対象職種一覧・申請方法・注意点まで企業向けに紹介

外国人材の採用を検討している企業にとって、「技術・人文知識・国際業務(通称:技人国)」ビザは最も利用される就労ビザのひとつです。
しかし、取得条件や対象職種、申請の流れを正しく理解していないと、不許可になったり採用スケジュールに影響が出る可能性もあります。
この記事では、企業担当者が知っておくべき技人国ビザの仕組みや取得条件、申請時の注意点をわかりやすく解説します。
Contents
技人国ビザとは?対象職種と特徴

技人国ビザは、外国人が日本で「技術」「人文知識」「国際業務」に関連する仕事に従事するための在留資格です。
2014年の入管法改正により、従来の「技術」と「人文知識・国際業務」が統合され、文系・理系の区分を超えて幅広い専門人材の採用が可能になりました。
技術・人文知識・国際業務ビザの概要
企業の専門的・技術的ニーズに応えるために設けられた在留資格で、ITエンジニアや企画・マーケティング、通訳・翻訳など多様な職種が対象になります。
技人国ビザで働ける職種一覧(技術/人文知識/国際業務)
技術分野ではシステムエンジニアや設計開発職、人文知識分野では経理・人事・広報・商品企画、国際業務では通訳・翻訳・海外営業などが該当します。
採用したい職種が対象に含まれるか、事前に確認することが重要です。
技人国ビザの取得条件と審査ポイント

技人国ビザの取得には、学歴や職歴、企業側の条件など複数の審査ポイントを満たす必要があります。
取得条件の全体像(在留資格該当性・基準適合性・相当性)
申請では「業務内容が在留資格に該当しているか」「申請者の学歴・職歴が基準に適合しているか」「在留する合理的理由があるか」が総合的に審査されます。
学歴・職歴の要件(大学卒/専門学校卒/実務経験)
大学卒業や専門学校(専門士・高度専門士)の修了者であれば申請可能です。
学歴と業務内容の関連性が重視され、専門学校卒業者はより厳格な審査が行われます。
実務経験で代替する場合は、10年以上の経験が必要(国際業務は3年以上、大学卒業者は通訳・語学指導業務なら経験不要)です。
職務内容との関連性の重要性(不許可事例も紹介)
採用する業務と申請者の学歴・職歴が関連していないと不許可になるケースがあります。
たとえば、機械工学を学んだ人を営業職に採用する場合は、業務内容に技術的要素が含まれているかを明確にする必要があります。
給与・雇用条件の基準(日本人と同等以上)
外国人だからといって低い給与水準を設定することは認められません。
日本人と同等以上の待遇で雇用契約を結ぶことが求められます。
企業側の条件(経営の安定性・契約内容)
採用企業が適切に事業を運営していることも審査されます。
決算状況や社会保険加入状況などがチェックされるため、事前に整備しておきましょう。
技人国ビザの申請方法と手続き

採用ルートによって手続きや必要書類が異なるため、事前に整理しておくことが大切です。
海外から採用する場合の手続き
海外にいる人材を呼び寄せる場合は、在留資格認定証明書を取得し、本人が現地の日本大使館でビザ申請を行います。
日本にいる留学生を採用する場合の手続き
留学生は「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更が必要です。
卒業前に内定が決まっていれば、早めに申請準備を進めましょう。
他社から転職する外国人を採用する場合
転職時には所属機関変更届の提出が必要です。
就労可能な在留期間が残っているかを必ず確認してください。
必要書類一覧と作成時の注意点
雇用契約書、会社の登記事項証明書、決算書、申請者の卒業証明書・履歴書などが必要です。
誤記や不備があると審査が長引くことがあります。
審査期間の目安とスケジュール管理
通常は1〜3か月ほどかかります。採用スケジュールに合わせて余裕を持って申請しましょう。
技人国ビザの在留期間と更新手続き
在留期間は3か月〜5年まであり、許可される期間は個別に判断されます。
在留期間の種類と選び方
長期雇用を前提とするなら、1年や3年の在留期間が許可されることが多いです。
更新時に注意すべきポイント(更新漏れ・業務内容変更)
更新申請は在留期限の3か月前から可能です。業務内容が変わる場合は資格外活動にならないかを確認しましょう。
転職時の手続きと注意点
転職後は14日以内に入管へ届出が必要です。届出を怠ると更新時に不利になる可能性があります。
技人国ビザと他の在留資格との違い
ここでは技人国ビザとその他の在留資格の違いを見ていきましょう。
特定技能との違い(できる仕事・在留期間・家族帯同など)
特定技能は人手不足分野に限られ、在留期間に上限がありますが、技人国は更新を続ければ長期的に雇用が可能です。
高度専門職との違い(優遇措置・永住申請要件)
高度専門職はポイント制で永住申請が早くなるなどのメリットがあります。
採用ポジションによって選択肢を検討しましょう。
よくある不許可事例と対策
業務内容と学歴が一致しない、給与水準が低すぎる、企業の財務状況が不安定などが不許可の典型例です。
採用前に条件を整理し、必要に応じて行政書士などの専門家に確認してもらうと安心です。
企業が技人国ビザで採用するメリット

技人国ビザを活用することで、ITエンジニアや国際業務に強い人材など、専門性の高い人材を長期的に確保できます。
多様な人材が社内にいることで新しい視点やアイデアが生まれ、企業の成長にもつながります。
まとめ
外国人材を採用する際は、職種が技人国ビザの対象か、学歴や給与条件を満たしているかをしっかり確認することが重要です。
早めに書類を揃え、採用スケジュールに余裕を持って進めることで、不許可リスクを防ぎやすくなります。
必要に応じて専門家に相談しながら、企業と外国人双方にとって安心できる雇用を実現しましょう。