特定技能ミャンマー人採用のメリットとデメリット｜成功への注意点

日本の労働力不足が深刻化する中、特定技能制度を活用した外国人材の受け入れは、多くの企業にとって重要な経営戦略の一つとなっています。

中でも、真面目さや勤勉さで知られるミャンマー人特定技能人材は、新たな労働力として注目を集めています。

本記事では、特定技能ミャンマー人の採用を検討されている企業担当者様向けに、特定技能制度の基本的な概要から、ミャンマー人採用で得られる具体的なメリットと、注意すべきデメリット、そして採用を成功させるための重要なポイントまで、網羅的に解説します。

この記事を通じて、貴社の外国人材採用における意思決定の一助となれば幸いです。

特定技能ミャンマー人とは？基礎知識と制度の概要

特定技能ミャンマー人の採用を考える上で、まず知っておくべき基本的な制度とミャンマー人労働者の特徴について詳しく解説します。

ミャンマーからの人材受け入れの背景にも触れます。

特定技能制度の基本

特定技能制度は、日本国内で深刻化する人手不足に対応するため、特定の産業分野において即戦力となる外国人材を受け入れることを目的として2019年4月に創設された在留資格です。

この制度は、日本の労働力不足を補う重要な役割を担っており、外国人人材が日本で就労する新たな道を開きました。

制度開始当初は12分野でしたが、2024年以降は自動車運送業、鉄道、林業、木材産業が追加され、16分野（※）に拡大しています。

代表的な分野として、介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業が挙げられます。

特定技能1号の在留期間は通算で最長5年間ですが、一部分野では、要件を満たせば特定技能2号へ移行することで、通算在留期間の上限なく働き続ける道も開かれています（※介護分野など2号のない分野もあります）。

※分野の統合・新設により、2024年6月時点では「12分野」と数える場合（例：旧3分野を「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」として1分野とカウント）と、新たに追加された4分野を加えて「16分野」と数える場合があります。本記事では後者を採用しています。

ミャンマー人特定技能人材の現状

ミャンマーは、日本への特定技能人材の主要な送り出し国として注目されています。

これは、技能実習制度を通じた長年の実績に加え、ミャンマー人労働者の優れた特性によるものとされています。

日本の受入れ企業からは、ミャンマー人材は一般的に真面目で勤勉、手先が器用で粘り強く業務をこなすと評価されることが多いと言われます。

また、日本語学習意欲が高い人も多いとされており、協調性があるため日本の職場文化にもスムーズに適応するとされています。

もちろんこれらには個人差がありますが、こうした特性は、介護、製造業、農業、外食業といった人手不足分野で即戦力として高く評価され、多くの企業で活躍しています。

このように評価される強みを持つミャンマー出身の人材は、日本の労働市場において重要な存在であり、その役割は今後も拡大していくでしょう。

特定技能「ミャンマー語」試験と日本語能力要件

特定技能外国人材に求められるのは、母国語であるミャンマー語ではなく、日本での円滑な生活や業務遂行に必要な日本語能力です。

特定技能「ミャンマー語」試験という特定の試験は存在せず、日本語能力が評価されます。

特定技能1号の在留資格を取得するためには、原則として以下のいずれかの日本語能力が求められます（※技能実習2号を良好に修了した場合など、一部は試験が免除されるルートもあります）。

• 日本語能力試験（JLPT）のN4レベル以上
• 国際交流基金日本語基礎テスト（JFT-Basic）の合格

JLPT N4レベルは、基本的な日本語を理解し、日常会話や業務上の簡単なやり取りを滞りなく行える程度の能力を指します。

ミャンマー国内においても、各分野の特定技能評価試験と並行して日本語能力を測る試験が実施されており、ミャンマー人特定技能人材はこれらの現地試験を通じて、日本での就労に必要な資格と日本語能力を効率的に証明しています。

ミャンマー人は日本語学習への意欲が高い人が多いとされており、文法構造が日本語と類似している点も、日本語習得の速さに繋がる要因とされています。

技能実習からの移行と特定活動ビザ

技能実習を修了した外国人材が日本での就労を継続し、特定技能外国人となるには、在留資格の変更が必要です。

特に、ミャンマー人実習生が特定技能1号の要件を満たし、同分野または関連分野での就労を希望する場合、特定技能への在留資格変更許可申請を行います。

この制度は、日本の産業界における深刻な人手不足の解消に大きく貢献しています。

また、技能実習から特定技能への移行準備に関して、在留資格の変更申請が間に合わない場合などに、『特定技能1号への移行を希望する特定活動』が認められるケースがあります。

