特定技能2号(外食)の条件を完全整理|試験・実務経験・企業側要件

「特定技能2号 外食 条件」でまず押さえる結論はシンプルです。人材側は①外食業特定技能2号技能測定試験の合格、②日本語能力(原則JLPT N3以上)、③“店舗管理を補助する立場での指導・監督を含む実務経験2年”の証明が軸になります。

さらに、受入れ企業側は分野運用(協議会・誓約・直接雇用など)を外すと、配属・稼働開始時期が遅れたり、監査・在留審査で差し戻しになったりします。外国人採用担当者の方に伝わるようにプロの視点で解説をいたします。


外食の特定技能2号「条件」チェックリスト(最短で判断できる要点)

最初に、社内説明(上長・現場・法務/コンプラ)に耐える形で“条件”を一覧化します。ここで重要なのは、条件を「人材側(受験・経験)」「企業側(受入れスキーム)」に分けて説明することです。

現場では「試験に受かればOK」と誤解されがちですが、外食2号は“管理補助+指導/監督の実務経験”がコアなので、配属設計と証明書類をセットで組み立てないと稼働開始がずれます。

特に複数店舗を持つ法人は、どの店舗が“営業許可を受けた飲食店”に該当するか、実務経験の場と職務内容が整合しているかを先に確認しておくと、申請・審査の手戻りを減らせます。

条件(要点)早見表

区分要件実務での論点(現場影響)
人材側外食業特定技能2号技能測定試験に合格受験申込が企業側主体になりやすく、枠・日程の都合で稼働開始が後ろ倒しになりやすい
人材側日本語:原則JLPT N3以上店舗の安全・衛生・クレーム対応で“指示理解”が必須。教育コストの見積に直結
人材側指導/監督を含む実務経験2年の証明(副店長等の管理補助)「誰を指導したか」「どの業務を監督したか」が曖昧だと証明が弱くなる
企業側直接雇用(派遣モデルに寄せない)スキームを誤ると受入れ不可や是正対象になり、現場配置が崩れる
企業側分野運用(協議会・誓約・必要書類)書類不備は“差し戻し→再提出”で稼働開始が遅れる

この表だけで終わらせず、次章以降で「なぜその条件が置かれているのか」「現場でどう落とし込むか」「事故/違反リスクをどう抑えるか」を具体化していきます。


特定技能2号(外食)で任せられる業務範囲と、配属・責任の設計ポイント

外食2号を検討する企業が本当に知りたいのは、条件そのものよりも「結局、現場でどこまで任せられるのか」です。2号は“熟練技能”として位置付けられ、調理・接客に加えて、店舗運営に関わる管理業務まで視野に入ります。

ここでの落とし穴は、任せたい業務と、本人の実務経験(指導/監督)・日本語力・社内権限設計がズレることです。たとえば副店長相当としての役割を期待するなら、シフト作成補助、衛生管理の点検、OJT(アルバイトや後輩への指導)、クレーム一次対応の切り分けなど、現場の“判断を伴う”領域が増えます。

その分、事故・違反リスクの管理(労基、衛生、個人情報、ハラスメント、酒類提供のルール等)もセットで強化しないといけません。一次情報ベースで制度の枠を踏まえ、現場では「業務範囲を段階的に拡張」するのが安全です。

配属設計でよく使う“段階モデル”(例)

  • Phase 1:即戦力領域(調理・接客の標準オペレーション、レジ、清掃、食材管理の補助)
  • Phase 2:管理補助領域(新人OJT、衛生チェック、ピーク時の配置判断、発注補助)
  • Phase 3:準管理者領域(シフト/勤怠の一次確認、クレーム一次対応、教育計画の補助)

文章で補足すると、Phaseを分ける狙いは「最初から権限を広げない」ことではなく、在留審査・監査で説明できる職務設計にし、現場の事故率を下げることにあります。特に外食はピーク時の判断が事故に直結しやすいので、責任と権限(誰が最終決裁者か)を職務記述書に落とすだけで、現場の混乱をかなり抑えられます。


