外国人採用の手続き・流れを徹底解説!在留資格の確認から雇用後の対応まで
少子高齢化による人手不足が深刻化するなか、外国人材の活用は企業にとって重要な採用戦略となっています。
しかし、外国人を採用する際には、日本人と異なる在留資格の確認や法的な手続きが必要となり、初めて取り組む企業にとってはハードルが高く感じられることもあるでしょう。
本記事では、採用前の確認から選考・雇用時の手続き、海外からの採用、入社後の定着支援までをまとめ、企業の人事・採用担当者が安心して外国人採用を進められるよう徹底解説します。
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Contents
外国人採用の基本と企業が押さえるべきポイント

外国人採用を成功させるためには、まず全体像を理解することが大切です。
まずは、なぜ今外国人採用が注目されているのか、企業が最低限知っておくべき考え方や法的ルールを見ていきましょう。
外国人採用が注目される背景と企業に求められる対応
外国人採用が広がっている背景や、企業が取り組むべき基本姿勢を理解することで、採用の目的や方向性が明確になります。
労働人口の減少により、さまざまな業界で人材確保が難しくなっています。
とくに専門職や製造、介護、飲食などでは、外国人なしでは現場が回らない状況も増えています。
一方で、日本人採用と同じ感覚で進めてしまうと、在留資格の不備や違法雇用といったトラブルが発生する可能性もあります。
採用体制を整え、法制度や文化の違いを踏まえた対応を行うことが、今後の採用成功には欠かせません。
外国人採用で企業が知っておくべき法的ルールと注意点
採用を進める前に、外国人雇用に関する基本的な法律や義務を把握しておくことが大切です。
ここでは特に注意すべき代表的なポイントを解説します。
外国人雇用には「入管法」や「労働基準法」など複数の法令が関わります。
とくに以下の2点は必ず押さえておきましょう。
- 就労資格の確認:在留資格ごとに就労可能な職種・業務内容が決まっており、これを超える業務をさせると企業も罰則の対象になります。
- 雇用状況届出の義務:外国人を採用・退職させた場合、ハローワークへの届出が企業に義務付けられています。
違反した場合、企業側も「不法就労助長罪」として処罰されるリスクがあるため、採用前の段階から社内の確認体制を整えることが不可欠です。
採用前に必ず行うべき在留資格・就労可否の確認

採用活動を始める前に、候補者が日本で合法的に働けるかどうかを確認することが最も重要なステップです。
ここでは、在留資格の基礎知識と確認方法を紹介します。
在留資格とは?外国人が日本で働くための基本知識
まずは「在留資格」とは何かを理解し、自社の職務内容とどのように関係するのかを押さえておきましょう。
在留資格とは、外国人が日本で行える活動の種類と滞在期間を定めたものです。
企業は、採用予定の職種が在留資格の活動内容と一致しているかを確認しなければなりません。
適合しない場合、採用は不可能となるため、早い段階での確認が重要です。
募集職種に対応する在留資格の確認方法
採用活動の初期段階で、職種と在留資格の適合性を確認することで、後のトラブルを防止できます。
候補者には在留カードの提示を依頼し、「在留資格の種類」「就労可否」「在留期間」などを必ずチェックしましょう。
これらは採用の可否を決めるうえで最も基本的な要素です。
期限切れや業務範囲外の就労が判明した場合は、採用を進められません。
よく使われる代表的な在留資格と特徴
外国人採用でよく使われる在留資格を把握しておくと、職種と適性の判断がしやすくなります。
ここでは代表的な3つを紹介します。
技術・人文知識・国際業務
専門性を必要とする業務(通訳、SE、企画職など)に従事する際の資格です。
単純労働は対象外であり、職務内容の説明責任が企業にも求められます。
特定技能
人手不足分野(介護・建設・宿泊など)で現場業務に従事可能な資格です。
企業には生活支援や協議会参加など追加義務があります。
留学生のアルバイト(資格外活動)
留学生をアルバイトとして雇用する場合は資格外活動許可が必要です。
勤務時間や業務内容に制限があるため、在留カードの記載確認は必須です。
外国人採用で選考時に必ず確認すべきポイント

選考段階では、在留資格や就労条件の適正を詳細に確認することが重要です。
この章では、選考時に企業が行うべき確認事項を整理します。
在留カードで就労資格・期間を確認する方法
在留カードの確認は、選考時に必ず行うべき最初のステップです。
ここでのチェックが採用後のトラブル防止につながります。
在留カードには在留資格・就労可否・有効期限・資格外活動許可などが記載されています。
特に有効期限が近い場合は、更新が必要になるため早めの対応を検討しましょう。
就労資格証明書の取得と活用(転職前と同職務の場合)
前職と同じ職務内容での採用なら、就労資格証明書の取得が有効です。
更新時の不許可リスクを抑える効果があります。
法的義務はありませんが、この証明書を取得しておくことで、更新審査時に「適正な職務で就労していた」と証明できます。
特に長期雇用を予定する場合は取得をおすすめします。
在留資格変更が必要なケースと企業側の対応(職務内容が異なる場合)
職務内容が大きく変わる場合は、在留資格の変更申請が必要です。
企業側にも書類準備と手続き対応が求められます。
変更が必要な場合、企業は会社概要、登記簿、決算書、採用理由書などの提出が求められます。
不備や内容の不一致は不許可につながるため、慎重な準備が欠かせません。
外国人雇用が決まったら行うべき手続きと注意点

