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外国人労働者の雇用時に利用できる助成金について詳しく解説

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助成金について

外国人労働者の雇用は日本でも普及し始めており、200万人以上の労働者が雇用されています。多くの企業でも外国人労働者の確保に動いていますが、現状は手続きの煩雑さや人材採用の難しさで、外国人労働者の採用を諦めている企業も多く存在します。そんな中、助成金制度を活用することで、外国人労働者を低コストで確保することができるのです。

しかし、助成金制度は実際に使える制度を把握している経営者が少なく、うまく活用されていない現状があります。そこで本記事では、外国人労働者の雇用時に利用できる助成金制度の詳細を解説し、経営者の採用方針の決定に役立つ情報をお届けします。

また、外国人を採用予定の方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。外国人労働者の募集から採用に至るまでに必要な準備と手続きを詳しく解説しています。
▶︎ 外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説

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外国人労働者の雇用時に利用できる助成金一覧

外国人労働者の雇用に関連する助成金制度は複数存在しますが、今記事では比較的審査が通過しやすい代表的な3つの助成金制度に注目して紹介します。

  1. 人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)
  2. 人材開発支援助成金(職業能力開発コース)
  3. キャリアアップ助成金(正社員化コース)

上記以外にも多くの助成金制度が存在しますが、外国人労働者の雇用と関連が深いのは上記の3つです。それぞれの制度の詳細や申請方法、注意点などを以下で詳しく解説していきます。

その他、雇用関係助成金については、厚生労働省の以下のページで検索することができます。
▶︎ 雇用関係助成金検索ツール|厚生労働省

人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)

「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」は、中小企業の働き方改革を推進するために設立された助成金制度です。働き方改革を進めるために新たな人材を採用する際に活用できます。人材の採用に国籍等の縛りはなく、外国人労働者を含めた人材が対象に含まれます。

人材確保等支援助成金の支給条件と採用条件

支給条件は中小企業が1年間分の「雇用管理改善計画」を作成し、本社の管轄である都道府県労働局に提出することです。その後、計画に基づいた採用をおこない、働き方改革である雇用条件の改革がなされたかが審査されます。審査の結果、雇用計画の改善がなされたと判断された場合、助成金の支払いが行われます。

支給金額は新しく雇用した労働者の区分によって異なります。正社員含む長時間労働者の採用をおこなった場合は60万円、短時間労働者の採用を行った場合は40万円の助成金が支払われます。

採用条件に国籍等の区分はありません。ただし、働き方改革の目標である長時間労働の改善が見られる必要があるため、現状の従業員の負担が低下していることが求められます。

支給条件採用条件支給金額
1. 中小企業が1年間分の「雇用管理改善計画」を作成し、都道府県労働局に提出
2. 計画に基づいた採用と雇用条件の改革の実施
3. 審査で雇用計画の改善が認められること
1. 国籍等の区分なし
2. 働き方改革の目標である長時間労働の改善が必要
3. 現状の従業員の負担が低下していること
1. 正社員含む長時間労働者の採用:60万円
2. 短時間労働者の採用:40万円

採用した人材が定着した場合、追加の助成金も

人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)の改善計画で採用した人材が定着し、生産性の向上や離職率の低下に繋がったと判断された場合、追加で助成金が支払われます。

助成金の支払額は長時間労働者は15万円、短時間労働者は10万円です。改善計画の提出から3年の経過が必要であり、すぐに支払われる助成金ではありません。しかし、追加で助成金が受け取れる可能性もあるため、あわせての申請がおすすめです。

参考:人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)|厚生労働省

人材開発支援助成金(職業能力開発コース)

「人材開発支援助成金(職業能力開発コース)」は、従業員に職務に関する専門的な技能を身に着けてもらうために職業訓練等のサポートをおこなうことを目的にした助成金制度です。制度の対象には若手人材やグローバル人材等の制限はあるものの、外国人労働者も制度の対象に含まれます。

従業員の職業能力開発を支援することで、企業の生産性向上や競争力強化に繋がります。外国人労働者に必要な技能を身につけてもらい、戦力として活躍してもらうために活用を検討してみてはいかがでしょうか。

人材開発支援助成金の支給条件と採用条件

支給条件は訓練開始の1ヶ月前までに、本社の管轄である都道府県の労働局に「訓練計画」を提出することです。その後、訓練開始日の翌日~2ヶ月以内に「訓練開始届」を、訓練終了日の翌日~2ヶ月以内に「支給申込書」の提出をおこないます。

審査等はなく、申請した訓練計画に基づいた技能を身に着けた場合、助成金の支払いがおこなわれます。助成金の金額は技能によって異なりますが、例えば特定訓練コースの受講の場合は最大1200時間分で1時間あたり960円の支払いが行われます。