例えば、技能実習の在留期間満了までに特定技能への申請手続きが間に合わない場合や、ミャンマー本国の情勢等により必要書類の準備に時間を要する場合に利用されることがありますが、個別審査であり、必ず許可されるものではありません。

許可されれば、ミャンマー人特定技能人材は日本に継続して在留し、特定技能への移行準備を進めることが可能となります。

特定技能ミャンマー人採用のメリットとデメリット

特定技能ミャンマー人の採用は、企業に多くの恩恵をもたらす一方で、いくつかの課題も伴います。

ここでは、採用を検討する上で不可欠な、メリットとデメリットの両面を客観的に解説し、貴社の採用判断の一助となる情報を提供します。

特定技能ミャンマー人採用のメリット

特定技能ミャンマー人採用には、企業にとって多岐にわたるメリットがあるとされています。

まず、日本の受入れ企業からは、ミャンマー人労働者は非常に高い労働意欲と真面目さ、勤勉さを持っていると評価されることが多い点が挙げられます。

与えられた業務に対して責任感を持ち、粘り強く取り組む傾向があるとされるため、職場の生産性向上に貢献することが期待できます（もちろん個人差はあります）。

また、日本語学習への積極性が見られる人が多いことも大きなメリットとされています。

ミャンマー語の文法構造が日本語と類似していることもあり、日本語習得が比較的早いと言われることもあります。

これにより、職場でのコミュニケーションが円滑になりやすく、業務指示の理解度も高まります。

日本語能力が高い人材は、日本人従業員との連携もスムーズに行えるため、チーム全体のパフォーマンス向上にも寄与するでしょう。

さらに、技能実習制度を修了したミャンマー人を受け入れる場合、彼らはすでに日本の生活や職場環境、基本的な業務知識に慣れているため、即戦力として期待できます。

新たに一から教育する手間や時間を大幅に削減できるため、導入コストを抑えながら迅速に労働力を確保できる点は、企業にとって非常に大きなメリットとなります。

特定技能人材は、特定分野の専門スキルを有しているため、専門性の高い業務においてもその技能を活かして活躍が期待されます。

これらの特性を持つとされるミャンマー人材を積極的に受け入れることは、企業の持続的な成長と発展に繋がる重要な採用戦略となり得ます。

特定技能ミャンマー人採用のデメリット

ミャンマー特定技能人材採用にはデメリットもあり、事前の理解と対策が成功の鍵です。

主な課題は以下の通りです。

• 現地情勢不安と人材流出制限: 2021年軍事クーデター以降、政府による国外人材流出制限が強化され、若年層男性への徴兵制度導入も加わり、日本への就労希望者確保や計画通りの採用人数確保が困難になるリスクがあります。
• OWIC（海外就労許可証）発給の停滞: 日本での就労に必須のOWICは、一時的に発給が停止されたのち、送り出し機関ごとに月15人までの出国枠（申請上限）が設けられており、新規申請や渡航手続きが大幅に滞っています。
  また、2025年3月28日の大地震の影響で、行政機能やインフラにも打撃があり、手続きへの影響が出る可能性も指摘されています。
  不正ルート（例：第三国経由）の利用は本人・企業双方に大きなリスクがあるため避けるべきです。
• 信頼できる送り出し機関の選定難: 不適切な運営機関も存在し、悪質な機関を選べば高額請求や不透明な手続きで採用が滞り、トラブルに巻き込まれるリスクがあります。
  政府は手数料上限を定めていますが、地方でのブローカー介在による不当請求にも注意が必要です。

