中国人を雇用するメリットと注意点は?助成金についても解説
中国人は外国人労働者の数の国別ランキング1位であり、雇用してみたいと考える企業も多いでしょう。今回は、中国人を雇用するメリットや注意点、雇用の際に活用できる助成金を解説します。
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中国人を雇用するメリット
中国人は意欲的で向上心のある人が多く、中国進出を目指す際はその足がかりになることもあります。また、東南アジアと比べて無宗教の人が多く、戒律に気を使わなくていいのもメリットです。
意欲的で向上心のある人材を獲得できる
中国からあえて日本に来て就職しようとする人は、日本でより高い給与を得たい、日本の文化やビジネスを学びたいといった、高いモチベーションを持っていることが多いです。
こういった人材は意欲的で向上心があり、雇用すれば会社に大きな利益をもたらしてくれます。
中国進出の足がかりになる
中国はかつては安い人材を獲得するための「世界の工場」という位置づけでしたが、現在は経済発展が進み、世界経済の中心地の一つとなりつつあります。日本企業にとっても、今後は中国進出が重要になる場面が増えるでしょう。
社内に中国人人材がいることは、中国進出を目指す企業にとってプラスになります。社内に中国の文化や考え方が浸透しますし、中国人社員の人脈が生かせる場合もあります。
無宗教の人が多い
中国人以外で有力な外国人人材といえば、ベトナムやインドなどの東南アジアがあげられます。東南アジアは優秀な人が多いですが、ヒンドゥー教やイスラム教などの宗教を信仰していることも多く、食事や礼拝といった戒律に理解を示す必要があるケースもあります。
一方、中国人は日本人と同じように無宗教の人が多く、宗教への理解に特段気を使わなくていいのがメリットです。
中国人を雇用する際の注意点
中国人を雇用するのはメリットも大きいですが、注意点を押さえておかないと後で後悔することもあります。文化や言語の問題はもちろん、就労ビザの手続きなども理解しておくことが大切です。
文化や常識の違い
中国と日本は同じアジア圏ではありますが、文化や常識の面で日本と違うところもあります。この違いを理解しておかないと、後でトラブルになることもあるので注意しましょう。
例えば、中国人は日本人よりプライベートを重視する傾向があり、残業や仕事後の飲み会は敬遠される可能性があります。また、チームプレイより個人の結果にこだわる、上司にも臆せず物を言うといった傾向もあります。
言語の問題
中国は漢字文化圏で日本文化も浸透していることから、他の国に比べると言語の問題が比較的起こりにくい国です。しかし、それでも多くの中国人は日本語を話せないので、雇用する際はコミュニケーション面に配慮する必要があります。
就労ビザなど制度上の問題
中国人を雇用するには、就労ビザを取得しておく必要があります。就労ビザは種類により働ける職種や在留期間が異なるので、うっかり違反すると不法就労となってしまいます。
特に、初めて中国人を雇用する場合は会社側も制度に詳しくないことが多いので、雇用する前にしっかりと制度を確認しておく必要があります。
中国人の雇用方法
中国人の雇用方法は、正社員以外にも技能実習生という選択肢もあります。また、アルバイトなら留学生を雇用することも可能です。中国人を雇用する際は、これらの雇用方法から適したものを選ぶようにしましょう。
正社員として雇用する
就労ビザを持つ中国人を正社員として雇用するのは、最も一般的な雇用方法だといえます。募集のかけ方は、人材紹介会社を利用したり、就職情報サイトに掲載するのが一般的です。
社内にすでに中国人の従業員がいる場合は、知り合いをリファラル採用するという選択肢もあります。
技能実習生として雇用する
正社員以外の選択肢としては、技能実習生として中国人を雇用する選択肢もあります。技能実習生は企業が独自に雇用することも可能ですが、普通は事業協同組合などを通して紹介してもらいます。
技能実習生はあくまで日本の技術を発展途上国に伝える国際貢献なので、雇用調整のみを目的に使ってはならないのが注意点です。また、技能実習生の雇用環境が問題となることもあるので、待遇にはしっかり配慮する必要があります。
留学生をアルバイトで雇用する
アルバイトの場合は留学生を雇用することもできます。中国人留学生がアルバイトをするためには、まず留学生が入国管理局で「資格外活動許可」を申請する必要があります。
申請には1か月前後かかるので、雇用を始めたい日時に間に合うように取得してもらいましょう。
また、留学生のアルバイトは週28時間までと定められています。ただし、夏休みや冬休みは一日8時間までOKといった細かいルールがあるので、雇用の際は確認しておくようにしましょう。
中国人の雇用に活用できる助成金
中国人の雇用に際して、雇用調整助成金やキャリアアップ助成金などの助成金を活用できます。
雇用調整助成金
雇用調整助成金とは、休業手当などを国が助成してくれる制度です。何らかの理由で急に売上が落ちて、経営が危うくなった際に利用できます。
2021年4月30日までは、新型コロナウイルスの影響で事業縮小した事業者のための特別措置が実施されています。今後他にも特別措置や制度変更が行われる可能性もあるので、定期的にチェックしておくことをおすすめします。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、派遣社員を始めとする非正規雇用従業員に対して、正社員への登用や福利厚生の充実を図るための助成金です。キャリアアップ助成金は、中国人従業員に対しても適用可能です。
ただし、技能実習生や特定技能第1号(介護や飲食など)は除外されるといった例外もあるので、制度を利用する際はきちんと確認しておきましょう。
中国人は同じ東アジア圏なので、他の国の外国人を雇用するより敷居が低いといえます。助成金なども活用して優秀な中国人を雇用すれば、さらなる事業拡大を目指すことができるでしょう。