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外国人採用をする上で知っておくべき「出入国在留管理庁」とは?

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出入国管理町について

日本では、少子高齢化が社会問題化しているため、外国人採用の動きが活発化しています。政府は2019年4月に新たな在留資格「特定技能」を創設し、一定の専門性・技能を有する外国人材の受け入れを拡大する方針を打ち出しました。これにより、今後ますます外国人労働者の数は増加していくことが予想されます。

しかし、外国人労働者の増加に伴い、不法入国や不法就労などの件数も増加傾向にあります。こうした外国人の不法滞在や不法労働を防止するため、2019年4月に「出入国在留管理庁」が設立されました。出入国在留管理庁は、外国人の適正な受入れと管理を推進し、日本社会との調和を図ることを目的としています。

今回は、外国人採用をする上で知っておくべき出入国在留管理庁の概要と役割について解説します。外国人材の活用を検討している企業の人事担当者や経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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出入国在留管理庁とは?

出入国在留管理庁とは、従来の法務省の内局であった入国管理局を再編する形で2019年4月に新設された機関です。日本で働く外国人へのビザの発行や更新、海外からの観光客や海外へ旅行する日本人の出入国管理、難民認定など行うことで、日本国内外からの人の出入りや、日本に在留する外国人の管理を担っています。

出入国在留管理庁は、全国に8つの地方出入国在留管理局と7の支局、161の出張所を持ち、空港や港などの出入国審査場で審査業務を行っています。

出入国在留管理庁の役割

出入国在留管理庁は、日本に入国・在留する外国人の管理を通じて、国家の安全保障と国民の安全・安心な生活の確保、そして日本経済の健全な発展に寄与することを目的としています。具体的な役割は以下の3つに大別できます。

出入国在留管理の推進

訪日外国人旅行者の増加が見込まれるなかで、厳格な出入国管理と円滑な入国審査を両立するなど、出入国在留管理行政を強力に推進することが求められています。出入国在留管理庁は、上陸審査や在留審査、退去強制手続きなどを担当し、国の安全と秩序を維持するために不可欠な役割を果たしています。

バイオメトリクス(生体認証)の導入や、地方空港の CIQ体制の整備など、出入国審査のスピードアップと厳格化を同時に進めています。また、不法滞在者対策として、情報収集・分析機能を強化し、関係機関との連携を図りながら摘発を行っています。

外国人受け入れの適切な対応

深刻な人手不足への対応として、真に必要な分野に着目しつつ一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるという制度の趣旨に適った運用がなされるよう、適切な対応をとることが求められています。出入国在留管理庁は、以下のような取り組みを行っています。

  • 特定技能外国人の適正な在留管理
  • 不適切な受入れ機関に対する指導
  • 送出国における悪質ブローカーの介在防止
  • 受入れ対象分野における人手不足状況の継続的把握と必要に応じた受入れ停止措置

特に、新しい在留資格「特定技能」の創設に伴い、適正な外国人材の受入れを推進するため、出入国在留管理庁内に「特定技能企画室」が設置されました。特定技能企画室は、制度の適切な運用と円滑な実施に向けて、関係省庁との連絡調整を行うなど、司令塔としての機能を担っています。

特定技能外国人の受入れ可能な分野・業種と受入れ方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎【特定技能】外国人労働者の受け入れ可能な分野・業種と受け入れ方

外国人との共生社会実現に必要な施策の実施

生活者としての外国人に対する支援など、外国人との共生社会の実現に必要な施策を関係省庁と連携して実施することが求められています。出入国在留管理庁は、日本語教育の充実、外国人の子供の教育環境の整備、外国人との共生事例の普及などを推進しています。

2019年6月に策定された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」では、生活者としての外国人に対する支援に関する施策が盛り込まれました。出入国在留管理庁は法務省の外局として、関係省庁との連携を強化し、外国人との共生社会の実現を目指しています。

出入国在留管理庁でできる手続き

出入国在留管理庁では、外国人の入国・在留に関する各種手続きを行うことができます。主な手続きは以下の3つです。

入国手続き

入国の際に入国審査を行い、外国人にパスポートやビザの提示を求めます。提示されたパスポートやビザが偽造の疑いがないか、また所持している外国人が間違いなく本人かどうかを審査します。入国の際には、一部の例外を除いて顔写真や指紋を取得し、個人識別情報として管理します。

