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日本の永住権とは?帰化との違いや取得の難易度、申請条件等完全網羅

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日本の桜

「永住権(永住ビザ)」という言葉は耳にしたことがある方も多いと思いますが、具体的にどのような制度なのかについて詳しく知らない人も少なくありません。日本で外国人を雇用する企業の人事担当者などは、将来的に日本での永住を希望している外国人と接する機会が多いでしょう。外国人従業員の定着や活躍を支援するためにも、永住権についての基本的な知識は押さえておくことをおすすめします。

本記事では、永住権とは一体どのようなものなのか、永住権を取得するとどのようなメリットがあるのか、帰化との違いは何か、取得の難易度や申請の条件など、永住権に関する情報を網羅的にわかりやすく解説していきます。外国人の採用・定着に携わる企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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永住権(永住ビザ)とは?

日本に中長期的に在留する外国人は、滞在目的に応じた在留資格(ビザ)の取得が必要です。就労ビザや留学ビザなど、多くの在留資格には、滞在可能な期間や従事できる活動内容に一定の制限があります。一方、「永住権(永住ビザ)」を取得した外国人は、在留期間や就労範囲の制限を受けることなく、日本人とほぼ同様の活動の自由が認められます。つまり、永住権とは、外国人が日本に永住することを可能にする特別な在留資格のことを指します。

永住権保持者は、定期的なビザの更新が不要となり、事実上無期限に日本に滞在し続けることができます。また、一部の公務員などの職を除けば、どのような仕事にも就くことが可能です。さらに社会的信用の面でも、永住権があることで住宅ローンの審査が通りやすくなったり、金利面で優遇されたりするなどのメリットが得られます。このように、日本で長く安定した生活を送りたいと考える外国人従業員にとって、永住権の取得は大きな意味を持ちます。

永住権(永住ビザ)を取得する3つのメリット

永住権を取得すると、外国人にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、永住権取得によって得られる3つの大きなメリットを見ていきましょう。

(1) 在留期間の制限がなくなる

永住権以外の一般的な在留資格では、「1年」「3年」「5年」など、あらかじめ定められた在留期間内でのみ日本に滞在することができます。在留期間が満了する前に在留資格の更新手続きを行う必要があり、その都度審査を受けなければなりません。

一方、永住権には在留期間という概念がありません。一度永住権を取得すれば、在留資格の更新は一切不要となり、生涯にわたって日本に住み続けることができるのです。在留期間や更新の心配から解放されるため、外国人従業員は長期的な視点でキャリアプランを立てたり、住宅購入などの人生設計を立てたりすることが可能になります。

企業にとっても、優秀な外国人従業員が永住権を取得し、長期的に働いてもらえる環境が整うことは大きなメリットとなるでしょう。在留資格の更新リスクがなくなることで、外国人の採用や活用がしやすくなり、貴重な戦力を失うことなく事業運営ができます。

(2) 活動の制限(就労制限)がなくなる

多くの就労ビザでは、従事できる仕事の内容や業種が限定的に定められています。たとえば「技術・人文知識・国際業務」の在留資格であれば、基本的にホワイトカラー職種での就労のみが認められ、「技能」の在留資格では、一定の専門的な技能を要する業種に限定されます。

しかし、永住権保持者の場合は、このような就労活動の制限が一切なくなります。医師や弁護士など一部の国家資格が必要な職種を除き、日本人と同じようにあらゆる職種で就業が可能となるのです。 外国人従業員が永住権を取得することで、企業は人材の適材適所の配置や柔軟な異動・配置転換がしやすくなります。事業環境の変化に合わせて外国人従業員の職務内容を変更したり、新たな事業領域に異動させたりといった対応が容易になるでしょう。在留資格の制約によって外国人の能力を十分に活かしきれていない企業にとっては、永住権の取得が人材活用の選択肢を広げる良い機会となります。

(3) 社会的信用が高まる

永住権を取得した外国人は、日本社会で一定の地位を確立したと見なされ、社会的な信用が高まります。たとえば、住宅ローンの審査においては、永住権保持者は他の外国人よりも有利に扱われることが多く、融資を受けやすくなったり、金利優遇を受けられたりする傾向にあります。

企業としても、永住権保持者を雇用していることで対外的な信用力が向上します。永住権のある外国人従業員は、長期的な勤務が見込める安定した人材だと評価されるため、取引先からの信頼感を高めることができるでしょう。また、国際的な事業展開においても、現地での生活基盤がしっかりした現地社員の存在は大きなアドバンテージとなります。

このように、永住権の取得は外国人個人だけでなく、所属する企業にとってもプラスの効果をもたらします。優秀な外国人従業員の永住権申請をサポートし、働きやすい環境を整えることは、企業の発展にもつながる投資だと言えるでしょう。

永住権(永住ビザ)資格の申請条件・取得

外国人が日本で永住権を取得するためには、入管法で定められた一定の要件を満たす必要があります。主な申請条件・取得要件は以下の通りです。

素行が善良であること
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

※ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者の場合には、(2)に適合することを要しない。
出典:永住許可に関するガイドライン|出入国在留管理庁

ただし、日本人や永住者などの配偶者・子である場合や、難民認定を受けている場合には、一部の要件が免除されます。

いずれにせよ、これらの要件を満たしているからと言って、必ず永住権が認められるわけではありません。申請時に求められる「理由書」の内容も審査の重要なポイントとなるため、説得力のある理由を論理的に記述することが求められます。

外国人の永住権申請をサポートする企業の担当者は、これらの要件や申請プロセスについて正しく理解し、社内の外国人従業員に的確なアドバイスができるようにしておくことが大切です。永住権取得のより詳しい条件やメリット・デメリットについては、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください
▶︎ 日本の永住権(永住ビザ)の取得条件と取得するメリット・デメリット

【国籍と参政権】永住権(永住ビザ)と帰化の違いとは?

