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外国人技能実習生とは?受け入れに必要な基礎知識と今後について解説

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技能実習生の外国人女性が工場で働く姿

日本では少子高齢化が進んだことで、労働人口減少による人材不足が多くの企業の課題となっています。労働者の確保は企業の成長と存続に関わる重大な問題です。そうした中、外国人技能実習生の活用を検討する日本企業は少なくありません。しかし、外国人技能実習制度を理解していないがため、様々な問題が起こっています。

そこで本記事では外国人技能実習生受け入れに必要な基礎知識を解説していきます。あわせて、廃止・目的変更が検討されている制度の今後についてもお伝えします。

外国人技能実習生の受け入れ可能な職種について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▶︎ 技能実習生の受け入れ可能な職種は?移行不可な職種も紹介

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外国人技能実習生とは

外国人技能実習生とは、1993年に創設された「外国人技能実習制度」により受け入れられる人材を指します。令和6年時点の外国人技能実習生の数は404,556人で、受け入れ人数の多い国は1位ベトナム、2位インドネシア、3位フィリピンの順となっています。近年、外国人技能実習生の数は増加傾向にあり、企業の人材不足解消に一定の役割を果たしていると言えます。

外国人技能実習制度は、技能移転が目的

外国人技能実習制度は、発展途上国の人材が日本企業で最長5年間の就労で技能を習得し、帰国後は母国の経済発展に活かしてもらうために作られました。「国際協力の推進」が理念となっているため、技能実習は労働力不足を補うための雇用の調整弁として行ってはいけません。あくまでも発展途上国への技能移転が目的となっています。この点は、制度を利用する企業側が十分に理解しておく必要があります。

参考:外国人技能実習制度について – 法務省

外国人技能実習生受け入れには2種類の方式がある

外国人技能実習生受け入れには次の2種類の方式があります。

企業単独型

日本の企業等が海外の現地法人,合弁企業や取引先企業の職員を受け入れて技能実習を実施
団体監理型

非営利の監理団体(事業協同組合,商工会等)が技能実習生を受入れ,傘下の企業等で技能実習を実施

令和6年時点の受け入れ人数は企業単独型が6,768人(1.7%)、団体監理型が397,788人(98.3%)となっています。団体監理型では外国人技能実習生は、入国後に日本語教育や必要な講習を受けてから、企業等でOJTを通じて技能習得に取り組みます。対して、企業単独型における講習実施は、入国直後でなくても可とされています。自社の体制や方針に合わせて、適切な受け入れ方式を選択することが重要です。

参考:外国人技能実習制度について – 法務省

外国人技能実習生の受け入れ方法や必要な手続きについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
▶︎ 外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説

外国人技能実習生の在留資格と対象職種・作業

外国人が日本で就労するには、在留資格(就労ビザ)が必要です。在留資格で定められている職種・作業以外の労働を行うことはできません。ここでは、外国人技能実習生の在留資格と対象職種・作業を解説します。

外国人技能実習生の在留資格

外国人技能実習生の在留資格は「技能実習」となり、「技能実習1号」「技能実習2号」「技能実習3号」に分けられています。これは入国後の年数と、技能実習生本人が所定の技能評価試験に合格したかで分類されています。

技能実習1号(技能実習1年目)
原則として最初の2ヶ月は座学講習(この期間は受け入れ企業との雇用関係なし)

技能実習2号(技能実習2・3年目)
技能実習1号から技能実習2号への移行は、所定の技能評価試験の合格が必須

技能実習3号(技能実習4・5年目)
技能実習2号から技能実習3号への移行は、所定の技能評価試験の合格が必須

在留資格の変更には、外国人技能実習生本人の技能習得状況が関わってきます。受け入れ企業側は適切な教育・指導を行い、技能評価試験合格のサポートをすることが求められます。

外国人技能実習生の対象職種・作業

技能実習1号の外国人技能実習生が従事している職種から、技能実習2号・3号に移行できる職種・作業は下表の90職種165作業(令和5年10月時点)が該当しています。実習生の配属先や習得させる技能は、これらの職種・作業の中から選ぶ必要があります。職種・作業によっては、技能実習2号・3号への移行ができないものもあるため、注意が必要です。

