中国人を雇用するメリットは?雇用の際に知っておきたいポイントを解説
中国人は日本の外国人労働者の国籍別でも多く、日本企業でも幅広い職種で活躍しています。意欲的で向上心がある人材が多いだけでなく、語学力や中国市場への理解といった強みを生かし、企業の成長に大きく貢献してくれる可能性も。
この記事では、中国人を雇用するメリット、仕事観の違い、採用方法、活躍してもらうためのポイントをまとめました。中国人人材の採用を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
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中国人を雇用するメリット

中国人人材は、さまざまな場面で日本企業の戦力として活躍しています。ここでは、企業にとって特に大きなメリットを紹介します。
意欲的で向上心のある、優秀な人材を確保しやすい
中国から日本に就職を希望して来る人は、「日本のビジネスを学びたい」「日本でキャリアアップしたい」と高い目標を持っています。課題に向き合う姿勢も強く、成長意欲の高さが特徴です。
最近では都市部を中心に高学歴層が増えており、語学力や専門スキルを備えた人材も多く見られます。自ら成長機会を求め、成果へのこだわりも強いため、能力を発揮しやすい環境を整えれば企業にとって大きな戦力となるでしょう。
中国ビジネスやインバウンド対応で即戦力になる
日本企業にとって中国マーケットは依然として大きな可能性を秘めています。中国人社員がいることで、次のような強みを得られます。
- 中国語・英語・日本語のトリリンガルが多い
- 中国人観光客・留学生のニーズを理解している
- WeChat・Weibo・REDなど中国SNSの知見を持ち、マーケティングにも活かせる
- 中国のビジネス文化・商慣習に詳しい
- 現地ネットワークを活かせる場合もある
特に販売・接客・観光関連の事業や、中国向けEC事業、中国企業との取引がある会社には大きなメリットとなります。
フラットなコミュニケーションで職場の議論が活性化する
中国人は職場で上下関係を強く意識し過ぎず、率直に意見を伝える傾向があります。根拠のある意見をはっきり述べる人も多く、会議が活性化し、チームに新たな視点が加わるケースも。
適切にマネジメントすれば、風通しの良い組織づくりにつながるでしょう。
宗教的な制約が少なく、勤務調整がしやすい
東南アジアでは宗教上のルール(食事・礼拝・服装など)が働く上で影響することもありますが、中国では無宗教の人が多く、企業の運営面で配慮事項が比較的少ないです。
食堂のメニュー構成やシフト設計の負担が少ない点は、受け入れ側にとってメリットと言えるでしょう。
中国人を雇用する際に理解しておきたい仕事観の違い

中国人人材が力を発揮するためには、文化や仕事観の違いを理解しておくことが大切です。
結果主義の傾向が強い
中国人は「どのように進めるか」よりも「結果を出すこと」を重視する傾向があります。
論理的で結論重視の思考を好むため、次のようなマネジメントが効果的です。
- 目標や評価基準を明確にする
- 「結論→理由→手順」の順で説明する
- 目的と優先順位を共有する
過程の丁寧さを重んじる日本企業との間でギャップが生まれる場合もありますが、役割が明確で成果が評価される環境では高いパフォーマンスを発揮します。
フラットな関係を好む
上下関係や年功序列をあまり気にせず、上司にも積極的に意見を伝えます。
そのため、次のような場面でギャップが起きることがあります。
- 敬語がややフランクに聞こえる
- 先輩・上司に対しても率直に意見する
- 社内の飲み会など“職場外の付き合い”には積極的ではないことも
組織全体で背景を理解しておくと不要な誤解を減らせます。
注意するときは「面子(メンツ)」を傷つけない
中国人にとって「人前で叱られる=面子を失う」は非常に避けたい状況です。
- 注意は個別で
- 褒めるときは人前で
- 具体的な改善ポイントを冷静に伝える
こうしたコミュニケーションを意識すると、信頼関係を築きやすくなります。
中国人を雇用する主な方法