永住権と帰化は似ていますが、どちらも外国人が日本に永住するための制度だという点では共通しているものの、意味合いは大きく異なります。人事担当者は、この2つの違いを正しく理解し、外国人従業員からの相談に適切に対応できるようにしておきましょう。

(1)永住権

永住権は、「外国籍のまま」日本に永住することができる在留資格です。つまり、母国の国籍を保持したまま、日本での永住が認められるということです。日本に永住しても、参政権(選挙権や被選挙権)は得られません。

一方で、永住権保持者は一部の公務員になることはできませんが、それ以外の職業に就くことができます。また、出入国の自由もあります。社会保障の面でも、日本に永住する外国人は、国民健康保険や国民年金に加入できるなど、日本人とほぼ同等の権利を享受できます。

(2)帰化

帰化とは、外国人が母国の国籍を離脱し、「日本国籍を取得」することを指します。帰化が認められれば、戸籍が編製され、法的にも完全な日本人となります。参政権などの権利はすべて日本人と同じになり、選挙で投票したり、議員や首相になったりすることも可能です。

帰化の要件は永住権よりも厳格で、原則として引き続き5年以上日本に在留していることに加え、一定の日本語能力や日本社会への理解、生活習慣の適応性なども求められます。審査のハードルは高く、帰化が認められるまでには1年以上の時間がかかるケースが多いようです。

企業としては、外国人従業員が永住権と帰化のどちらを目指すか、本人の意思を尊重するのが大切です。ただし、社内での適応やキャリア面からは、日本社会への溶け込みを重視する帰化の方が望ましいと感じる場合もあるでしょう。一方、永住権だけでも実質的な差はないという見方もあります。一概にどちらが良いとは言えないため、外国人従業員一人ひとりの事情に合わせたサポートが求められます。

【難易度と取得人数】永住権(永住ビザ)の審査は難しい

現在、日本で暮らす外国人の中で最も多い在留資格が永住権です。令和5年末時点の統計を見ると、日本の在留外国人数は約341万人で、そのうち永住者(永住権保持者)が約90万人と全体の約3割を占めています。近年は毎年のように永住者数が増加傾向で推移しており、今後もその流れは加速していくことが予想されます。

1永住者891,569人(構成比26.1%)
2技能実習404,556人(構成比11.9%)
3技術・人文知識・国際業務362,346人(構成比10.6%)
4留学340,883人(構成比10.0%)
5特別永住者281,218人(構成比8.2%)
出典:令和5年末現在における在留外国人数について|出入国在留管理庁

ここ数年は永住権の審査が厳格化されていると言われていましたが、直近の統計データを見ると、むしろ許可率は上昇傾向にあることがわかります。

2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、申請数がわずかに増加したものの、許可数は減少し、許可率も51.67%と低迷しました。しかし、これはあくまでもコロナ禍の特殊な状況下での一時的な落ち込みだったようです。

2021年以降は再び永住権申請が増加傾向に転じました。2021年は64,149件の申請に対し36,691件が許可され、許可率は57.20%に回復し、さらに2022年には、申請数こそ58,927件と前年から減ったものの、許可率は64.47%まで大きく上昇しました。

2019年2020年2021年2022年
申請数56,90257,57064,14958,927
許可数32,15029,74736,69137,992
許可率56.50%51.67%57.20%64.47%
参考:出入国管理統計|e-Stat政府統計の総合窓口

ここ数年の推移を見る限り、永住権の審査が以前より厳しくなっているという見方は必ずしも当てはまらないのかもしれません。日本への永住を希望する外国人の数は依然として高水準で推移しており、これに応える形で永住許可数も増加傾向にあるのです。

ただし、だからと言って永住権の審査基準が緩くなったわけではありません。引き続き、法律で定められた要件を満たし、日本社会に貢献する意欲と能力のある外国人を見極める厳格な審査が行われていることに変わりはないでしょう。

まとめ

本記事では、外国人の日本での永住権について、基本的な知識から取得の条件、帰化との違いなど、企業の人事担当者が知っておくべき情報を幅広く解説してきました。

日本で長期的なキャリア形成を望む外国人従業員にとって、在留期間や就労制限がなくなる永住権の取得は大きな意味を持ちます。意欲と能力のある外国人の定着は、企業にとっても貴重な戦力を確保することにつながるでしょう。

近年の統計データを見ると、日本に永住したいと考える外国人の数は依然として多く、今後もこの流れは続くことが予想されます。永住権は簡単に取得できるものではないので、外国人従業員の永住権取得をサポートする際は、最新の情報を入手し、スムーズな申請手続きができるようにしておきたいものです。

日本における外国人材の活躍が今後ますます期待される中、永住権の問題は企業の人事戦略を考えるうえでも避けては通れないテーマとなっています。優秀な外国人従業員の長期的な定着を後押しするためにも、永住権の正しい知識を身につけ、適切な支援体制を整えていきましょう。

永住権取得から帰化に至るまでの具体的なプロセスと、申請者や支援する企業側が押さえておくべきポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▶︎ 日本の永住権取得と帰化プロセス!難易度・対策から成功ポイントまで

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