【2026年版】特定技能のトラックドライバーの最新情報まとめ!制度の全容から採用・受入れの実務までご紹介
物流業界のドライバー不足が深刻化するなか、2024年3月に特定技能制度の対象分野に「自動車運送業」が追加されました。2025年3月からはCBT方式による評価試験の個人申込も始まり、外国人トラックドライバーの受入れがいよいよ本格化しています。
ヤマト運輸がベトナム人大型ドライバーを年間100名規模で採用する計画を発表し、グループ傘下のナカノ商会では2026年2月にベトナム人中型ドライバー3名が入社。さらに西濃運輸では2026年3月、ベトナム人ドライバーが大型トラックでの単独乗務を開始するなど、大手各社の動きが一気に加速しています。
本記事では、特定技能トラックドライバー制度の仕組みから、外国人ドライバーの要件、受入れ企業が満たすべき条件、大手物流企業の先行事例、採用から稼働までの実務フローまで、現場の担当者が社内説明に使える精度で網羅的に解説します。
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特定技能「自動車運送業」が追加された背景と制度の概要

日本の物流業界は、かつてない規模の人手不足に直面しています。国土交通省の推計によると、自動車運送業全体では2024年度からの5年間で約28万8,000人の人手不足が見込まれています。とりわけトラック運送業では、5年後の必要就業者数が約117万7,000人と想定される一方、約19万9,000人もの人材が不足するとの試算が公表されています。自動車運送業全体の有効求人倍率は2.61倍(2022年度)に達しており、求人を出しても応募が集まらない状況が常態化しています。
こうした構造的な問題に拍車をかけたのが、2024年4月施行の「物流2024年問題」です。ドライバーの時間外労働に年間960時間の上限規制が適用され、1人あたりの輸送量が制限されたことで、さらに多くのドライバーが必要になりました。大型トラックドライバーの平均年齢は50.9歳と全産業平均より6.8歳も高く、高齢化による退職ラッシュも迫っています。
このような背景のもと、政府は2024年3月29日の閣議決定により、在留資格「特定技能1号」の対象分野に自動車運送業を含む4分野を追加しました。特定技能制度は、DX化や国内人材の確保策を講じてもなお人材が確保できない分野に限り、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れる仕組みです。自動車運送業全体での受入れ上限数は5年間で最大2万4,500人。トラック、バス、タクシーの案分でトラック分野は約1万7,000人程度と見込まれています。
特定技能1号の在留期間は通算で最長5年間(1年ごとに更新)であり、家族の帯同は原則として認められません。現時点では自動車運送業は特定技能2号の対象外であるため、5年を超える長期雇用を前提とした制度設計には注意が必要です。ただし、将来的に2号の対象分野に追加される可能性は政府内でも議論されています。
外国人トラックドライバーが従事できる業務と日本語・技能要件
特定技能の在留資格を持つ外国人トラックドライバーは、日本人ドライバーと同様に幅広い業務に従事できます。具体的な業務範囲は、荷物の運搬を主とする運行業務に加え、出発前・到着後の車両点検、荷物の積み下ろしや固定、運行記録の作成・管理、安全確認と報告業務などを含みます。単なる補助要員ではなく、現場の即戦力として一人前のドライバー業務を担える点が大きな特徴です。
対象国と日本語能力要件
2025年9月時点で特定技能制度の対象となるのは、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、カンボジア、ネパール、モンゴル、スリランカ、タイ、パキスタン、バングラデシュ、ウズベキスタン、ラオス、キルギス、トルクメニスタン、アフガニスタンの16か国です。なかでもベトナム人材は、海外就労を希望する若い世代が多く、日本語教育のインフラも整備されていることから、トラックドライバー分野でも中心的な送出し国となっています。
トラック分野の日本語能力要件はJLPT N4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト合格)です。バス・タクシー分野が当初N3を求めていたのに対し、トラックは対面接客の頻度が相対的に低いことからN4水準に設定されました。なお、バス・タクシー分野については2025年6月にN4への緩和案が提示されています。
技能評価試験の概要