これらのデメリットを踏まえ、企業は常に最新のミャンマー情勢を情報収集し、実績と信頼性の高い送り出し機関や登録支援機関を選定することが不可欠です。

メリット・デメリットを考慮した採用戦略

特定技能ミャンマー人採用では、現地情勢・制度リスクに注視し、高い労働意欲・日本語学習意欲を（個人差はありつつも）最大限に活かすことが鍵です。

信頼できる機関選定と情報収集・定着支援を通じ、メリット最大化・デメリット最小化を図りましょう。

ミャンマー人特定技能人材採用の具体的な流れと費用

特定技能ミャンマー人材の採用を成功させるためには、その具体的なプロセスと発生する費用を事前に把握しておくことが重要です。

ここでは、募集から就労開始までの具体的な流れと、採用にかかる費用について詳しく解説し、スムーズな採用計画の一助となる情報を提供します。

採用プロセスの全体像

特定技能ミャンマー人材の採用プロセスは以下のステップで進行します。

各手続きと期間を把握することが円滑な受け入れに繋がります。

1. 募集・選考（1～2ヶ月）：人材像を明確にし、送り出し機関経由で候補者を募集。履歴書確認や面接で選考します。

2. 内定・雇用契約締結（1～2週間）：選考通過者へ内定通知、雇用条件提示後、日本の労働基準法に基づき雇用契約を結びます。

3. 在留資格認定証明書交付申請（1～3ヶ月）：企業または登録支援機関が、出入国在留管理局へ特定技能ビザに必要な在留資格認定証明書を申請。多数の書類提出を経て交付されます。

4. 査証（ビザ）申請・入国（1～2ヶ月）：交付された証明書を候補者へ送り、現地日本大使館でビザを申請。発給後、日本へ入国します。

5. 就労開始・サポート：入国後、オリエンテーションを経て就労開始。企業は義務付けられた支援計画に基づき生活相談や行政手続きをサポート。自社での支援が困難な場合は、登録支援機関へ委託可能です。

各段階での適切な手続きと期間管理が、円滑な採用と企業への迎え入れに繋がる重要なポイントです。

送り出し機関の活用と選定ポイント

特定技能ミャンマー人材の採用において、送り出し機関は人材募集から選考、日本語・技能教育、出入国手続き、送り出しまで一貫して担う重要な役割を果たします。

採用成功とトラブル回避のため、優良な機関の慎重な見極めが不可欠です。

選定ポイントは以下の通りです。

• 認可・実績：ミャンマー政府認可、豊富な送り出し実績、トラブル事例の少なさ。
• 費用・透明性：明確な手数料体系、教育・渡航費用の内訳明朗性。
• 教育・支援：質の高い日本語・技能教育、生活オリエンテーション、入国後のアフターフォロー。
• 現地情報：ミャンマー情勢・制度変更への対応力、的確な情報提供とアドバイス。

複数の機関を比較検討し、自社ニーズに合った信頼できる送り出し機関を見つけることが、ミャンマー人材採用成功の鍵となります。

採用にかかる具体的な費用内訳

特定技能ミャンマー人材の採用には費用が発生し、適切な予算計画のため、以下の内訳と相場把握が重要です。

• 送り出し機関手数料: 人材募集、教育、渡航準備など現地サービス料。高額な傾向があり、政府規定上限の確認が必要です。
• 渡航費: 航空券代。数万円〜十数万円が目安です。
• 在留資格申請関連費: 申請は無料ですが、行政書士依頼時に報酬が発生します。
• 登録支援機関委託費: 義務的支援を自社でできない場合、機関へ委託する月額数万円の費用です。

これらの費用は採用人数や機関で変動するため、複数見積もりを比較検討することが不可欠です。

費用に関する注意点と助成金制度

特定技能ミャンマー人材の採用時は、送り出し機関による不当な高額請求に注意が必要です。

法律で定められた手数料上限を超える請求事例が報告されており、契約前に費用内訳を詳細に確認し、不明点を明確にすることが重要です。

ミャンマー政府は海外就労許可証（OWIC）発給手数料の上限を定め、日本政府も不適切手数料徴収機関への指導を強化しています。

また、特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人材の雇用や定着支援に資する雇用関係助成金などの活用を検討しましょう。

