就労資格証明書の交付申請とは?外国人採用・転職時に企業が知っておきたいポイントを解説
外国人を雇用する際に、ぜひ押さえておきたい書類のひとつが「就労資格証明書」です。この証明書は、外国人労働者が転職する場合に、現在保有している就労ビザの範囲内で新しい勤務先でも就労できることを公的に証明するものです。
本記事では、就労資格証明書の基本的な仕組みから、交付申請の流れ、企業側が注意すべきポイントまでを解説します。外国人採用を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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Contents
そもそも就労資格証明書とは?
「就労資格証明書」とは、外国人本人の申請に基づき、報酬を受ける活動(就労活動)が入管法上認められているかどうかを法務大臣が証明する書類です。外国人が希望する場合に、出入国在留管理庁で交付申請を行い、審査を経て発行されます。
証明書には、以下のような情報が記載されます。
- 氏名
- 国籍・地域
- 生年月日
- 性別
- 旅券番号
- 在留カード番号
- 在留資格(在留期間)
- 活動内容
- 就労期限
参考:就労資格証明書(入管法第19条の2) | 出入国在留管理庁
就労資格証明書は転職時の重要書類
外国人労働者が転職する場合、就労資格証明書は非常に重要な役割を果たします。就労ビザには、認められている職務内容や活動範囲が明確に定められているため、転職先での業務内容がビザの範囲内かどうかを事前に確認する必要があるからです。
就労資格証明書を取得しておくことで、転職後の就労内容が適法であることが証明され、将来の在留期間更新時のリスク軽減にもつながります。
また、留学生などが資格外活動許可を得てアルバイトを行う場合にも、活動内容が許可範囲内かを確認する目的で、就労資格証明書が活用されるケースがあります。
就労資格証明書が「安心」につながる理由

就労資格証明書は、外国人本人だけでなく、受け入れる企業側にとっても安心材料となる書類です。
外国人労働者にとっては、現在の在留資格で問題なく働けることを客観的に示す証明となります。一方、企業にとっても、不法就労や不法就労助長罪のリスクを抑えた採用判断ができるというメリットがあります。
就労資格証明書には、氏名や在留資格、活動内容など、就労可否を判断するための情報が記載されています。このように就労の可否を具体的に確認できる書類は多くなく、実務上も非常に有用といえるでしょう。
活動内容に勤務先の会社名が記載される
就労資格証明書の「活動内容」欄には、実際に勤務する企業名が記載されます。そのため、外国人労働者にとっては、自身の就労が適法であることを明確に示せる点が大きな安心につながります。
企業側にとっても、入管法違反のリスクを避けながら採用を進められる点は重要なポイントです。
次回の在留期間更新がしやすくなる
就労資格証明書が交付されている場合、次回の在留期間更新では、すでに就労内容の適法性が確認されている状態となります。
そのため、更新審査が比較的円滑に進むケースが多く、企業・外国人双方の負担軽減にもつながります。
職務内容が変わる場合は注意が必要
注意したいのは、転職に伴って職務内容が変わる場合です。
たとえ一見すると大きな変更がないように見えても、就労ビザでは活動内容が厳密に定められています。
事前に就労資格証明書で確認を行わず、転職後にビザの範囲外の業務に従事していることが判明すると、不法就労に該当する可能性があります。
このような場合は、「在留資格変更許可申請」を行い、転職後の業務内容に適した在留資格へ変更する必要があります。
在留資格変更許可申請については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
▶︎ 在留資格変更の申請手続きとは?必要書類・流れ・審査期間を企業向けに解説
就労資格証明書の交付申請の進め方
法令上、就労資格証明書の交付申請は義務ではありません。しかし、転職後に在留期間更新が認められないリスクを避けるためにも、事前に交付申請を行っておくことが実務上は有効といえます。
就労資格証明書交付申請に必要な書類
交付申請時には、以下の書類を準備します。
- 申請書
- 資格外活動許可書(許可を受けている場合)
- 在留カードまたは特別永住者証明書
- 旅券または在留資格証明書
- 旅券等を提示できない場合の理由書
- 申請取次者が提出する場合は身分証明書類
審査基準
就労資格証明書の交付審査では、主に次の点が確認されます。
- 就労可能な在留資格を有していること
- 就労不可の在留資格であっても資格外活動許可を得ていること
- 就労に制限のない在留資格であること
まとめ
就労資格証明書は、外国人労働者が転職する際に、現在の在留資格の範囲内で適法に就労できることを証明する書類です。企業名や活動内容が明記されるため、不法就労リスクを抑えながら安心して採用を進められる点が大きなメリットといえます。
交付申請は義務ではありませんが、在留期間更新時のトラブルを防ぐ観点から、転職時に取得しておくと実務上安心です。外国人採用を進める企業にとって、就労資格証明書は重要な確認書類のひとつといえるでしょう。
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