自社の求めるスキルや勤務形態に合わせて、最適な採用方法を検討しましょう。
正社員として雇用する
就労ビザを取得した中国人を正社員として採用するのが、最も一般的な雇用形態だといえるでしょう。日本の企業文化に適応し、長期的な視点で活躍が期待できる人材は、正社員としての採用が望ましいでしょう。
募集に際しては、人材紹介会社を活用したり、求人サイトに掲載したりするのが一般的です。また、既に自社で働く中国人社員から優秀な知人を紹介してもらう、リファラル採用も有効な手段の一つです。
技能実習生として受け入れる
技能実習生は、基本的な技能を学ぶことを目的として来日する外国人で、一定期間の実習を行うことができます。日本の技術を海外に移転するという国際貢献の側面もあり、幅広い業種で活用されています。
技能実習生の受け入れは、企業単独で行うことも可能ですが、多くの場合は事業協同組合などを通じて行われます。送り出し機関との調整や、在留資格の申請など、受け入れまでの手続きは少し煩雑なのが難点です。
技能実習生の受け入れについては、対象職種や手続きの流れなど、様々なルールがあります。詳しくは以下の記事で解説していますので、技能実習生の雇用を検討されている方はぜひチェックしてみてください。
▶︎ 外国人技能実習制度とは?対象職種や受け入れの流れを解説!
特定技能で雇用する
特定技能は、深刻な人手不足に対応するための在留資格です。一定の専門性・技能を持つ外国人を、即戦力として雇用することができます。
特定技能には、在留期間が通算5年までの「特定技能1号」と、在留期間に上限がない「特定技能2号」があります。それぞれ対象となる業種や求められる技能レベルが異なるため、制度の詳細を確認した上で、受け入れを検討することが重要です。
特定技能外国人の雇用については、以下の記事でより詳しく解説しています。人手不足の解消策として、特定技能での中国人材の活用も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
・【特定技能】外国人労働者の受け入れ可能な分野・業種と受け入れ方
・在留資格「特定技能1号・2号」とは?「技能実習」の違いや雇用側の条件
留学生をアルバイトで雇用する
日本の大学や専門学校で学ぶ中国人留学生の中には、アルバイトを希望する人も多くいます。留学生を採用することで、即戦力としての活躍が期待できるだけでなく、日本語能力の高い人材を確保できるメリットもあります。
ただし、留学生のアルバイトには、資格外活動許可の取得が必要です。入国管理局への申請は留学生本人が行いますが、企業側も必要書類を準備するなど、協力が求められます。
また留学生のアルバイトには、週28時間以内などの制限があることにも注意が必要です。ただし、夏休み・冬休みなどの長期休暇中は1日8時間までOKなど、様々なルールがあるため、採用前に確認しておくことをおすすめします。
留学生のアルバイト採用については、特有の注意点があります。詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
▶︎ 外国人アルバイトを採用する際の注意点は?特に留学生は注意を
中国人採用を成功させるポイントは?

採用後に長く活躍してもらうためには、企業側の受け入れ体制も重要です。
明確な評価基準・キャリアパスを示す
成果主義の傾向が強いため、「どのように評価されるのか」「どんな成長機会があるのか」を明確にするとモチベーションにつながります。
評価制度が曖昧だと離職につながるケースもあるため注意が必要です。
ロジカルでオープンな情報共有を心がける
中国人は結論から説明されることを好む傾向があり、
- 目的
- 理由
- 進め方
を筋道立てて共有することで仕事が進めやすくなります。
異文化理解を社内で共有する
中国人材が安心して働けるよう、上司・同僚が価値観の違いを理解しておくことも重要です。
- メンツ文化
- 率直な意見
- フラットな関係
といった特徴を共有するだけでも誤解が減り、定着率向上につながります。
まとめ
中国人材は意欲的で優秀な人が多く、中国市場への展開やインバウンド対応など多様な領域で即戦力として活躍します。一方で、仕事観や価値観には特有の傾向があるため、受け入れ側が理解しておくことが大切です。
自社のニーズに合った採用方法を選び、適切なマネジメントを行うことで、中国人材は企業の成長に大きく貢献してくれるでしょう。
外国人採用の手続きやビザに関する詳しい情報は、以下の記事も参考にしてください。
[外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説]