支給条件採用条件支給金額(例)
1. 訓練開始の1ヶ月前までに「訓練計画」を都道府県労働局に提出
2. 訓練開始日の翌日~2ヶ月以内に「訓練開始届」を提出
3. 訓練終了日の翌日~2ヶ月以内に「支給申込書」を提出
1. 若手人材やグローバル人材等の制限あり
2. 外国人労働者も対象に含まれる
特定訓練コースの場合:最大1200時間分で1時間あたり960円

特定コースの場合、助成金額が増額になることも

特定訓練コースの場合、新しく獲得した専門技能が生産性の向上に繋がることを証明できれば、助成金額の総額が増加します。外国人労働者も対象のため、今後が期待できるグローバル人材を対象に訓練計画の提出をおこなうことがポイントです。

参考:人材開発支援助成金|厚生労働省

キャリアアップ助成金(正社員化コース)

「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」は、非正規雇用や有期雇用の従業員を正社員待遇(正社員化、または無期雇用)で再雇用することで支払われる助成金です。従業員を正社員待遇にすることで、長期的な人材として定着させることを目的とした制度です。

外国人労働者を長く雇用し、戦力として活躍してもらうためにも正社員化は有効です。キャリアアップ助成金を活用して、外国人労働者の正社員化を検討してみてはいかがでしょうか。

キャリアアップ助成金の支給条件と採用条件

支給条件に対象の年齢制限や国籍制限はありません。ただし、定住者区分であること、6ヶ月以上の間非正規雇用や有期雇用で契約をおこなっている従業員であることが条件です。雇用形態の変更後、6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から2ヶ月以内が申請期間です。

支給金額は有期雇用から正社員化した場合は1人あたり57万円、有期雇用から無期雇用に条件を変更した場合は1人あたり28万円が助成金として支払われます。あわせて無期雇用の従業員を正社員化した場合でも、1人あたり28万円の助成金が支払われます。

支給条件支給金額
1. 年齢制限や国籍制限なし
2. 定住者区分であること
3. 6ヶ月以上の間非正規雇用や有期雇用で契約をしている従業員
4. 雇用形態変更後、6ヶ月分の賃金支給日の翌日から2ヶ月以内に申請
1. 有期雇用から正社員化:1人あたり57万円
2. 有期雇用から無期雇用:1人あたり28万円
3. 無期雇用から正社員化:1人あたり28万円

参考:キャリアアップ助成金|厚生労働省

外国人労働者以外も利用可能な制度ですが、長期間働いている外国人労働者の正規採用時に使われることが多い制度です。定着率の向上にも繋がりますので、ぜひ活用を検討してみてください。

外国人労働者を採用するメリット

ここまで外国人労働者の雇用に関する助成金制度を見てきましたが、そもそも企業が外国人労働者を採用するメリットとは何でしょうか。大きく分けて2つのメリットがあります。

1つ目は、今後予測されている若年層の労働人口減少への対策です。今後20年で若年層の労働力は20%程度減少すると言われており、中小企業を中心に今以上に労働者の確保に悩まされることが予想されます。減少する労働人口を補うための解決策の1つが、新興国を中心に確保が期待できる外国人労働者なのです。

2つ目は、国際競争力の強化です。日本人以外の労働者を採用することで複数言語を扱える人材の確保が期待でき、新たな進出先の開拓に繋がります。また、蓄積された高い技術力を新興国に広げることで、新たな技術革新を促すことも期待されます。

このように、企業が外国人労働者を雇用することには大きなメリットがあると言えるでしょう。人口減少時代を乗り越え、グローバル市場で勝ち抜くためにも、外国人労働者の活用は欠かせません。

ただし、外国人労働者の受け入れにはデメリットも存在します。コミュニケーションの問題や文化の違いなど、克服すべき課題も少なくありません。外国人労働者の受け入れにおけるメリット・デメリットについて、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
▶︎ 外国人労働者の受け入れにおけるメリット・デメリットとは?

まとめ

外国人労働者の雇用に関して、企業側が活用できる助成金制度は数多く存在します。本記事で紹介した3つの助成金制度を代表するように、助成金を上手に活用することで採用コストを抑え、優秀なグローバル人材の確保に繋げることができるでしょう。

助成金以外にも、外国人労働者の採用時に国から支払われる補助金も存在します。しかし補助金は助成金に比べると条件が厳格で審査に通過しづらい欠点があるため、まずは助成金制度の活用から始めるのがおすすめです。

日本の労働力不足の解消とグローバル競争力の強化のために、ぜひ外国人労働者の雇用を前向きに検討してみてください。本記事が、外国人労働者の雇用を検討しているみなさまの参考になれば幸いです。

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