台湾人を採用する際の在留資格とは?取得条件・手続き・注意点を解説
台湾は日本との関係が深く、日本語学習者も多いため、採用候補として注目されやすい国・地域のひとつです。IT・サービス・営業・通訳など、さまざまな分野で活躍する人材も増えています。
この記事では、台湾人が取得できる主な在留資格、申請手続き、採用するメリット、企業が注意したいポイントまで解説します。
Contents
台湾人の採用で在留資格の確認が重要な理由

外国人採用では、スキルや語学力だけでなく、在留資格の確認が欠かせません。採用前に確認不足があると、入社予定日に勤務できない、予定していた業務を任せられない、といったトラブルにつながることもあります。
ここでは、台湾人採用で在留資格の確認が必要な理由を見ていきましょう。
在留資格によって働ける仕事内容が異なる
在留資格ごとに認められている活動内容は異なります。台湾人採用で多い「技術・人文知識・国際業務」は、営業、通訳、エンジニア、マーケティングなど、専門性を活かす仕事が中心です。
単純作業のみを任せることは難しいケースもあるため、採用予定の職種と在留資格が合っているか確認しましょう。
雇用後も更新・変更手続きが必要になる場合がある
在留資格には期限があります。期限満了後も働き続ける場合は、更新手続きが必要です。
また、転職や異動で仕事内容が変わる場合には、在留資格変更が必要になるケースもあります。採用時だけでなく、入社後も継続して確認する体制が求められます。
不法就労助長罪など企業側のリスクもある
就労できない在留資格の人を雇用したり、許可された範囲を超えて働かせたりすると、企業側が不法就労助長罪に問われる可能性があります。
外国人採用を進める企業ほど、在留カード確認や期限管理、業務内容との整合性チェックを仕組み化しておくことが重要です。
台湾人を採用するメリットとは

台湾人材は、日本企業との相性の良さや高い適応力から、多くの企業に注目され、人手不足への対応だけでなく、組織の多様化や海外展開につながる採用としても期待されています。
ここでは、台湾人を採用する主なメリットを見ていきましょう。
親日的で日本文化への理解が深い人材が多い
台湾は日本との交流が深く、日本文化に親しみを持つ人が多いといわれています。日本の生活習慣やマナー、商品・サービスへの理解がある人材も多く、入社後のギャップが比較的小さくなりやすい点は企業にとってメリットです。
日本企業の働き方や接客文化にもなじみやすく、受け入れが進めやすい傾向があります。
日本語学習者が多くコミュニケーションが取りやすい
台湾では日本語学習者が多く、日本語を使って仕事ができる人材も少なくありません。採用時点で一定の日本語力があれば、教育コストを抑えながら早期活躍を期待しやすくなります。
社内コミュニケーションや顧客対応でも強みを発揮しやすく、現場への定着にもつながります。
IT・製造・サービス業など幅広い分野で活躍が期待できる
台湾にはIT産業や製造業が発達している背景があり、エンジニア職や技術職の人材にも期待できます。また、観光・接客・営業など、人と接する仕事で活躍する人材も多く、採用ニーズに合わせて幅広い職種で検討しやすい点も魅力です。
専門職からサービス職まで、さまざまなポジションで採用の可能性があります。
海外展開・中華圏ビジネスにもつながる
台湾人材の採用は、人材確保だけでなく、将来的な海外展開にも役立ちます。台湾市場への進出や、中華圏の顧客対応、越境ECなどを視野に入れる企業にとっては、言語・文化理解のある人材は大きな強みになります。
国内採用にとどまらず、事業成長につながる戦略的な採用として考える企業も増えています。
【一覧】台湾人が取得できる主な在留資格

台湾人だけが特別に取得できる在留資格があるわけではなく、他の外国籍の方と同じく、活動内容や取得条件に応じて在留資格を申請します。企業が台湾人を採用する際は、どの在留資格で雇用するのかを見極めることが大切です。
ここでは、台湾人採用でよく使われる主な在留資格を紹介します。
| 在留資格 | 主な対象者 | 主な仕事内容・目的 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 大学卒業者、専門職人材 | 営業、通訳、IT、経理、マーケティングなど |
| 特定技能 | 特定分野で技能試験などに合格 技能試験合格者など | 人手不足分野での就労 |
| 留学 | 日本の教育機関で学習する者 | 日本の学校で学ぶ |
| 家族滞在 | 在留外国人の配偶者・子 | 5日本での生活(条件付き就労可) |
| 定住者・永住者 | 要件該当者 | 就労制限なし |
技術・人文知識・国際業務
台湾人を中途採用・新卒採用する際に、最も活用されやすい就労系在留資格のひとつです。通訳、営業、エンジニア、デザイナー、マーケティング、経理など、専門知識を活かす業務が対象となります。
一般的には、大学卒業や実務経験などが取得条件となります。採用予定の業務内容と本人の学歴・職歴との関連性も重要なポイントです。
特定技能
深刻な人手不足が続く業界向けに設けられた在留資格です。外食、介護、宿泊、建設、製造業など、対象分野で働くことができます。
技能試験や日本語試験への合格が必要な場合が多く、採用企業には生活支援や各種サポート体制も求められます。
留学(卒業後に就職へ切替)
日本の大学・専門学校・日本語学校などに通う台湾人留学生も、有力な採用候補です。卒業後に就職先が決まれば、「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格へ変更できるケースがあります。
すでに日本で生活している人材のため、定着しやすい点も魅力です。
台湾人留学生の多くが卒業後に日本での就職を希望しており、優秀な人材の供給源となっています。
家族滞在
就労系在留資格で日本に住む外国人の配偶者や子どもが取得できる在留資格です。原則として就労はできませんが、資格外活動許可を得れば週28時間以内で働くことができます。
パート・アルバイト採用を検討する企業では確認しておきたい在留資格です。
定住者・永住者
定住者や永住者は、就労制限がありません。職種の制限も少なく、日本人採用に近い形で雇用しやすい在留資格といえます。
長期的な雇用を前提に採用したい企業にとっては、採用しやすい人材層のひとつです。
台湾人が在留資格を取得する手続きの流れ