人材側の条件を深掘り(試験・日本語N3・実務経験2年)と“証明”の考え方

人材側の条件は3点セットですが、実務では「どの順番で満たすか」「どう証明するか」が勝負です。外食2号の試験はOTAFFが案内しており、企業マイページ経由での手続きや必要書類(実務経験に係る証明/誓約の提出が必須になる旨)が明記されています。

外食業特定技能2号技能測定試験:申込主体と“枠・日程”が稼働開始を決める

試験要件そのものは制度上の条件ですが、現場に効くのは運用面です。多くの企業で詰まるのは、「受験準備→申込→受験→結果→手続き」までのリードタイムを甘く見積もることです。特に繁忙期を挟む業態だと、教育時間(日本語・接客・衛生)の確保が難しくなり、結果として受験時期が後ろ倒しになります。OTAFF側の案内では、企業申込の可否や準備書類の例が整理されているため、まずは“自社が企業申込を使える条件か”を確認し、使えない場合の手段(会員区分や必要書類)まで含めて検討するのが現実的です。

現場で必要になりやすい準備(例)

  • 受験者情報の収集(表記揺れ防止、パスポート表記の統一)
  • 指導/監督実務の棚卸し(誰を、どの業務で、どの期間指導したか)
  • 受験対策(業務知識+衛生・安全の確認)
  • 受験日程の確保(シフト調整、移動、当日の代替要員)

この段階で「人事だけで完結しない」点が重要です。店長・SVが持っている実務情報を引き出せないと、証明が薄くなり、後工程(在留手続き)が遅れます。

日本語N3以上:コンプラと事故防止の“前提条件”として説明する

日本語N3以上は単なる語学条件ではなく、社内説明では**「安全衛生・労務・顧客対応のリスクコントロール」**として位置付けると通りやすくなります。外食現場では、アレルゲン・加熱不足・異物混入・転倒・火傷など、言語の行き違いが事故に直結します。N3を満たしていても“店舗の方言・略語・独自ルール”で事故が起きるため、就業開始後の教育(特に衛生とクレーム対応)もコストとして計上すべきです。制度解説でもN3が要件として整理されており、ここを曖昧にすると採用判断がぶれます。

実務経験2年(指導/監督+店舗管理補助)

外食2号の核心は証明は「役職名」ではなく「実態」で作るということです。OTAFFの国内試験案内では、営業許可を得た飲食店において、複数のアルバイト従業員等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する趣旨の説明と、指導等実務経験証明書/誓約書の提出が必要である旨が示されています。
実務で重要なのは、役職名(副店長など)よりも、以下の3点が揃っていることです。

  • 対象店舗:営業許可のある飲食店での経験か
  • 対象業務:指導/監督(OJT、配置指示、品質/衛生チェック)を含むか
  • 対象期間:2年を満たすか(空白期間の説明ができるか)

文章で補足すると、証明の弱点は「現場では当たり前」な行為が書類に落ちない点です。たとえば、ピーク時に新人を指導しながら回していたとしても、証明書に“新人指導”“監督”が書かれていなければ、外形上は単なる調理・接客に見えてしまいます。人事・法務/コンプラが安心できる形にするなら、職務内容を箇条書きで具体化し、誰が証明責任者か(店長・法人代表等)も明確にしておくのが定石です。


企業側の条件とコンプライアンス

企業側の条件は、在留審査だけでなく、監査・労務トラブル・炎上リスクにも直結します。特定技能は“受入れ分野ごとの運用”があるため、外食分野のルールを満たさない状態で走り出すと、後から是正が必要になり、結果として稼働開始が遅れます。一次情報としては、出入国在留管理庁の外食分野ページと、農水省の外食分野資料を併読し、制度の前提を社内で共通言語化するのが安全です。