入国審査では、在留資格や在留期間の確認も行います。在留資格とは、外国人が日本に在留する目的に応じて付与される資格のことで、「留学」「技能実習」「高度専門職」など29種類あります。在留期間は、在留資格に応じて最長5年まで付与されます。

出国手続き

外国人が日本から出国する場合に出国審査を行います。入国審査官にパスポートを提示し、問題がなければ出国可能です。ただし、犯罪者が国外へ逃亡しようとしている時は、24時間に限り出国の確認を留保できます。

出国した場合、在留資格及び在留期間は消滅しますが、再入国許可を受けて出国した場合は、再入国許可の有効期間内に再入国することで在留資格及び在留期間がそのまま継続します。再入国許可には、一度限りの「単次再入国許可」と、有効期間内は何度でも再入国できる「数次再入国許可」の2種類があります。

外国人労働者の募集から採用までに必要な準備と手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説
採用担当者必見!外国人を雇用するまでの流れと手続きを解説

在留審査手続き

日本に在留する外国人は、在留資格の範囲を超えた活動を行うことはできません。例えば、留学目的で在留資格を得た外国人が、お店を経営して収益を得ることはできません。このように、外国人が在留資格にはない活動を行う場合には、在留資格の変更手続きを行い許可を得る必要があります。

また、在留期間を超えてさらに在留したい場合にも、在留期間の更新手続きを行い許可を得る必要があります。在留期間の更新は、在留期間の満了する前に申請する必要があります。原則として、更新申請は在留期間の満了日の3ヶ月前から受け付けています。

出入国在留管理庁が必要とされる理由

出入国在留管理庁の必要性については、以下の3つが挙げられます。

増大する入国管理業務への対応

1つ目は、外国人労働者の急増に伴って増大した入国管理業務を適切に処理する必要があるためです。少子高齢化に伴う労働力不足を補うため、外国人労働者の受入れが拡大しています。2021年10月末時点で、日本で就労する外国人は約172万人に上り、過去最高を更新しました。増加する外国人労働者に対して、出入国や在留に関する審査をスピーディーかつ厳格に行う必要があります。

新たな外国人受け入れ制度への対応

2つ目は、外国人労働者受け入れに関する新たな業務等の発生に柔軟に対応するために、新たな体制整備が不可欠だったためです。2019年4月に新設された在留資格「特定技能」では、一定の専門性・技能を有する外国人を対象に、就労範囲を大幅に拡大しました。特定技能外国人の受入れ状況を適切に管理し、悪質な仲介業者や受入れ機関を排除するためには、出入国在留管理庁による一元的な対応が求められます。

外国人材の適正な管理と活用のための体制強化

そして3つ目は、外務省の内局の位置づけだった入国管理局から、新たに外局となる出入国在留管理庁へと格上げすることで、外国人受け入れ全般に関わる業務の総合調整における司令塔的役割を担うためです。外国人材の受入れは、法務省だけでなく厚生労働省や文部科学省など、多岐にわたる関係省庁との連携が不可欠です。省庁横断的な司令塔として機能するためには、独立した外局としての位置づけが必要だったのです。

今後、少子高齢化のさらなる進行に伴い、外国人労働者の重要性はますます高まっていくでしょう。外国人材の適切な受入れと、日本社会との共生を推進するうえで、出入国在留管理庁の果たす役割は極めて大きいと言えます。

まとめ

出入国在留管理庁は、外国人労働者を採用する際に必ず関わってくる重要な機関です。在留資格の申請や変更、在留期間の更新など、外国人の適正な在留管理に不可欠な手続きを担当しています。

外国人材の活用を検討している企業の担当者の方は、出入国在留管理庁の公式HPを確認し、外国人受け入れに必要な手続きや書類などを事前に把握しておくことをおすすめします。また、公式Twitterでは手続きに関する最新情報も発信しているので、こまめにチェックしておくと良いでしょう。

出入国在留管理庁は各地に地方局や支局を設けており、外国人在留総合インフォメーションセンターも開設しています。手続きに不明な点があれば、お近くの地方局に問い合わせることをおすすめします。

日本経済の持続的な発展のためには、外国人材の力が欠かせません。一方で、外国人労働者の受け入れにはメリットだけでなく、課題もあることを理解しておく必要があります。外国人労働者の受け入れにおけるメリットとデメリット、また雇用する際の方法と注意点については、以下の記事で解説しています。
外国人労働者の受け入れにおけるメリット・デメリットとは?
外国人労働者受け入れのメリットや課題、雇用する方法と注意点

参考:出入国在留管理庁ホームページ

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