特定技能1号評価試験(トラック)は、自動車運送業に必要な知識と技能を問う試験で、CBT(コンピュータ方式)で受験できます。受験要件は試験日時点で満17歳以上であること。2025年3月からCBT方式による個人申込が開始され、日本国内のほか、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ネパールなど16か国で受験が可能です。試験内容は、日本の道路交通法の基礎知識、貨物の積載・固定方法、車両の日常点検、運行記録の管理といった実務的な内容が中心です。
運転免許の取得ルート
トラックドライバーとして就労するには、当然ながら日本の自動車運転免許が必要です。トラック分野では第一種運転免許(中型または大型)を取得しなければなりません。
海外で運転免許を持つ外国人が日本の免許を取得する主な方法は「外免切替」と呼ばれる制度です。母国で取得した免許をもとに、知識確認と技能確認を経て日本の免許に切り替えます。2025年10月からは外免切替の要件が厳格化され、住民票の提出が必須となりました。短期滞在ビザでの免許取得はできなくなっています。
海外から来日する場合は、まず「特定活動」の在留資格(トラック分野は最長6か月)で入国し、この期間中に外免切替等で日本の運転免許を取得します。母国で大型免許を持っていても、まず日本の普通免許に切り替えてから大型免許にステップアップする流れとなります。なお、特定活動期間中に免許を取得できなかった場合、特定技能への在留資格変更はできず、期間の延長も認められません。
受入れ企業が満たすべき3つの条件と認証制度
外国人トラックドライバーを特定技能で受け入れるためには、企業側にも明確な要件が課されています。安全な運行体制と適正な労働環境が確保されていることを証明する仕組みが設けられており、参入障壁は決して低くありません。ここでは、受入れ企業が満たすべき3つの主要条件と、それを裏付ける認証制度について詳しく解説します。
「働きやすい職場認証」またはGマークの取得
トラック事業者が特定技能外国人を受け入れるには、「働きやすい職場認証制度」(正式名称:運転者職場環境良好度認証制度)の認証取得、または「Gマーク」(貨物自動車安全性優良事業所認定)の保有が必要です。どちらか一方を取得していれば要件を満たせます。
働きやすい職場認証制度は、国土交通省が創設し、日本海事協会(ClassNK)が運営する認証制度です。法令遵守、労働時間・休日、心身の健康、安心・安定、多様な人材の確保・育成、自主性・先進性の6分野について審査されます。認証は一つ星から三つ星までの3段階があり、一つ星から申請する必要があります。運送事業許可取得後3年以上の実績が前提条件で、審査料は電子申請の場合3万円(税別)に営業所ごとの加算があります。有効期間は2年間で、定期的な更新が必要です。
一方のGマーク制度は、全日本トラック協会が認定する安全性評価の仕組みで、法令遵守状況、事故・違反の状況、安全への積極的な取組みの3要素で評価されます。こちらは貨物自動車運送事業者のみが対象です。Gマークは事業所単位での認定ですが、同法人内であれば、受入れ事業所とは別の事業所で保有している場合でも要件を満たせます。申請は年1回(7月)のみなので、タイミングを逃さないよう注意が必要です。
| 認証制度 | 運営主体 | 対象 | 審査内容 | 有効期間 |
|---|---|---|---|---|
| 働きやすい職場認証 | 日本海事協会(ClassNK) | トラック・バス・タクシー事業者 | 職場環境6分野の取組み | 2年間 |
| Gマーク | 全日本トラック協会 | 貨物自動車運送事業者のみ | 安全性の3要素評価 | 初回2年、以降段階的に延長 |
協議会への加入と事業許可
受入れ企業は、在留資格の申請を行うまでに「自動車運送業分野特定技能協議会」の構成員となる必要があります。協議会は国土交通省が設置する組織で、2025年1月17日から加入受付が開始されています。申請は国土交通省のウェブサイトからフォームを通じて行いますが、事務局の内容確認に1か月程度を要するため、余裕を持った申請が求められます。
また、トラック運送業で受け入れるには「一般貨物自動車運送事業」の許可を受けている正規の運送事業者であることが前提です。日本標準産業分類で「44道路貨物運送業」に該当する事業者が対象であり、自社の白ナンバートラックによる輸送は制度の対象外です。
ヤマト運輸・西濃運輸の先行事例に学ぶ採用戦略
特定技能トラックドライバーの受入れにおいて、大手物流企業がすでに先行的な取組みを進めています。とりわけヤマト運輸グループと西濃運輸の事例は、これから採用を検討する企業にとって貴重な参考モデルとなるでしょう。各社の戦略には明確な違いがあり、自社の規模や状況に応じた採用アプローチのヒントが得られます。
