2/15/2021最終更新

特定技能「介護」外国人採用する際の注意点

2/15/2021最終更新

2019年4月の入管法改正に伴い創設された「特定技能」による外国人の採用を検討されている方も多いと思いますが、採用できる業種が14の特定産業分野に限られています。

その中でも特に国内人材の確保が困難な「介護」分野では、「特定技能」外国人の受け入れを新設から5年間で6万人を見込んでいます。今回は、特定技能「介護」外国人の採用を検討される介護業界にとって注意点を整理しご説明いたします。

なお、介護分野における特定技能外国人の受入れに関する包括的な情報については、以下の厚生労働省のホームページを参照ください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html

特定技能「介護」の業務とは?

主たる業務は、身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練等の補助等)です。

訪問介護等の訪問系サービスは対象外ですので注意が必要です。また、同事業所に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは認められています(訪問系サービス関連業務は除く)。

特定技能「介護」外国人の雇用形態は?

直接雇用のフルタイムに限定されます。派遣については、派遣することも派遣された者を採用することも不可となっています。万が一採用した場合は、出入国に関する法令に関し不正または著しく不当な行為を行ったものとして、以降5年間は特定技能外国人の受け入れができなくなりますので、注意が必要です。

特定技能「介護」外国人の就業場所と人数制限について

介護福祉士国家試験の受験資格の認定において、実務経験として認められる事業所でなければなりません。また、特定技能「介護」外国人の人数が、事業所単位で日本人等(介護福祉士試験に合格したEPA介護福祉士、在留資格「介護」保有者、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」「特別永住者」が含まれる)の常勤の介護職員の総数を超えてはいけない、とされています。

特定技能「所属機関」(=受入企業)になるためには?

厚生労働大臣が設置する介護分野における特定技能協議会(以下「協議会」という)の構成員になることが必要です。初めて介護分野の特定技能外国人を採用する場合には、採用する外国人の入国後4か月以内に「協議会」に加入し、加入後は「協議会」に対して様々な協力をする必要があります。万が一「協議会」に加入しないで特定技能外国人を就労させた場合には、在留資格該当性のない外国人を就労させたとして、不法就労助長罪に問われることになりますので、注意が必要です。

特定技能「介護」外国人の処遇・サポート体制について

法令に基づく職員等の配置基準によれば、就労と同時に職員等とみなす取扱いをしても差し支えない、とされています。しかし厚生労働省の指針によれば、来日後当面は日本人職員の補助業務のみが可能とされていますので、一定期間は他の日本人職員とチーム制でケアに当たる等、受入側において環境に順応できるまでサポートし、同時にケアの安全性を確保することが必要と考えられます。この場合の一定期間とは、外国人職員が環境に順応できるまでのおおむね「6ゕ月間」が想定されています。

まとめると、外国人職員と日本人職員が一体となって介護業務にあたること、介護技術習得のための各種機会の提供、外国人職員に対する手厚い日本語教育の機会の提供等を通じて、受入企業において外国人職員が環境に順応するためのサポート、ケアの安全性を確保すること等があげられます。

受入企業が行うべき具体的支援とは?

「介護」は職務上日本人との円滑なコミュニケーションが必要不可欠です。他の業種分野に比較してより高度な日本語能力が要求されます。実務上は、日本語能力試験N2レベルの水準が求められていると言われていますので、受入企業側が、来日後の特定技能「介護」外国人に対し、継続的かつ十分な日本語教育を実施することが重要です。また、「介護」の質の向上を目的とした研修の受講への参加を積極的に促進することも大切です。

特定技能「介護」外国人に必要な技能水準・日本語能力水準は?

技能水準と日本語能力水準について説明します。

1.技能水準については、以下のいずれかに該当することが必要です。

 ⑴ 「介護技能評価試験」に合格

 ⑵ 介護福祉士養成施設修了

 ⑶ EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了(4年間)

2.日本語能力水準については、以下のいずれもが必要です。

 ⑴ 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験でN4以上

 ⑵ 「介護日本語評価試験」に合格

なお、「介護」の第2号技能実習を良好に修了した者については、上記2.⑴は免除されますが、⑵は免除されません。

特定技能「介護」から在留資格「介護」へのキャリアパスとは?

特定技能には1号と2号があり、2号には在留期間の上限5年間という制限はありません。しかし、「介護」分野は1号のみが適用されていますので、外国人を特定技能「介護」として雇用できる期間は5年間が上限となっています。

一方、特定技能1号「介護」にて3年間就労すれば、「介護福祉国家試験」を受験することが可能となり、試験に合格すれば在留資格「介護」に変更できます。在留資格「介護」を取得すれば、在留期間の上限はありません。特定技能「介護」では認められていない「訪問系のサービス」に従事することも可能となります。将来日本で長く在留したい外国人にとっては有益な情報です。