技能実習の移行対象職種以外は受け入れできる?例外条件・一覧・特定技能との違いを解説
外国人の受け入れを検討する中で、「自社の業務は移行対象職種に該当しないが採用できるのか」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
技能実習制度では、対象職種が細かく定められている一方で、条件次第では例外的に受け入れが可能なケースもあります。
本記事では、移行対象職種の基本から「対象外の場合の対応」「第3号への移行可否」「特定技能との違い」まで、実務で判断しやすい形で解説します。
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Contents
技能実習の「移行対象職種」とは?基本を整理

技能実習制度を正しく理解するために、まず「移行対象職種」の考え方を押さえておきましょう。
技能実習の対象となる職種は、国によってあらかじめ定められており、その中でも「移行対象職種」とは、第1号から第2号、さらに第3号へとステップアップできる職種を指します。
技能実習は以下の3段階に分かれています。
- 第1号技能実習:入国後1年以内(技能の習得)
- 第2号技能実習:最長3年(技能の熟練)
- 第3号技能実習:最長5年(高度な技能の習得)
このうち、第2号・第3号へ進むためには「移行対象職種」に該当していることが前提となります。
そもそも技能実習制度は、人手不足の解消ではなく「技能移転」を目的とした制度です。そのため、単純作業や反復作業のみの業務は対象外とされており、職種が限定されています。
【主要分野まとめ】技能実習の移行対象職種一覧

技能実習で受け入れ可能な職種は、複数の分野に分かれて定められています。代表的な分野は以下のとおりです。
| 職種名 | 作業内容 |
|---|---|
| 農業関係 | 施設園芸、畑作・野菜、果樹、養豚、養鶏、酪農 |
| 漁業関係 | かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業、棒受網漁業、ほたてがい・まがき養殖作業 |
| 建設関係 | 型枠施工、左官、コンクリート圧送施工、トンネル推進工、建設機械施工、土工、屋根ふき、電気通信、鉄筋施工、鉄骨鍛造 |
| 食品製造関係 | 缶詰巻締、食鳥処理加工業、加熱性水産加工食品製造業、非加熱性水産加工食品製造業、水産練り製品製造、農産物漬物製造業、医療・福祉施設給食製造 |
| 繊維・衣服関係 | 紡績運転、織布運転、ニット製品製造、たて編ニット生地製造、婦人子供服製造、下着類製造、寝具製作、カーペット製造 |
| 機械・金属関係 | 鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て |
上記以外にも、自動車整備、印刷、家具製作、プラスチック成形、工業包装など、多様な職種で技能実習生の受け入れが可能です。
このように、技能実習は幅広い分野で受け入れが可能ですが、対象職種は細かく定義されています。
そのため、自社の業務が該当するかどうかは、必ず公表されている職種一覧や作業内容をもとに確認することが大切です。
技能実習の移行対象職種“以外”は受け入れできない?

自社の業務の中に2号移行対象職種がない場合でも、技能実習1号に限り受け入れは可能です。ただし、この場合は一定の条件を満たす必要があります。
移行対象外でも「技能実習1号」は可能
移行対象職種でなくても、技能実習1号(1年間)に限り受け入れが認められる場合があります。ただし、この場合は第2号・第3号への移行はできません。
そのため、長期的な受け入れを前提とする場合には適していない点に注意が必要です。
受け入れに必要な主な条件
移行対象職種以外で受け入れる場合、以下のような要件を満たす必要があります。
- 単純作業ではなく、技能の習得が目的であること
- 帰国後に習得した技能を活かせる見込みがあること
- 母国で習得が難しい技能であること
- 一定の実務経験や推薦要件を満たしていること
- 不適切な契約(保証金・違約金など)がないこと
これらの条件を満たし、技能実習計画の認定を受けることで、対象外の業務でも受け入れが可能となります。
第3号に移行できない職種一覧と注意点

移行対象職種の中でも、第3号技能実習まで進めない職種があります。
例えば以下のような職種が該当します。
- 漁船漁業(棒受網漁業)
- 農産物漬物製造業
- 医療・福祉施設給食製造
- 紡績運転
- 織布運転
- カーペット製造
- 印刷(グラビア印刷)
- リネンサプライ
- 宿泊
- ゴム製品製造
- 空港グランドハンドリング(客室清掃)
これらの職種は、第2号までは可能でも、第3号への移行が認められていません。
長期間の受け入れや人材の定着を見据えている場合は、あらかじめどこまで移行可能なのかを確認しておくことが重要です。
特に繊維・衣服関係は、移行制限がある職種が多いため、注意が必要です。
【比較】技能実習と特定技能の職種の違い

移行対象職種に該当しない場合は、「特定技能」の活用も検討されることが多くなっています。
特定技能の対象分野
特定技能では、以下のような分野で外国人材の受け入れが可能です。
- 介護
- 外食
- 宿泊
- 建設
- 農業
- 製造業 など
技能実習との違い
両制度の大きな違いは目的にあります。
- 技能実習:技能移転(教育目的)
- 特定技能:人手不足の解消(労働力確保)
そのため、特定技能のほうが実務に即した業務に従事しやすく、長期雇用にもつなげやすい特徴があります。
どちらを選ぶべきか
制度選択の目安としては以下のとおりです。
- 技能教育を重視 → 技能実習
- 即戦力・長期雇用 → 特定技能
自社の採用目的や業務内容に応じて、適切な制度を選ぶことが大切です。特に、移行対象職種に該当しない業務の場合は、最初から特定技能での採用を検討するケースも多くなっています。
技能実習の対象職種は今後拡大される?

技能実習制度は現在見直しが進められており、今後の制度変更にも注目が集まっています。
特に、「育成就労制度」への移行が検討されており、従来の技能実習とは異なる仕組みになる可能性があります。
また、受け入れ分野や職種の見直しも随時行われているため、最新情報を確認しながら採用方針を検討することが重要です。
まとめ
技能実習の移行対象職種は細かく定められていますが、対象外であっても技能実習1号に限り受け入れが可能な場合があります。ただし、その場合は期間が1年に限られ、要件も厳しく設定されています。
また、長期的な人材活用を考える場合は、特定技能の活用も含めて制度を比較することが現実的です。
自社の業務内容と採用目的を整理したうえで、無理のない形で制度を選び、適切な受け入れ体制を整えていきましょう。