留学ビザから就労ビザへの変更とは?必要な場合・申請方法・注意点を企業向けに解説
外国人留学生を採用する際、「留学ビザのままで働けるのか」「就労ビザへの変更はどう進めるのか」と迷う企業担当者も多いのではないでしょうか。
留学生を正社員として雇用するには、在留資格の変更が必要になるケースがほとんどです。
本記事では、留学ビザから就労ビザへの変更が必要な場合、申請方法、必要書類、注意点までを実務目線で詳しく解説します。
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Contents
留学ビザから就労ビザへの変更が必要な場合とは?

正社員として雇用する場合は変更が必要
留学ビザは「学業」を目的とした在留資格です。そのため、卒業後にフルタイムで働く場合は、就労可能な在留資格へ変更する必要があります。
アルバイトは資格外活動で対応可能
在学中のアルバイトは、「資格外活動許可」を取得していれば週28時間以内で就労可能です。ただし、これはあくまで例外的な就労であり、卒業後の雇用とは扱いが異なります。
卒業後に働く場合は必ず変更が必要
卒業後も「留学」のまま働くことはできません。入社時点までに、就労可能な在留資格へ変更しておく必要があります。
【3ステップ】留学ビザから就労ビザへ変更する流れ

在留資格の変更は、企業と本人が連携して進める必要があります。
① 内定を出す(企業)
まずは、採用予定の留学生に内定を出します。
在留資格変更の申請では「雇用契約」が前提となるため、内定は必須です。
あわせて、以下の書類を準備しておきます。
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
なお、実務上は「在留資格変更が許可された場合に契約が有効となる」という停止条件を付けておくのが一般的です。
② 必要書類を準備する(企業・本人)
内定後は、本人と企業それぞれで必要書類を準備します。書類は在留資格の種類や企業の規模によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
③ 入管へ申請する(本人または企業)
書類がそろったら、住居地を管轄する地方出入国在留管理局へ申請します。審査期間は一般的に2週間〜1ヶ月程度ですが、時期によってはそれ以上かかることもあります。
なお、許可が下りた場合は、手数料として4000円の収入印紙代が必要です。
留学ビザから就労ビザへの変更に必要な書類一覧

在留資格変更では、本人と企業それぞれが書類を準備する必要があります。
外国人本人が準備する書類
- 在留資格変更許可申請書
- 写真(3ヶ月以内)
- 在留カード・パスポート
- 学歴・職歴を証明する資料
- 卒業証明書・成績証明書
- 資格外活動許可書(該当者のみ)
学歴と職務内容の関連性を示す資料は、審査で重要なポイントになります。
企業が準備する書類
- 在留資格変更許可申請書(企業作成分)
- 雇用契約書・労働条件通知書
- 登記事項証明書
- 会社概要資料(パンフレットなど)
- 決算書または事業計画書
企業の安定性や事業内容が確認できる資料が求められます。
会社のカテゴリーによる違い
企業は規模や納税状況に応じてカテゴリー分けされており、カテゴリーによって必要書類が一部簡略化される場合があります。
特に上場企業や大企業は、提出書類が少なくなるケースもあるため、自社の区分を確認しておきましょう。
留学ビザから変更できる主な就労ビザの種類