これにより、採用費用負担を軽減し、適正価格での人材確保が可能になります。

関係省庁や地方自治体のウェブサイトで最新情報を確認し、積極的に活用することが推奨されます。

特定技能ミャンマー人採用を成功させるための注意点

特定技能ミャンマー人の採用成功と長期活躍には、企業が多角的に注意すべき点が多数あります。具体的には、以下の点が挙げられます。

• 法令遵守と適切な受け入れ体制の構築
• 現地情勢の変化への対応
• 採用後の定着支援
• 円滑なコミュニケーションの重要性

法令遵守と適切な受け入れ体制

特定技能ミャンマー人材を受け入れる企業は、日本の労働基準法や入管法といった関連法令の厳守が不可欠です。

これは外国人材が安心して働き、生活するための基盤であり、労働時間、賃金、休日、安全衛生に関する規定は日本人労働者と同等に適用されるため、正確な理解と遵守が求められます。

不適切な運用は企業リスクを高め、人材の権利を侵害する可能性があります。

また、外国人材が日本での生活にスムーズに適応できるよう、適切な受け入れ体制の構築も不可欠です。

住居確保支援、銀行口座開設サポート、行政手続き補助、生活オリエンテーションなどが含まれ、これらは特定技能制度で義務付けられた支援計画に基づき実施されます。

外国人材が安心して働き続ける上で極めて重要な注意点であり、自社での対応が難しい場合は、登録支援機関への委託を検討すべきです。

法令を遵守し、きめ細やかなサポートを提供することで、外国人材の定着と活躍を促進できます。

現地情報収集と不正経由への対策

ミャンマーからの特定技能人材受け入れ企業は、現地の情勢変化に常に注意し、最新情報の収集が重要です。

ミャンマーでは、国外就労に必要な「海外労働身分証明カード（OWIC）」の発給が一時停止された後、申請に上限枠が設けられるなど制限されており、国軍の徴兵制や地震の影響も重なり、出国が困難な状況が続いています。

この状況下、不正ルートやトラブルを避けるため、以下の点に留意してください。

• 「ミャンマー 特定技能 タイ 経由」のような不正ルート（OWIC未取得での陸路出国など、第三国経由の不正ルート）は、ミャンマーの労働法・出入国管理法に違反する可能性があります。
  不法入国は将来的な在留資格の更新・変更に影響を及ぼし、日本国内での失踪者となるリスクを伴います。二重契約などのトラブルにも注意が必要です。
• 企業は、ミャンマー政府公認の送り出し機関を通じて手続きを行うことが必須です。
  契約内容や費用の透明性を必ず確認し、高額な代行料を請求する仲介業者には注意が必要です。
  信頼できる機関を選定し、正規の手続きを踏むことで、人材を安定的に確保し、トラブルを未然に防ぐことができます。

採用後の定着支援とコミュニケーションの重要性

特定技能ミャンマー人材の長期定着と活躍には、企業による継続支援と円滑なコミュニケーションが不可欠です。

日本での適応を促すため、以下の点に注力しましょう。

• 日本語教育支援: 業務効率・日常生活自立のため、企業内学習や外部通学支援で日本語能力向上をサポート。
• 文化理解促進: ミャンマー文化尊重と日本文化・職場慣習説明を通じた相互理解深化。
• 定期面談・相談体制: 仕事や生活の困り事を早期解決する定期面談と、ミャンマー語サポート体制整備。
• コミュニケーション活性化: 日本人従業員との交流機会設定と、多文化共生な職場環境でのチームワーク向上。