ヤマト運輸:年間100名・500名規模の長期育成モデル
ヤマト運輸は2025年11月、ベトナムのIT大手FPTグループ傘下のFPTジャパンと基本合意書を締結し、ベトナム人大型トラックドライバーの採用・育成に関する包括的な協業を発表しました。計画の規模は2027年から5年間で年間100名、総計最大500名の受入れを目指すものです。
この計画の特徴は、約1年半にわたる段階的な育成プログラムです。ベトナム現地のFPT教育機関で半年間、日本語(N4レベル)や安全学習を受講。その後、日本で1年間かけてN3レベルまで引き上げつつ、外免切替で大型自動車第一種免許を取得します。2027年の入社後は拠点間の幹線輸送を担う想定です。対象は宅配ではなく、大型・長距離・夜間中心の幹線輸送で、固定ルートによる業務標準化が可能な領域を外国人材で補完する狙いがあります。
ナカノ商会:ヤマトグループ初の外国人ドライバー採用を実現
ヤマト運輸が未経験者の長期育成型スキームを構築する一方、グループ傘下のナカノ商会は「経験者の即戦力採用」で先行しました。ナカノ商会は2026年2月2日、20代から30代のベトナム人3名を「特定技能1号」の中型トラックドライバー候補者として採用し、入社式を実施。ヤマトグループとして初めての特定技能外国人ドライバー採用事例となりました。3名は2026年6月から神奈川県の厚木営業所で企業間輸送を担う中型トラックドライバーとして乗務を開始する予定です。
注目すべきは、採用された3名全員が日本での技能実習経験者である点です。ヤマトHDの公式プレスリリースによると、29歳のファットさんは製造業で約3年間の技能実習を経験。37歳のトゥエンさんはベトナムでトラック管理や自動車修理に従事した後、技能実習でドライバーのサポート業務を経験しています。34歳のタインさんは自動車部品の鋳造で3年間の技能実習を修了し、ベトナムでのトラック運転経験も持ちます。タインさんは「将来的には運行管理者資格の取得にも挑戦したい」と語っており、管理職候補としての成長も期待されています。
ナカノ商会の育成体制も周到です。入社前にはベトナムの日本語学校と連携した語学研修と、中型トラック運転免許(日本の中型免許に相当するC免許)の取得支援を実施。月1回のオンライン面談でベトナム人社員が不安を解消する体制も整えました。入社後は外免切替の講習、日本人ドライバーへの同乗実習を段階的に行います。受入れ先の厚木営業所の日本人社員にも在留資格や文化の違いに関する研修を事前実施し、現場の協力体制を構築しています。
ナカノ商会はこれまで11か国の外国人を雇用してきた実績があり、約40名が倉庫や管理部門で活躍中。こうした多文化共生のノウハウが特定技能ドライバーの受入れにも活かされています。今後はインドネシアやカンボジアからの採用も検討しています。
西濃運輸:業界をリードする単独乗務の実現
西濃運輸は2026年3月25日、外国人特定技能人材が同社初の「路線乗務社員」として大型トラックの単独乗務を開始したと発表しました。単独乗務を開始したのはベトナム出身のドライバーで、もう1名のベトナム出身者とともに2025年秋に入社。近江営業所(滋賀県)と名古屋支店にそれぞれ配属され、幹線輸送トラックへの横乗り研修、安全教育、業務知識研修、日本語コミュニケーション研修を段階的に受けました。社内基準をクリアした近江営業所のドライバーが単独乗務を実現しています。
西濃運輸では2026年4月にインドやネパール出身の7名の入社も予定しており、ベトナムに限定しない多国籍採用を推進している点も特筆されます。
3社の戦略比較
| 項目 | ヤマト運輸(本体) | ナカノ商会(ヤマトグループ) | 西濃運輸 |
|---|---|---|---|
| 採用規模 | 年100名×5年(最大500名) | まず3名+内定20名 | 2名+7名(段階拡大) |
| 対象車種 | 大型トラック | 中型トラック | 大型トラック |
| 育成期間 | 約1.5年(海外半年+国内1年) | 約1年(海外研修+国内OJT) | 約半年(国内OJT中心) |
| 採用対象 | 未経験者を現地で育成 | 技能実習経験者(即戦力) | 日本就労経験者 |
| 採用国 | ベトナム | ベトナム(将来はインドネシア等) | ベトナム・インド・ネパール |
| 現在のステータス | 2026年特別クラス開講 | 2026年6月乗務開始予定 | 2026年3月単独乗務開始済 |
