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外国人社員が退職する際のビザ手続きとは?入国管理局への届出・在留資格の注意点まで解説!

外国人社員が退職する際は、企業側としてビザの扱いや在留資格に関する手続きが発生します。

こうした手続きには本人が対応するのが基本ですが、企業としても内容を理解し、必要な場面ではしっかりサポートする姿勢が求められます。

この記事では、退職時に企業側が確認しておきたい手続きや、よくあるケースへの対応ポイントをわかりやすく解説します。

安心して退職を迎えてもらうためにも、あらかじめ必要な流れを押さえておきましょう!

はじめに|外国人社員の退職には「ビザ対応」が不可欠です

外国人社員が退職する際、就労ビザや在留資格に関わる手続きが発生します。

基本的には本人が対応するものですが、企業側がサポートを怠ると、在留資格の取消や不法滞在といったリスクが生じる可能性もあります。

また、企業の対応が不十分だと、入国管理局との信頼関係に影響し、今後の外国人採用に支障が出ることも。

円満な退職とその後のサポートのためにも、企業と本人の双方で必要な手続きや流れを理解しておくことが大切です。

外国人の方が日本で退職した後に必要なビザの手続きとは?

外国人社員が退職する際、企業側にもいくつかの提出義務や対応事項があります。

ここでは、企業が行うべき主な手続きと、注意しておきたいポイントを見ていきましょう。

企業側に必要な3つの手続き

外国人社員が退職する際、企業には以下の3つの手続きが求められます。

①雇用保険被保険者資格喪失届
退職後10日以内にハローワークに届け出が必要です。

②ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」
在留カードを持っている外国人社員は全員対象で、雇用時・退職時ともに提出が義務付けられています。

③入管への「受入れ機関に関する届出(努力義務)」
退職したことを入管へ届け出る手続きで、企業側の「努力義務」とされています。

いずれもどれも大きな手間はかかりませんが、怠るとトラブルの原因になるため、確実な実施が求められます。

退職証明書の発行と注意点

外国人社員が転職や在留資格の変更を行う際、退職証明書を求められることがあります。

発行時には、氏名・退職日・職務内容・雇用期間などを正確に記載することが大切です。

記載内容に誤りや不備があると、本人のビザ変更や転職に支障をきたす恐れがあるため、慎重に対応しましょう。

外国人本人が行うべき手続き|企業が案内・確認しておきたい内容

退職後に必要な手続きは、外国人本人が対応するものが中心ですが、企業としても流れを把握し、必要に応じてフォローできると安心です。

ここでは、主な手続きとその進め方についてご紹介します。

「所属機関に関する届出」とは?企業側でのフォローの重要性

退職した外国人社員は、14日以内に「所属機関に関する届出」を入国管理局に提出する必要があります。

これは転職や帰国の予定があるかどうかに関係なく、全ての方が対象となる重要な手続きで、対応を怠ると在留資格の取消につながる可能性もあるため、注意しましょう。

提出方法は「オンライン・郵送・窓口」の3通りがあり、なかでも便利なのがオンライン申請。

出入国在留管理庁の電子システムを使えば、時間や場所を問わず手続きが可能です。

企業としても、退職時にこの届出の必要性や手続き方法を案内しておくことで、本人の不安を減らし、トラブル防止にもつながります。

参考:所属(契約)機関に関する届出|出入国在留管理庁

退職後の進路に応じた対応案内

退職後の進路によって、必要な手続きは異なります。

①転職予定がある場合:在留資格変更 or 所属機関変更
仕事内容が変わる場合は「在留資格の変更」、同じ職種であれば「所属機関の変更届出」が必要です。

②帰国予定の場合:届出のみでOK
「所属機関に関する届出」さえ済ませれば、在留資格の変更は不要です。

③求職中の場合:3か月以内の再就職が必須
就労ビザで日本に滞在している場合、退職後に求職活動を行っていれば、すぐに帰国する必要はありません。
ただし、就労ビザは「日本で働くこと」を前提とした在留資格のため、原則として退職から3か月以内に再就職することが必須です。