出典:技能実習制度 移行対象職種・作業一覧|厚生労働省

外国人技能実習生の受け入れ可能人数

外国人技能実習生の受け入れ可能人数には上限が設けられており、実習実施者の常勤職員数によって異なります。基本人数枠は、常勤職員301人以上の場合は常勤職員総数の20分の1、201人〜300人は15人、101人〜200人は10人、51人〜100人は6人、41人〜50人は5人、31人〜40人は4人、30人以下は3人となっています。

実習実施者の常勤職員の総数技能実習生の人数
301人以上常勤職員総数の20分の1
201人〜300人15人
101人〜200人10人
51人〜100人6人
41人〜50人5人
31人〜40人4人
30人以下3人

団体監理型の場合、実習実施者や監理団体が「優良実習実施者」として認定されると、受け入れ可能人数が大幅に増加します。優良基準適合者の場合、技能実習1号から3号まで、通常の基本人数枠の2倍から6倍の実習生を受け入れることができます。この点も、外国人技能実習生の受け入れを検討する際には押さえておくべきポイントと言えるでしょう。

通常の者優良基準適合者
第1号(1年間)第2号(2年間)第1号(1年間)第2号(2年間)第3号(2年間)
人数枠基本人数枠基本人数枠の2倍基本人数枠の2倍基本人数枠の4倍基本人数枠の6倍

外国人技能実習生の受け入れ時の注意点

外国人技能実習制度は発展途上国に技能移転することを理念として掲げています。しかし、トラブルが多く存在することも忘れてはいけません。ニュースなどでよく見られるのが、実習実施者による「言葉や身体による暴力」「低賃金での労働強要」「賃金不払い」などです。問題の背景には、外国人技能実習生を都合の良い労働力として捉えている団体や経営者の存在があります。

労働職確保を目的に活用するのは禁止

外国人技能実習生を労働力確保だけを目的として活用することは技能実習法第3条第2項で禁じられています。外国人技能実習生を受け入れるには、実習計画に従い適切な研修・教育を行う必要があるのです。外国人技能実習生の日本語レベルは1人1人異なります。そのため彼らを指導するには、その都度丁寧な説明が求められます。技能実習の本来の目的を踏まえた真摯な姿勢で、実習生に接することが重要です。

本来とは異なる目的で制度を利用する人に注意

また、外国人技能実習生の側にも、本来の理念とは異なる目的で制度を利用する人が存在することも事実です。出稼ぎが目的で成長する意欲がない人や、失踪を目的として来日する人もいます。だからこそ、人材の選抜は慎重に行う必要があるのです。受け入れ後も研修・教育の先に明確な評価制度やキャリアプランを用意するなど、外国人技能実習生に寄り添った制度の導入が欠かせません。制度のミスマッチを防ぎ、円滑な技能実習の実施につなげましょう。

外国人技能実習生の受け入れにはメリットだけでなく、課題や注意点もあります。より詳細な情報は以下の記事で解説していますので、ぜひご一読ください。
▶︎ 外国人労働者受け入れのメリットや課題、雇用する方法と注意点

まとめ

外国人技能実習生の受け入れは、少子高齢化による人材不足に悩む日本企業にとって有効な選択肢の一つです。外国人技能実習制度は、発展途上国への技能移転を目的としていますが、同時に企業の人材確保にも一定の役割を果たしています。

一方で、外国人技能実習生の受け入れには注意点もあります。労働力確保だけを目的とした活用は禁止されており、適切な技能移転と教育が求められます。また、実習生の中には本来の目的とは異なる理由で来日する者もいるため、慎重な人材選抜が必要です。

外国人技能実習制度は現在、国際貢献から外国人材の確保と育成へと目的を変更し、「育成就労制度」への移行が決定されています。今後の制度の行方を注視しつつ、外国人材活用の選択肢を広げていくことが、日本企業の人材不足解消につながるでしょう。外国人技能実習生の適正な受け入れと活用は、企業の発展と国際協力の両立を可能にする鍵となるのです。

なお、外国人技能実習制度について、対象職種や受け入れの流れなど、より詳細な情報を知りたい方は、以下の記事も参考になります。
▶︎ 外国人技能実習制度とは?対象職種や受け入れの流れを解説!

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