外国人留学生が就職する場合、留学ビザから就労ビザへの変更が必要です。そのうえで、留学生が変更できる在留資格はいくつかありますが、実務上よく使われるものは限られています。
技術・人文知識・国際業務(技人国)
最も多く利用される在留資格で、いわゆるホワイトカラー職種が対象です。
主な業務例:
- 営業・マーケティング
- 事務・企画
- ITエンジニア
- 通訳・翻訳
ポイント:
- 学歴(大学・専門学校)と業務内容の関連性が求められる
- 単純作業は原則不可
多くの企業はまず「技人国」で検討することになります。
特定技能
人手不足が深刻な分野での就労を目的とした在留資格です。
主な業務例:
- 外食業(接客・調理補助)
- 介護(身体介助・生活支援)
- 製造業(ライン作業など)
- 建設・清掃などの現場業務
ポイント:
- 現場業務に従事できる
- 試験(技能・日本語)の合格が必要
- 分野が限定されている
「現場人材を採用したい場合」はこちらが選択肢になります。
その他の在留資格
職種によっては、以下の在留資格が該当する場合もあります。
- 教育(語学教師など)
- 介護(介護福祉士)
- 研究・医療 など
ただし、一般企業の採用では該当するケースは限定的です。
留学ビザから特定技能へ変更するケース
近年は、技人国だけでなく「特定技能」へ変更するケースも増えています。
特に現場職を採用する企業にとっては重要な選択肢です。
特定技能に変更できる条件
主に以下のいずれかを満たす必要があります。
- 技能試験・日本語試験に合格している
- 技能実習からの移行
また、受け入れ企業側にも支援体制の整備が求められます。
技人国との違い
| 項目 | 技人国 | 特定技能 |
|---|---|---|
| 業務内容 | ホワイトカラー | 現場業務可 |
| 学歴要件 | 必須(関連性あり) | 不要(試験で代替) |
| 対象分野 | 幅広い | 限定あり |
技術・人文知識・国際業務(技人国)と特定技能は、どちらも就労可能な在留資格ですが、対象となる業務や要件が大きく異なります。
技人国はホワイトカラー業務が中心で、特定技能は人手不足分野において、現場業務に従事できる点が特徴です。
また、技人国では大学や専門学校での専攻と業務内容の関連性が求められるのに対し、特定技能では学歴要件はなく、技能試験や日本語試験への合格が重視されます。
どちらを選ぶべきか
判断のポイントは「実際に任せる業務内容」です。
- 企画・営業・ITなど → 技人国
- 接客・製造・介護など → 特定技能
業務内容と制度が合っていないと不許可になるため注意しましょう。
在留資格変更の審査基準とポイント

在留資格変更は形式的な手続きではなく、内容に応じて審査されます。企業側としても、どこが見られるのかを把握しておきましょう。
学歴と業務内容の関連性
特に技人国の場合、「専攻内容と職務内容が一致しているか」が重視されます。
例:
- 経済学部 → 営業職(〇)
- 日本語学科 → 通訳(〇)
- 文系 → 工場ライン作業(×)
企業の安定性・事業内容
企業側も審査対象になります。
- 事業内容が明確か
- 継続的に給与を支払えるか
- 適切な雇用管理ができるか
特に設立間もない企業は注意が必要です。
在留状況の適正性
本人のこれまでの在留状況も確認されます。
- 出席率(留学生の場合)
- 資格外活動の遵守状況
- オーバーワークの有無
ここで問題があると不許可の可能性が高まります。
【企業が押さえるべきポイント】在留資格変更時の注意点

在留資格変更では、実務上見落としやすいポイントもあります。
業務内容と在留資格のミスマッチ
職務内容が在留資格に適合していない場合、不許可となる可能性があります。職務内容はできるだけ具体的に整理しておく必要があります。
申請タイミングに注意
卒業年の1月頃から申請ができます。4月入社に間に合わせるためには、年明けには動き出すのが理想です。
不許可リスクへの対応
在留資格変更は100%許可されるものではありません。万が一不許可となった場合に備え、雇用契約には「停止条件」を設定しておくと安心です。
就労開始のタイミング
許可が下りる前に就労を開始することはできません。必ず「許可後」に勤務開始するよう管理が必要です。
まとめ
留学生の採用では、在留資格の変更が前提となるケースがほとんどです。
特に重要なのは、「業務内容と在留資格の適合性」「申請タイミング」「書類の準備」の3点。
これらを事前に整理しておくことで、採用後のトラブルを防ぎやすくなります。自社の業務内容に合った在留資格を選び、余裕をもって準備を進めていきましょう。