台湾人を採用する際は、応募者が海外在住なのか、すでに日本に在留しているのかによって手続きが変わります。採用決定後に準備を始めると、入社時期が遅れることもあるため、早めの確認が大切です。
ここでは、台湾人が在留資格を取得・変更する主な手続きの流れを紹介します。
海外から採用する場合|在留資格認定証明書を申請
台湾在住の人材を採用する場合は、一般的に「在留資格認定証明書交付申請」を行います。企業側または行政書士などの代理人が、地方出入国在留管理局へ申請する流れです。
交付後、本人が現地で査証(ビザ)手続きを進め、日本へ入国します。審査には時間がかかることもあるため、入社予定日から逆算して準備を進めましょう。
日本国内の台湾人を採用する場合|在留資格変更許可申請
すでに日本にいる台湾人留学生や転職希望者を採用する場合は、「在留資格変更許可申請」が必要になるケースがあります。
たとえば、留学から就労ビザへ切り替える場合や、現在の在留資格では新しい業務内容に合わない場合などです。採用内定後は、早めに在留資格の確認を行うことが重要です。
更新が必要な場合|在留期間更新許可申請
在留資格には期限があります。継続して雇用する場合は、在留期間満了前に更新手続きを行わなければなりません。
更新時には、現在の勤務状況や会社の継続性、納税状況などが確認されることがあります。期限管理を本人任せにせず、企業側でも把握しておくと安心です。
申請時に必要となる主な書類
申請内容によって異なりますが、一般的には以下のような書類が必要です。
- 雇用契約書または採用通知書
- 会社概要資料
- 登記事項証明書
- 決算書類
- 本人の卒業証明書・職務経歴書
- パスポート・在留カード(国内在住者の場合)
書類不備があると審査が長引くこともあるため、事前に最新情報を確認しながら準備を進めましょう。
台湾人採用で企業が注意したいポイント

台湾人材の採用を進める際は、内定や入社手続きだけでなく、雇用後も見据えた対応が重要です。在留資格の確認不足や受け入れ体制の未整備があると、早期離職や法務リスクにつながることもあります。
ここでは、企業が押さえておきたい注意点を見ていきましょう。
業務内容と在留資格が一致しているか確認する
採用時にまず確認したいのが、実際に担当してもらう仕事と在留資格の内容が合っているかどうかです。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」で採用したにもかかわらず、専門性と関係のない単純作業のみを任せると、在留資格との不一致になる可能性があります。採用後の配置も含めて確認しておくことが大切です。
在留期限を管理し更新漏れを防ぐ
在留資格には期限があるため、継続雇用する場合は更新手続きが必要です。期限切れのまま就労すると、本人だけでなく企業側にもリスクが生じます。
在留カードの期限を人事部門で管理し、更新時期が近づいたら本人へ案内するなど、社内ルールを整えておくと安心です。
日本人と同等以上の給与水準にする
多くの就労系在留資格では、日本人と同等以上の報酬水準であることが求められます。外国人だからといって低い給与設定にすると、在留資格審査や雇用管理の面で問題になる可能性があります。
採用時は、同職種・同レベルの日本人社員とのバランスも意識して条件設定を行いましょう。
言語・文化の違いを前提に受け入れ体制を整える
台湾人材は日本文化への理解が深い人も多い一方で、働き方やコミュニケーションの感覚には違いがあります。
業務指示を明確に伝える、相談しやすい環境をつくる、評価基準を言語化するなど、小さな工夫が定着率向上につながります。採用して終わりではなく、活躍できる環境づくりまで意識することが大切です。
まとめ
台湾人を採用する際は、仕事内容に合った在留資格の確認と、適切な手続きが欠かせません。台湾人材は日本との親和性が高く、日本語力や専門性を活かして幅広い分野で活躍が期待できます。
台湾人採用を成功させるには、在留資格の確認から採用後の管理まで一貫した対応が重要です。制度面に不安がある場合は、外国人採用支援に強い企業へ相談しながら進めると安心でしょう。