企業が理解しておくべき「就労ビザと在留資格」の基礎知識

退職後のビザ対応では、「どこまで滞在が認められるのか」や「どんな活動が許されるのか」といった在留資格に関する理解が欠かせません。

ここでは、無職期間の取り扱いやアルバイトの可否など、企業が押さえておくべき基本的なポイントをご紹介します。

「3か月以上無職」で在留資格取消の可能性がある

前述の通り、退職後に3か月以上無職のままでいると、在留資格が取り消される可能性があります。

ただし、会社都合による退職(倒産や雇止めなど)の場合は、求職活動を続けていればその間の滞在が認められることも。

条件を満たせば、資格外活動の許可を得たうえでアルバイトが可能になるケースや、「特定活動」ビザに切り替えて6ヶ月間在留できるケースもあります。

企業としては、本人が不利にならないよう、退職証明書や離職票、面接記録などを適切に保管しておくことが大切です。

退職後のアルバイト雇用は不可!無許可就労リスクも

就労ビザで在留している外国人は、退職後に別の職種やアルバイトに従事することは原則として認められていません。

たとえ将来的に正社員として雇う予定があったとしても、在留資格に適合しない活動は「不法就労」と見なされます。

こうしたケースでは、本人だけでなく、雇用した企業側にも処罰リスクが及ぶため、採用前に必ず在留資格の内容を確認することが重要です。

ケース別に見る企業側の対応ポイント

退職後の状況は人によってさまざまです。

ここでは、転職予定がある場合や一時帰国する場合、再就職先がなかなか見つからない場合など、よくあるケースに応じた対応のポイントをまとめました。

企業として適切なサポートができるよう、ケース別の対応内容を確認しておきましょう。

【ケース1】退職後に別会社へ転職する場合

活動内容が変更される場合は「在留資格変更」、同じ内容であれば「所属機関変更届出」で対応します。

入管での審査では、就労内容が資格と合致しているかが重視されるため、企業は事前に確認しておきましょう。

【ケース2】退職後に一時帰国・再入国を希望する場合

一時帰国中に在留資格の期限が切れてしまうと、再入国が難しくなるケースもあります。

本人に対しては、再入国許可の申請や在留資格の有効期限について、注意しておくと良いでしょう。

【ケース3】再就職先が見つからず、在留期限が迫っている場合

再就職が決まらないまま在留期限が近づいている場合は、「短期滞在ビザ」への変更を検討することもあります。

ただし、この対応は入管の判断によるため、申請内容の整備や事前相談が不可欠です。

企業としては、必要書類の準備支援やアドバイスを行うことが望まれます。

外国人社員は失業手当を受け取れる?

外国人でも、雇用保険に一定期間加入していれば失業手当を受け取ることができます。

しかし、在留資格の有効期間内でないと受給できない点には注意が必要です。

受給期間中に在留資格が切れると、支給も打ち切られるため、再就職か帰国の判断を早めに行うよう伝えておくと良いでしょう。

外国人社員の退職時で企業が注意すべきリスクと対応策

外国人社員の退職後、在留資格に関する手続きが適切に行われなかった場合、本人だけでなく企業にも影響が及ぶことがあります。

在留資格取消による企業への影響とは?

社員の在留資格取消が発生すると、その情報は入国管理局にも残ります。

信頼性に影響し、今後の外国人採用に支障が出る可能性もあるため、「退職=本人任せ」にせず、企業として必要な情報提供や支援を行う姿勢が求められます。

専門家との連携を検討するタイミング

在留資格の扱いや入管対応に不安がある場合は、行政書士や社労士などの専門家と連携するのも有効です。

煩雑な手続きを任せることで、社内の負担軽減と確実な対応が期待できます。

まとめ|外国人社員の退職時は「本人任せ」にしないことが大切です

外国人社員が安心してキャリアを築いていけるよう、退職後のビザ手続きについて企業側からも正しく案内・確認することが求められます。

こうした丁寧な対応は、再雇用や将来の外国人採用にもつながる信頼構築の一歩です。

制度の理解と適切なサポートにより、企業と外国人社員の双方にとって良好な関係を築いていきましょう。

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