海外からの採用フロー:来日前から稼働開始までのステップ
外国人トラックドライバーの採用は、通常の国内採用とはプロセスが大きく異なります。在留資格の取得から免許の切替、各種研修まで多くのステップがあり、採用決定から稼働開始まで半年から1年以上かかることも珍しくありません。海外在住の外国人を採用する場合の標準的な流れを整理します。
まず受入れ企業側の事前準備として、「働きやすい職場認証」またはGマークの取得、特定技能協議会への加入が必要です。これらを並行して進めつつ、求人内容の確定と候補者の選定に入ります。採用面接はオンラインで実施する企業が多く、人材紹介会社や登録支援機関と連携して候補者を絞り込みます。ナカノ商会の事例では、人材紹介と生活支援について専門の登録支援機関と契約し、採用・育成・生活支援を共同で行う体制を構築しています。
内定後は雇用契約書を締結し、事前ガイダンスを実施します。入管への申請は、まず「特定活動」(特定自動車運送業準備)の在留資格認定証明書(COE)交付を申請します。この申請は2025年7月時点で窓口受付のみ(オンライン非対応)である点に注意してください。COEが交付されたら、候補者は母国の日本大使館で査証(ビザ)を取得し、来日します。
来日後は特定活動の在留資格で滞在しながら、住居の確保、住民登録、携帯電話の契約といった生活基盤の整備を進めます。同時に外免切替による日本の運転免許取得、初任運転者研修、日本語研修を実施。トラック分野の特定活動期間は最長6か月で、この間に免許を取得できなければ特定技能への移行はできません。
免許取得と各種研修が完了し、単独乗務が可能なレベルに達したら、在留資格を「特定活動」から「特定技能1号」へ変更する申請を行います。この申請は窓口とオンラインの両方に対応しています。許可が下り、新しい在留カードが発行されれば、正式にトラックドライバーとしての就労が可能になります。
| ステップ | 内容 | 所要期間の目安 |
|---|---|---|
| 事前準備 | 認証取得・協議会加入・求人確定 | 1~3か月 |
| 採用・内定 | 面接・雇用契約・事前ガイダンス | 1~2か月 |
| 在留資格申請 | 特定活動のCOE交付申請 | 1~2か月 |
| 来日・準備活動 | 生活立ち上げ・外免切替・研修 | 3~6か月 |
| 特定技能への変更 | 在留資格変更許可申請 | 1~2か月 |
全体のリードタイムとしては、早くても半年、一般的には8か月~1年程度を見込むのが現実的です。特に初めて外国人を採用する企業では、社内体制の構築に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。
ベトナム人ドライバーが注目される理由と受入れ時の留意点
特定技能トラックドライバーの採用において、ベトナム人材が最も注目を集めています。ヤマト運輸、ナカノ商会、西濃運輸の先行事例すべてにベトナム人が含まれているのは偶然ではなく、制度的・実務的な背景があります。
ベトナムでは海外就労を希望する若年層が年々増加しており、日本は主要な渡航先のひとつです。日本語教育機関のインフラが充実しており、特定技能に対応した試験対策や事前教育を効率的に行える環境があります。技能実習経験者も多く、日本の労働文化への基礎的な理解がある点もメリットです。ナカノ商会で採用された3名は全員が技能実習経験者であり、スムーズな受入れと早期戦力化につながっています。
加えて、ベトナムでは自動車免許の保有者層も厚く、外免切替での日本免許取得という実務面でのハードルが相対的に低いとされています。ヤマト運輸がFPTグループとの連携を選んだのも、ベトナム国内での教育・募集基盤を活かせるからこそです。
一方で、N4レベルの日本語力では配送先での対応や積荷の日本語表記への理解に不安が残ります。企業調査でも半数以上が「日本語コミュニケーションに不安がある」と回答しており、入社後の継続的な日本語教育が安全運行と定着の鍵を握ります。ナカノ商会のようにベトナム人社員が生活面をサポートする体制があると、候補者の不安解消に効果的です。
西濃運輸はインドやネパール出身者の採用も進めており、ナカノ商会もインドネシアやカンボジアからの採用を検討中です。送出し国の多角化は業界トレンドであり、リスク分散の観点からも複数国からの採用チャネル構築を視野に入れておくとよいでしょう。
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コストとリスク管理:受入れ企業が押さえるべきポイント
