2/21/2021最終更新

外国人採用をする上で知っておくべき「出入国在留管理庁」とは?

2/21/2021最終更新

日本では、少子高齢化が社会問題化しているため外国人採用の動きが活発化しています。しかし、外国人労働者の増加に伴い不法入国や不法就労などの件数も増加傾向にあります。こうした外国人の不法滞在や不法労働を防止するため、2019年4月に「出入国在留管理庁」が設立されました。今回は外国人採用をする上で、知っておくべき出入国在留管理庁の概要と役割について解説します。

出入国在留管理庁とは?

出入国在留管理庁とは、従来の法務省の内局であった入国管理局を再編する形で2019年4月に新設された機関です。日本で働く外国人へのビザの発行や更新、海外からの観光客や海外へ旅行する日本人の出入国管理や難民認定など行うことで、日本国内外からの人の出入りや、日本に在留する外国人の管理を担っています。

出入国在留管理庁の役割

出入国在留管理庁の役割は以下の3つです。

①訪日外国人旅行者の増加が見込まれるなかで厳格な出入国管理と円滑な入国審査を両立するなど、出入国在留管理行政を強力に推進すること

②深刻な人手不足への対応として真に必要な分野に着目しつつ一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるという制度の趣旨に適った運用がなされるよう適切な対応をとること。具体的には、下記を行っていく。

1. 特定技能外国人の適正な在留管理
2. 不適切な受入れ機関に対する指導
3. 送出国における悪質ブローカーの介在防止
4. 受入れ対象分野における人手不足状況の継続的把握と必要に応じた受入れ停止措置

③生活者としての外国人に対する支援など、外国人との共生社会の実現に必要な施策を関係省庁と連携して実施すること

出典:出入国在留管理庁「平成31年度予算等(速報)、平成30年12月21日 法務省大臣官房会計課」

このように、出入国在留管理庁は正当な目的を持った外国人労働者の受け入れ等をスムーズに行うことで、労働力不足の解消に寄与しつつも、不正滞在などを未然に防ぐことで国内の産業や経済をしっかりと守るという役割を担っています。

出入国在留管理庁の必要性

出入国在留管理庁の必要性については、以下の3つが挙げられます。

1つ目は、外国人労働者の急増に伴って増大した入国管理業務を適切に処理すること。

2つ目は、外国人労働者受け入れに関する新たな業務等の発生に柔軟に対応するために、新たな体制整備が必要不可欠であること。

そして3つ目は、外務省の内局の位置づけだった入国管理局から、新たに外局となる出入国在留管理庁へと格上げすることで、外国人受け入れ全般にかかる業務の総合調整における司令塔的役割を担うため。

上記はいずれも、現在日本が直面している少子高齢化に伴う労働者不足が引き金となっています。今のペースで少子高齢化が進むと生産年齢人口である15歳から64歳の人口も減少していくため、外国からの労働者を受け入れるしか解決法が無いのが実情です。

今後、海外からの入国は就労目的だけではなく、観光や留学などでも増加することが予想されます。従来の入国管理局では権限的に増加しつづける多様な業務に対して総合的な対策を打つことが難しかったため、外局である出入国在留管理庁に格上げする形をとる必要性がありました。

出入国在留管理庁でできる手続き

入国手続き

入国の際に入国審査を行い、外国人にパスポートやビザの提示を求めます。提示されたパスポートやビザが偽造の疑いがないか、また所持している外国人が間違いなく本人かどうかを審査します。入国の際には一部を除いて顔写真や指紋を取得し、個人識別情報として管理します。

出国手続き

外国人が日本から出国する場合に出国審査を行います。入国審査官にパスポートを提示し、問題がなければ出国可能です。ただし、犯罪者が国外へ逃亡しようとしている時は24時間に限り出国の確認を留保できます。

出国した場合、在留資格及び在留期間は消滅しますが再入国許可を受けて出国した場合は、再入国許可の有効期間内に再入国することで在留資格及び在留期間がそのまま継続します。

在留審査手続き

日本に在留する外国人は、在留資格の範囲を超えた活動を行うことはできません。例えば、留学目的で在留資格を得た外国人が、お店を経営して収益を得ることはできません。このように、外国人が在留資格にはない活動を行う場合には、在留資格の変更手続きを行い許可を得る必要があります。また、在留期間を超えてさらに在留したい場合にも在留期間の更新手続きを行い、こちらも許可を得る必要があります。

出入国在留管理庁は外国人労働者を採用する場合には、必ず利用する機関です。外国人採用を検討している企業の担当者の方は、HPを確認し外国人受け入れに必要な手続きや書類などを事前に確認しておくと良いでしょう。公式Twitterなどで窓口の混雑状況なども発信しているので、そちらも参考にすると手続きがスムーズに行えます。また、外国人の入国に関するインフォメーションセンターも各地に設置されているので、不明点があれば気軽に尋ねてみることで疑問が解消できますよ。外国人労働者を安心して受け入れるためにも、この機会に出入国在留管理庁についてしっかりと理解しておきましょう。