高度専門職2号とは?ビザの申請要件や優遇措置などゼロから徹底解説

高度専門職の外国人男性が笑顔でこちらを見ている

「高度専門職2号」は、高度専門職1号で一定期間活動した高度人材だけが取得でき、在留期間の無期限化など大きなメリットがある在留資格です。外国人採用が進む中で、優秀な人材を長期的に確保したい企業にとって重要な制度と言えます。

この記事では、高度専門職2号の申請要件や優遇措置、転職時のポイントを解説します。高度人材の採用や受け入れを検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。

なお、「高度専門職1号」について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてチェックしてみてください。
▶︎ 高度専門職1号とは?ビザの取得条件や優遇措置、永住権について解説

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高度専門職2号とは?

「高度専門職2号」は、「高度専門職1号(イ・ロ・ハ)」として3年以上活動し、一定の条件を満たした場合に申請できる、いわば“ステップアップ型”の在留資格です。「1号」に3区分があるのに対し、「2号」には下位分類はありません。

高度専門職2号の申請要件

「高度専門職2号」の主な申請要件は以下の通りです。

  1. 「高度専門職1号(イ・ロ・ハ)」として3年以上活動している
  2. 高度外国人材として、以下のいずれかの活動を引き続き行う
    • 高度学術研究活動
    • 高度専門・技術活動
    • 高度経営・管理活動
  3. 高度人材ポイント制に基づくポイント合計が70点以上に達している
  4. 「高度専門職1号(ロ・ハ)」の在留資格では、直近の年収が300万円以上であること(「高度専門職1号(イ)」は年収要件なし)
  5. 素行に問題がなく、善良であること
  6. 日本に在留することが日本の国益に合致していること
  7. 日本国内での活動が、日本の国民生活や産業に与える影響などの観点から、相応しいものであること

これらを見ると、「高度専門職2号」は1号でしっかり成果を挙げた高度人材だけが進める、ハイレベルな在留資格だと言えます。

審査期間は1〜2ヶ月とスピーディー

「高度専門職2号」は、申請から許可まで約1〜2ヶ月と他の在留資格に比べ短期間で審査が進む点も特徴です。たとえば「永住者」ビザでは審査に1年近くかかることが一般的であり、その違いは明確です。

また、2号では身元保証人が不要となるほか、一定要件を満たせば親や家事使用人の帯同も可能です。こうした点から、永住者ビザよりもメリットが大きいと感じる方もいるでしょう。

高度専門職の手続き全般については以下も参考になります。
▶︎ 高度人材(高度専門職)のビザ申請手続きの流れと申請書類を解説!

高度専門職2号の優遇措置とは?

高度専門職2号を取得すると、さまざまな優遇措置が受けられます。主なポイントを見ていきましょう。

1. 在留期間が無期限に

最大の特徴は、在留期間に上限がなくなることです。ただし以下の点には注意が必要です。

  • 在留カードの有効期限は7年間のため、更新手続きは必要
  • 6ヶ月以上就労していない場合、在留資格が取り消される可能性がある

安定した在留が認められる一方で、一定の就労継続は求められます。

2. 活動できる範囲が大幅に拡大

「高度専門職1号」では認められる活動が限定されていますが、2号では就労系在留資格で可能なほぼすべての活動が行えます。

例:
1号ロ(技術・人文知識・国際業務)で研究者として活動していた人が、飲食店経営に関わることも可能に。

専門分野に縛られず、多様なキャリア形成に挑戦できる点は大きな魅力です。

3. その他の優遇措置

その他にも、「高度専門職2号」には以下のような優遇措置があります。

  • 永住許可要件の緩和
    • 通常10年以上必要な永住許可が、高度外国人材なら最短4年で取得可能。
  • 配偶者の就労の幅が広がる
    • 学歴・職歴要件を満たしていなくても専門的業務に従事可能。
  • 親の帯同が可能(条件あり)
    • 育児や妊娠中のサポート目的で親を呼べる場合がある。
  • 家事使用人の帯同(条件あり)
    • 一定の収入要件をクリアすれば家事支援を受けられる。

優遇措置の詳細は、出入国在留管理庁のウェブサイトでも確認できます。

参考:出入国在留管理上の優遇措置の内容|出入国在留管理庁

高度専門職2号での転職はどうなる?

実力ある高度外国人材ともなれば、「高度専門職2号」の在留資格を武器にキャリアアップを狙って転職を考える人も多いです。高度専門職1号と比べ、2号になると転職手続きが大幅に簡素化されます。

  • 1号の場合:転職のたびに「在留資格変更許可申請」が必要
  • 2号の場合:届出(所属機関・契約機関に関する届出)だけでOK

在留資格自体を変更する必要がないため、転職の自由度が高まります。

以下の表は、「所属機関・契約機関に関する届出」の概要をまとめたものです。

項目内容
手続名所属(契約)期間に関する届出
手続根拠出入国管理及び難民認定法第19条の16第2号
手続対象者– 契約機関の名称や所在地の変更、もしくはその消滅又は契約機関との契約の終了があった中長期在留者
– 新たな契約の締結があった一定の在留資格(「高度専門職」「研究」「技術・人文知識・国際業務」など)を有する中長期在留者
届出期間上記の事由が生じた日から14日以内
届出者中長期在留者本人
参考: 所属(契約)機関に関する届出(高度専門職1号イ又はロ、高度専門職2号(イ又はロ)、研究、技術・人文知識・国際業務、介護、興行、技能、特定技能) | 出入国在留管理庁

まとめ

高度専門職2号は、日本で長期的なキャリア形成を考える外国人材にとって、非常に魅力的な在留資格です。無期限での在留、活動範囲の広さ、優遇措置の充実など、他の在留資格とは一線を画すメリットがあります。

企業としては、高度専門職2号の取得を見据え、まず1号の段階から計画的な育成・定着支援を行うことが重要です。高度外国人材のキャリアを長期的に支えることで、企業と人材双方にとって大きなメリットを生み出せるでしょう。

「高度専門職2号」は、これからの外国人材活用を考える企業にとって、強力な選択肢のひとつと言えます。

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