特定技能トラックドライバーの受入れは、人材確保の有力な手段である一方、コスト構造やリスク管理の面で事前に検討すべき要素が多くあります。社内稟議や経営判断に必要な情報をここで整理します。
受入れにかかる主なコスト項目は、人材紹介手数料、行政書士費用、渡航費、住居確保費用、運転免許取得費用(外免切替または教習所)、初任運転者研修費用、登録支援機関への委託費用などです。免許取得費用は外免切替と教習所で大きく異なり、大型免許を一から取得する場合は30万円以上かかることもあります。企業負担か本人負担かの整理が必要で、賃金に含めて補填する方法も制度上認められています。
処遇面では、特定技能1号の外国人材には日本人の正社員と同等以上の報酬が法的に義務付けられています。賃金だけでなく、賞与や各種手当、教育機会、福利厚生についても国籍を理由とした不利益な取扱いは認められません。ヤマト運輸の事例が示すように、安価な労働力としての活用ではなく、育成コストを先行投資として捉える姿勢が求められます。
リスク管理の面では、以下の点に留意すべきです。まず、特定活動期間中に免許を取得できなかった場合、その人材は特定技能へ移行できず、採用計画が白紙になるリスクがあります。また、5年間の在留期間が上限であるため、育成投資を回収するための計画的なキャリアプランの設計が求められます。交通事故や法令違反のリスクについては、初任運転者研修の徹底に加え、西濃運輸のように日本人ドライバーとの横乗り研修期間を十分に確保し、社内基準をクリアしてから単独乗務に移行する段階的なアプローチが有効です。
さらに、認証の期限管理も見落とせません。働きやすい職場認証は2年ごと、Gマークも定期的な更新が必要であり、認証が失効すると特定技能外国人の受入れ要件を満たせなくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 特定技能のトラックドライバーは、いつから受入れできるようになりましたか?
A. 2024年3月29日の閣議決定で自動車運送業が特定技能の対象分野に追加され、2025年3月から技能評価試験のCBT方式による個人申込が開始されました。企業側の認証取得と協議会加入を済ませれば、受入れが可能な状態です。
Q. トラック分野の日本語要件はN4ですか、N3ですか?
A. トラック分野はN4以上(または国際交流基金日本語基礎テスト合格)です。バス・タクシー分野は当初N3でしたが、N4への緩和が検討されています。トラック分野のN4要件は従来どおり変更ありません。
Q. 受入れに必要な認証は「働きやすい職場認証」とGマークのどちらが良いですか?
A. どちらか一方を取得していれば要件を満たせます。Gマークはトラック事業者専用で安全性を評価する制度、働きやすい職場認証は職場環境を評価する制度です。すでにGマークを保有している事業所はそのまま活用でき、未取得の場合は申請時期や審査内容を比較して選択してください。
Q. 外国人ドライバーの給与は日本人より低く設定できますか?
A. いいえ。特定技能の制度上、同じ業務に従事する日本人と同等以上の報酬が義務付けられています。賃金だけでなく、賞与や手当なども含めて、国籍を理由とした不利な扱いは認められません。
Q. 大手企業で実際に外国人ドライバーが乗務を開始した事例はありますか?
A. はい。2026年3月に西濃運輸でベトナム人ドライバーが大型トラックの単独乗務を開始しました。ヤマトグループのナカノ商会でも2026年2月にベトナム人3名が入社し、2026年6月からの中型トラック乗務開始を目指して研修中です。
Q. 採用から実際に乗務開始するまでの期間はどのくらいですか?
A. 海外在住の外国人を採用する場合、採用決定から乗務開始までおおむね半年から1年程度を見込むのが一般的です。特定活動期間中の免許取得・研修にかかる時間が最大の変動要因です。ナカノ商会の事例では、入社前研修も含めて約1年間の準備期間を設けています。
Q. 特定技能1号の5年が終わったらどうなりますか?
A. 現時点で自動車運送業は特定技能2号の対象外のため、5年で在留期間は満了します。将来的な2号対象への追加が議論されていますが、現時点では確定していません。計画的な採用サイクルの設計が重要です。
Q. 技能実習から特定技能トラックドライバーへの移行は可能ですか?
A. 現行の技能実習制度には自動車運送業は含まれていないため、技能実習2号の良好修了をもって直接移行することはできません。ただし、他分野の技能実習経験者が改めて技能評価試験と日本語試験に合格すれば、特定技能1号を取得することは可能です。実際にナカノ商会で採用されたベトナム人3名は全員が他分野の技能実習経験者であり、このルートの実現可能性を示す好事例です。