特別永住者と永住者の違いとは?企業が知るべき採用ポイントを解説
外国人採用を進める中で、「特別永住者と永住者の違いがよく分からない」「雇用手続きにどんな影響があるのか知りたい」と感じる企業担当者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、特別永住者と永住者の違いを中心に、企業が押さえておきたい実務ポイントをまとめました。初めて外国人採用に携わる担当者の方にも分かりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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Contents
特別永住者とは?

特別永住者とは、第二次世界大戦中に日本国民として暮らしていた韓国・朝鮮人や台湾人、またその子孫に対し、日本での在留を特別に認める制度、およびその資格を持つ人を指します。
戦後、日本の統治が終了したことで彼らは日本国籍を失いましたが、引き続き日本で暮らしていた人も多く、その歴史的背景を踏まえて設けられたのが「特別永住制度」です。
特別永住者は、当時の本人だけでなく子ども・孫の世代にも資格が引き継がれるため、現在も一定数の若い世代が特別永住者として日本で生活しています。多くは日本で生まれ育っているため、見た目や言動から日本人と区別がつかないことも珍しくありません。
特別永住者には、一般的な外国人に交付される在留カードの代わりに、「特別永住者証明書」が交付されます。この証明書は在留カードとは制度が異なり、更新期間や携行義務にも違いがあります。
永住者とは?

永住者(一般永住者)とは、法務大臣の許可を受けて「永住」の在留資格を取得し、日本に長期的に在留できるようになった外国籍の方を指します。
一般永住者とは通常は単に「永住者」と呼ばれますが、特別永住者と区別する際には「一般永住者」という名称が使われ、永住者として認められるためには、
- 素行が善良であること
- 独立した生計を営めること
- 原則10年以上の在留歴があること
といった厳格な基準を満たす必要があり、取得までには一定の時間と条件をクリアすることが求められます。
永住者には在留カードが交付され、一定期間ごとに更新手続きが必要です。活動範囲に制限はなく日本で自由に働くことができますが、在留管理は一般の外国人と同様に扱われるため、採用時には在留カードの確認や外国人雇用状況届出が必要になります。
永住者は就労制限がなく、長期的に勤務してもらえるというメリットもあるため、企業にとっては即戦力として迎えやすい在留資格のひとつといえるでしょう。
特別永住者と永住者の違い

特別永住者と永住者はどちらも長期的な在留が可能ですが、制度の背景から採用時の扱いまで、さまざまな点で違いがあります。ここでは、企業が必ず理解しておきたい主要なポイントを見ていきましょう。
(1)制度の違い:入管特例法と入管法
特別永住者は「入管特例法」、永住者は「入管法」に基づいて認められています。
特別永住者は歴史的背景から特別に保護されており、在留手続きや義務が一般永住者よりも大きく緩和されています。
(2)資格取得の違い:自動付与と申請型
特別永住者は本人や子孫が条件を満たすことで自動的に資格が得られます。
一方、一般永住者は、本人が法務局に申請し、審査に通る必要があります。
資格取得のプロセスがまったく異なるため、在留管理や必要書類にも違いが生じます。
(3)在留カードと特別永住者証明書
特別永住者には在留カードは交付されず、特別永住者証明書が交付されます。
企業は採用時、永住者なら在留カード、特別永住者なら証明書を確認するため、チェックすべき書類が異なります。
(4)就労制限の違い
どちらも就労制限なく働くことができますが、一般永住者はあくまで外国人としての在留資格を持ち、更新義務もあります。
特別永住者は更新期間が長く、手続きの負担が少ないのが特徴です。
(5)外国人雇用状況届出の必要性
一般永住者を雇用した場合、企業は外国人雇用状況届出が必須です。
一方、特別永住者は届出の対象外であり、日本人とほぼ同じ扱いとなります。
帰化と特別永住者・永住者の違いとは?

帰化は国籍取得という点で、特別永住者や一般永住者とは根本的に異なり、採用時の手続きも大きく変わります。
帰化とは、外国籍の人が日本国籍を取得し、法的に日本人になることを指します。
帰化した人は外国人としての在留資格を持たないため、採用手続きは日本人と同様で問題ありません。
特別永住者や一般永住者と比べると、在留カードの確認や雇用届出の必要がない点が大きな違いです。
| 項目 | 特別永住者 | 一般永住者 | 帰化 |
|---|---|---|---|
| 国籍 | 外国籍 | 外国籍 | 日本国籍 |
| 在留カード | なし(証明書のみ) | あり | 不要 |
| 就労制限 | なし | なし | なし |
| 届出義務 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 資格取得方法 | 歴史的背景による継承 | 申請・審査が必要 | 日本国籍の取得 |
特別永住者・一般永住者・帰化した人を採用する際の注意点

採用に関する手続きや確認事項は、資格によって大きく異なります。誤った対応を避けるためにも、それぞれのポイントを押さえておきましょう。
特別永住者は通名の使用に注意する
特別永住者は外国籍でありながら、日本人とほぼ同様に採用することができます。
ただし、多くが通名を使用しており、書類上の名前と異なる場合があります。保険・年金手続きを円滑に進めるためにも、可能な限り本名での登録を確認すると安心です。
一般永住者は外国人として手続きする
一般永住者は外国籍のままのため、
- 在留カードの確認
- 外国人雇用状況届出
は必須です。
ただし、就労内容の制限がないため、企業にとって採用しやすい人材であることも多いでしょう。
帰化した人は日本人と同じように採用すればOK
一般永住者と特別永住者は外国籍で日本人ではありませんが、帰化した人は日本国籍を保有しています。帰化した人はたとえ見た目が外国人であっても、法的には立派な日本人です。そのため、日本人を採用する時と同じように手続きを進めれば問題ありません。
まとめ
特別永住者と永住者は、どちらも日本で長く生活できる資格ですが、制度の成り立ちや採用時の扱いには明確な違いがあります。
- 特別永住者は、日本人とほぼ同様に採用できる
- 一般永住者は、在留カード確認や届出が必要
- 帰化した人は日本人と同じ採用手続きでOK
これらを理解しておくことで、採用業務をよりスムーズに進められ、適切なリスク管理にもつながります。外国人採用に関わる担当者の方は、ぜひ本記事を今後の判断に役立ててください。