これらの支援が、ミャンマー人材の日本での充実と長期活躍を促し、採用成功の鍵となります。

特定技能介護など特定分野の注意点

特定技能制度は多様な分野で外国人材を受け入れますが、特に専門性の高い「特定技能介護」では要件が厳格です。

利用者の生命・身体に関わる業務が多く、高い専門知識と円滑な日本語でのコミュニケーション能力が不可欠とされます。

特定技能介護に従事するには、介護技能評価試験と日本語能力試験（介護日本語評価試験を含む）の両方に合格するか、技能実習2号を修了している必要があります。

また、身体介護を含む直接的な介護業務に従事するため、日本の介護保険制度や介護技術の理解も重要です。

企業は、採用する特定技能人材がこれらの要件を満たすか確認し、入国後の研修やOJTで必要な知識・スキル習得を支援する計画を立てるべきです。

職種ごとの専門性と要件を把握し、適切な人材確保・育成に努めることが、採用成功の鍵となります。

特定技能ミャンマー人に関するよくある質問（FAQ）

特定技能ミャンマー人の採用を検討する企業様へ。

具体的な疑問や不安を解消するため、Q&A形式のFAQをまとめました。

• 採用期間、日本語能力、給与水準
• 送り出し機関の選び方
• 特定活動ビザとの違い

貴社の疑問解決にお役立てください。

Q1: 採用期間と日本語能力について

特定技能ミャンマー人の採用期間は、人材の募集から就労開始まで3〜6ヶ月が目安です。

送り出し機関選定、候補者面接、在留資格申請、入国準備といった複数のステップを経て期間は変動します。

主な採用プロセスは以下の通りです。

• 人材募集・選考（送り出し機関を通じ面接を実施）
• 在留資格認定証明書（COE）交付申請（日本の出入国在留管理局へ申請、審査1〜3ヶ月）
• 査証（ビザ）申請・発給（ミャンマーの日本大使館で取得）
• 入国・就労開始

特定技能人材には、原則として日本語能力試験N4相当以上、または国際交流基金日本語基礎テストの合格が求められます。

これは、日常生活や業務での円滑なコミュニケーションを保証するためです。

職種によっては、より専門的な日本語能力が求められる場合もあります。（※前述の通り、技能実習2号修了者などは試験免除の場合があります。）

ミャンマー国内で日本語試験が実施され、合格者が日本へ送られます。

技能実習2号を修了して特定技能へ移行する人材は、すでに日本での生活経験と日本語能力があるため、スムーズな受け入れが期待できます。

企業は、採用する人材の日本語能力を事前に確認し、必要に応じ入国後の日本語学習支援を検討し、円滑な定着を促しましょう。

Q2: 給与水準と送り出し機関の選び方

ミャンマー特定技能人材の給与水準は、法令により日本人と同等以上であることが義務付けられています。

これは、日本の最低賃金以上の基本給に加え、同業務に従事する日本人従業員と同額以上の賃金を支払うことを意味します。

地域や職種に応じた残業代や各種手当も適切に支給され、人材の生活費を考慮した手取り額が適正水準を下回らないよう配慮することが、人材の長期的な定着に不可欠です。

ミャンマー人特定技能人材の採用において、信頼できる送り出し機関の選定は極めて重要です。

選定時の主な注意点は以下の通りです。

• 政府公認の有無: ミャンマー政府から正規の認可を受けている機関であることを必ず確認しましょう。
• 実績と評判: 過去の送り出し実績や、日本企業からの評価、トラブルの有無などを確認することが重要です。
• 費用体系の透明性: 不当に高い費用を請求しないか、手数料やサービス内容の内訳が明確であるかを徹底的に確認してください。不透明な費用はトラブルの原因となります。
• 教育・サポート体制: 日本語教育や技能教育の質、そして送り出し後のサポート体制が整っているかを確認しましょう。

複数の機関から情報を収集し、直接対話を通じて信頼性を評価することが、安定した人材確保と不要な費用発生を避ける上で不可欠です。

Q3: 「ミャンマー 特定活動」ビザと特定技能の違い

「特定活動」ビザは、法務大臣が個々の外国人に対し、特定の目的や状況に応じて柔軟に許可する在留資格です。

例えば、ミャンマー情勢悪化により帰国困難な方など、人道的な配慮や国際情勢の変化に対応する目的で運用され、活動内容や在留期間は個別に指定されます。

一方、「特定技能」ビザは、日本の特定産業分野における人手不足を解消するため、特定の技能と日本語能力を持つ外国人が該当分野で就労することを目的とした在留資格です。

特定技能1号と2号があり、それぞれ在留期間や家族帯同の可否が定められています。

両者の主な違いは、その目的と適用範囲にあります。

特定活動は個別の事情に基づく柔軟な在留許可であるのに対し、特定技能は日本の特定の産業分野での就労を目的とした制度です。

特定活動ビザで滞在中の外国人が特定技能の要件を満たし、対象分野での就労を希望する場合、在留資格変更許可申請により特定技能ビザへの移行が認められる可能性があります。

この移行には、特定技能試験合格や日本語能力証明など、制度が定める厳格な要件を満たす必要があります。