「直接雇用」前提でスキームを組む

現場都合でよく出るのが「繁忙店だけに一時的に入れたい」「本部で雇って店舗へ回したい」といった発想です。しかし、特定技能の運用は“直接雇用”を前提とした整理が基本で、外形が派遣に近い運用はコンプラ上の説明が難しくなります。OTAFFの企業申込案内でも、企業申込を利用できる企業の考え方(直接雇用の企業であること等)が示されており、まずは受入れ主体を明確にしましょう。

社内で押さえるべき論点(例)

  • 雇用主は誰か(本部/店舗/グループ会社)
  • 就業場所の特定(店舗が増減する場合の扱い)
  • 業務指揮命令系統(誰が評価・懲戒・労務管理するか)

ここを曖昧にすると、法務/コンプラのレビューが止まり、稼働開始が遅れがちです。

協議会・誓約・書類の整合:差し戻しを防ぐ“最小セット”を先に揃える

外食分野では、協議会や誓約、各種様式が絡みます。実務では「候補者が決まってから書類を集める」より、“受入れの型”を作ってから候補者を当てはめる方が速いです。農水省資料やOTAFF案内に沿って、最低限の書類セット(どの書類が必須か、誰が作成・保管するか、更新頻度)を先に決めると、担当者が変わっても事故りにくくなります。


手続きフロー(1号→2号移行 / 2号人材の採用)と稼働開始までのスケジュール設計

現場が気にする「いつから働けるか」は、ケースで大きく変わります。特定技能2号の外食で代表的なのは、(A) すでに1号で就労している人材を2号へ移行する、(B) 2号要件を満たす人材を採用する、の2パターンです。どちらでも共通するのは、試験・証明・在留手続き・受入れ体制が直列につながっており、どこかが詰まると全体が遅れる点です。OTAFFの試験日程や企業手続きの案内を見ながら、繁忙期・採用計画・教育計画を同じ表で管理するのが現場向きです。

稼働開始を遅らせないための“工程表”(例)

  1. 要件判定(人材条件/企業条件)
  2. 実務経験の棚卸し→証明書類の骨子作成
  3. 試験申込・受験(必要に応じて対策)
  4. 合格後の在留手続き準備(雇用契約、職務内容、体制)
  5. 配属前教育(安全衛生、接客、労務ルール)
  6. 配属→定着フォロー(相談窓口、面談、トラブル一次対応)

文章で補足すると、(A)移行は“現場情報が揃いやすい”反面、実務経験の証明が店舗任せになりやすく、書類品質がばらつきます。(B)採用は“書類を最初から設計しやすい”反面、受験・渡航・住居などの立ち上げが重くなりがちです。どちらでも、社内の分業(人事・現場・法務/コンプラ)と期限を決めておくと、差し戻しの確率が下がります。

なお、受入れ後の生活立ち上げ(住居、通信、金融、日常相談)がボトルネックになるケースも多く、採用担当だけで抱えると現場稼働に影響します。そうした場合は、GTNの受入れ支援の枠組み(採用から生活定着までの支援)を参照し、外部リソースを使う判断も現実的です。
https://www.gtn.co.jp/business/acceptance/for-companies


コストとリスクを見積もる(教育・支援・違反/事故の予防)——“安く見える採用”を避ける

外食2号は「長期雇用で回収できる投資」にしやすい一方、初期の見積が甘いと現場が疲弊します。コストは大きく分けると、(1)採用・手続き、(2)教育(日本語・衛生・接客・管理補助)、(3)定着支援(相談・面談・生活)です。特に(2)と(3)は数字にしづらく、結果として「店舗が抱え込む」形になりがちです。ここで事故/違反が起きると、本人の離職だけでなく、店舗運営・ブランドにも影響が出ます。したがって、社内説明では“違反を起こさない設計=コスト削減”として整理するのが通りやすいです。

見積の粒度(例)