採用が決まった後も、企業にはさまざまな手続きが求められます。
この章では、雇用後に必ず行うべき対応を整理します。
外国人雇用状況届出の提出と注意点
雇用が決まったら、必ずハローワークへ雇用状況届出を行う必要があります。
提出漏れは罰則の対象となるため注意しましょう。
届出では、氏名・国籍・在留資格・雇用開始日などを報告します。
採用・退職のいずれのタイミングでも義務があるため、忘れず提出しましょう。
雇用保険・社会保険など各種加入手続きの流れ
採用時には、社会保険や雇用保険の加入手続きも同時に進める必要があります。
外国人社員も日本人と同様、加入条件を満たせば保険への加入が義務づけられます。
特に就労資格の有無や在留期間により条件が異なる場合もあるため、事前確認が重要です。
特定技能外国人の受け入れ時に必要な対応
特定技能で採用する場合、通常の手続きに加えて企業の義務が増える点に注意が必要です。
登録支援機関との連携、生活支援体制の整備、協議会への加入などが義務づけられています。
受け入れ体制が不十分な場合は認可が下りないケースもあるため、事前準備が重要です。
海外から外国人を採用する場合の手続き

海外から人材を呼び寄せる場合、日本国内の採用よりも手続きが複雑になります。
この章では、全体の流れと注意点を整理します。
在留資格認定証明書の申請から来日までの流れ
海外から採用する場合は、在留資格認定証明書(COE)の申請から来日・入社まで一連の流れがあります。
全体のステップを把握しておくと、スケジュール管理がしやすくなります。
採用手続きは、一般的に以下のような順序で進みます。
- 企業が在留資格認定証明書を申請
採用企業が入管(出入国在留管理局)へ申請し、審査を受けます(通常1〜3か月程度)。 - 証明書が発行されたら本人へ送付
入管から交付された「在留資格認定証明書」を、海外にいる候補者へ郵送します。 - 候補者が現地の日本大使館・領事館でビザを申請
証明書と必要書類を提出し、「就労ビザ」を取得します。 - ビザ発行後、日本へ入国
ビザ取得後に来日し、入国時に在留カードが交付されます。 - 入社手続き・勤務開始
来日後は雇用契約・社会保険加入などの手続きを行い、勤務がスタートします。
この一連の手続きには2〜3か月程度かかるのが一般的です。
余裕を持ったスケジュール設計を行い、採用計画と連動させましょう。
手続きにかかる期間とスケジュール設計のポイント
海外採用は手続きに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール設計が必要です。
書類準備・審査・ビザ発行までを逆算し、採用計画に反映させましょう。
特に繁忙期や書類不備があると大幅な遅延につながるため、慎重な対応が求められます。
採用後に企業が行うべき定着支援とフォロー

採用はゴールではなくスタートです。
入社後のサポート次第で、外国人社員の活躍と定着率は大きく変わります。
外国人社員の職場定着を高めるための工夫
文化・言語の違いを踏まえたサポート体制を整えることで、外国人社員が長く活躍できる環境が整います。
日本語研修、社内マニュアルの多言語化、生活支援制度の整備などが効果的です。
社内の理解を深める研修を行うことで、双方のコミュニケーションも円滑になります。
在留期間更新の管理と注意点
在留期間の管理は企業側の重要な責任の一つです。
更新漏れは不法就労につながるため注意しましょう。
更新申請は満了日の3か月前から可能です。
更新時には職務内容・雇用契約・企業の経営状況なども審査対象となるため、最新の情報を準備しておくことが大切です。
専門機関の支援を活用して定着率をさらに高める
自社だけで生活サポートや在留管理まで対応するのが難しい場合は、専門サービスを活用するのも有効です。
たとえば「GTN Assistants」なら、住居探しやライフライン契約、24時間多言語サポートなどを一括で任せられ、企業側の負担を大きく減らせます。
まとめ

ここまで紹介した内容を踏まえ、外国人採用の成功に欠かせない3つのポイントを整理します。
- 事前準備:在留資格や就労条件を正しく理解・確認する。
- 適切な手続き:選考・雇用・届出・ビザ申請などの法的対応を確実に行う。
- 定着支援:入社後も継続的なサポートと更新管理を行う。
これらを押さえておけば、外国人採用は企業の競争力を高める大きな力になります。
制度を正しく理解し、グローバル人材の活躍を後押ししていきましょう。