  • 教育:初月はOJT負荷が上がる(ピーク時間帯の配置を厚くする必要)
  • 定着:生活課題(住居・契約・医療・税)への相談窓口が必要
  • コンプラ:就業規則の多言語説明、ハラスメント窓口の整備、個人情報の取り扱い

文章で補足すると、外食は“現場裁量が大きい”業態なので、制度要件を満たして採用できても、定着設計が弱いと成果が出ません。GTNは外国人材の採用から定着までの支援(行政手続き支援や定期面談等)を掲げているため、社内リソースが薄い場合は外部化で平準化する選択肢になります。
https://www.gtn.co.jp/business/acceptance/talent-support


つまずきやすい典型パターンと対策(差し戻し・配属ミスマッチ・現場事故)

最後に、現場で起きがちな失敗を“予防”の観点でまとめます。ここまでの内容を読んでも、実務では「忙しくて後回し」になりがちなポイントが残ります。よくあるのは、(1)実務経験の証明が弱くて再提出、(2)配属後に任せすぎて事故・クレームが増える、(3)生活課題が積み重なって離職、の3つです。

典型パターンと対策

  • 証明が弱い:役職名だけで説明してしまう
    • 対策:指導対象(人数・属性)と監督内容(具体業務)を箇条書き化し、店舗側責任者の記録を残す
  • 配属ミスマッチ:最初から“準管理者”として回してしまう
    • 対策:段階モデル(Phase 1→3)で権限を広げ、最終決裁者を固定する
  • 生活ボトルネック:住居・契約・相談が店舗に集中
    • 対策:外部窓口を用意し、現場の対応時間を削る(受入れ支援の活用)

文章で補足すると、これらは「本人の資質」というより、受入れ側の設計不足で起きるケースが多いです。逆に言えば、制度要件と現場運用を1枚の設計図に落とせれば、外食2号は店長候補育成のルートとして機能しやすくなります。


よくある質問(FAQ)

Q1. 「副店長」などの役職名がないと、実務経験2年を証明できませんか?

役職名があると説明は楽ですが、実務上は役職名より“実態(指導/監督+店舗管理補助)”が説明できるかが重要です。OTAFFの案内では、複数のアルバイト従業員等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する趣旨が示され、証明書類(指導等実務経験証明書または誓約書)の提出が必須とされています。したがって、役職名がなくても、誰をどう指導し、どの管理業務を補助し、どれだけの期間行ったかを具体化できれば、説明の筋は通ります。

Q2. 受験申込は本人ができますか?会社側での手続きが必要ですか?

運用は時期や枠組みにより変動し得ますが、OTAFF側の案内では企業マイページを前提とした受験者登録・申込フローが示されており、企業側が主体となって手続きを進める場面が多いです。社内では「受験者情報の回収」「書類準備」「受験日のシフト確保」を含めて人事と現場の役割分担を決めておくと、後工程が詰まりにくくなります。

Q3. 稼働開始時期は、何が一番ボトルネックになりますか?

最も多いボトルネックは、実務経験2年の証明(内容の具体性)と、試験日程(枠・受験機会)です。ここが遅れると、在留手続きの準備に入れず、結果として配属計画が崩れます。繁忙期を跨ぐ外食では、教育と受験準備の時間が取れずに後ろ倒しになりやすいので、採用計画と同じ粒度で試験・証明・手続きを工程管理するのが安全です。

まとめ

担当者の方の中で不安が出るポイントは、(1)書類の整合(証明の作り込み)、(2)受入れ後の生活立ち上げ、(3)定着フォローの体制、に集中します。まずは自社の状況(店舗数、雇用主、配属想定、候補者の経験)を棚卸しし、外部支援を使うなら「在留手続き+生活支援+定着」のどこまでを委託するかを決めるとスムーズです。GTNの受入れ支援サービスは、採用から生活定着までの支援を掲げているため、社内リソースに応じて相談の入口にできます。

一次情報は、出入国在留管理庁の分野ページと、農林水産省が公表する外食分野資料、試験実施団体OTAFFの案内が実務上の拠り所です。

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