自動車整備分野で「特定技能」外国人を採用するための条件・業務内容・注意点を解説

「自動車整備分野でも特定技能が使えると聞いたが、うちの工場でも本当に受け入れられるのだろうか?」

こうした疑問を持つ採用担当者の方は多いのではないでしょうか。特定技能制度は、自動車整備士不足への対策として注目されている一方で、取得条件や任せられる業務範囲、企業側の要件が分かりづらい制度でもあります。

この記事では、自動車整備分野で特定技能外国人を採用する際に企業が事前に押さえておきたい条件・試験内容・業務区分・注意点を、制度の全体像から実務視点で解説します。

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在留資格「特定技能」とは?自動車整備分野での位置づけ

在留資格「特定技能」は、深刻な人手不足が続く産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人材の受け入れを目的として創設された制度です。現在、建設、介護、外食業など複数の分野で導入されており、自動車整備分野もその対象に含まれています。

特定技能1号・2号の違い

特定技能には「1号」と「2号」の2種類があります。

特定技能1号は、一定の技能と日本語能力を有する外国人が対象で、在留期間は通算で最長5年です。一方、特定技能2号は、より熟練した技能を持つ人材向けの在留資格で、更新に上限がなく、将来的な長期就労も可能とされています。

自動車整備分野では、現在のところ主に特定技能1号での受け入れが中心となっており、本記事でも特定技能1号を軸に解説します。

自動車整備分野が対象となった背景

自動車整備業界では、車両の高度化に伴い専門的な知識や技能が求められる一方、担い手不足が慢性化しています。特定技能制度は、こうした課題に対応するための選択肢の一つとして、多くの整備事業者から注目されています。

特定技能1号「自動車整備」を取得するための2つのルート

特定技能1号「自動車整備」を取得する方法は、大きく分けて次の2つがあります。企業としては、どのルートの人材を採用するかを事前に把握しておくことが重要です。

① 試験に合格するルート

1つ目は、自動車整備分野に関する技能試験と日本語試験に合格する方法です。
未経験者や海外在住者を採用する場合、このルートが一般的になります。

試験では、自動車整備士として必要な基礎知識や技能が問われるため、一定の学習期間が必要になります。

② 技能実習2号から移行するルート

2つ目は、自動車整備士職種・自動車整備作業に係る技能実習2号を良好に修了した人材が、特定技能へ移行する方法です。

このルートの人材は、すでに日本での実務経験があり、日本語能力も一定水準に達しているケースが多いため、企業側にとっては即戦力として期待しやすい特徴があります。

特定技能1号「自動車整備」に必要な試験内容

特定技能1号を取得するためには、原則として「技能試験」と「日本語試験」の両方に合格する必要があります。ただし、技能実習2号を修了している場合は、これらの試験が免除されます。

自動車整備分野特定技能評価試験の概要

自動車整備分野特定技能評価試験では、自動車の構造や機能、法規、整備作業に関する知識と実践的な技能が問われます。試験は学科試験と実技試験で構成されており、現場での基本的な作業を適切に行えるかどうかが評価されます。

試験は日本国内のほか、ベトナムやフィリピンなど海外でも実施されており、実施時期や詳細は日本自動車整備振興会連合会のウェブサイトで確認できます。

特定技能1号「自動車整備」で従事できる業務範囲

特定技能外国人が従事できる業務は、「主たる業務」と「関連業務」に区分されています。業務内容を正しく理解しておくことは、制度違反を防ぐうえでも重要です。

主たる業務(必ず任せられる業務)

特定技能1号「自動車整備」における主たる業務は、次の3つです。

  • 自動車の日常点検整備
  • 自動車の定期点検整備
  • 自動車の分解整備

これらは、自動車整備士として中心となる業務であり、特定技能外国人には確実な実務遂行能力が求められます。

関連業務(付随的に可能な業務)

主たる業務を行うことを前提に、関連業務にも付随的に従事することが認められています。具体的には、以下のような業務が該当します。

  • 整備内容の説明や関連部品の販売
  • 部品番号の検索・発注作業
  • 電装品(ナビ・ETC等)の取付作業
  • 板金塗装、洗車、清掃、部品運搬作業 など

これらは、多くの整備工場で日本人従業員が日常的に行っている業務であり、職場環境に慣れるための経験としても有効です。

参考:自動車整備分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針:国土交通省

自動車整備分野で特定技能外国人を受け入れる際の企業側の要件

特定技能外国人を受け入れるためには、企業側にもいくつかの要件が課されています。

事業所に関する要件

受け入れ事業所は、地方運輸局長の認証を受けた自動車整備事業場である必要があります。

協議会加入・行政対応の義務

また、自動車整備分野特定技能協議会への加入や、国土交通省による調査・指導への協力も求められます。制度運用に関する最新情報を把握するためにも、これらの対応は欠かせません。

雇用形態・契約時の注意点

特定技能外国人の雇用形態は、フルタイムの直接雇用のみと定められています。派遣形態は認められていません。

また、特定技能は転職が可能な在留資格であるため、働きやすい職場環境づくりや定着支援の取り組みも重要なポイントとなります。

特定技能外国人を採用する際に注意したいポイント

制度を正しく理解するだけでなく、実際の受け入れ体制を整えることが、長期的な戦力化につながります。

教育・指導体制の整備

入社後は、安全教育や作業手順の説明、日本語での指示に慣れるためのサポートが必要です。OJTやマニュアルの工夫によって、現場での不安を減らすことができます。

定着・離職防止のための工夫

キャリアパスの提示や、職場内でのコミュニケーション促進、生活面での相談体制なども、定着率向上に効果的です。特定技能外国人が安心して働ける環境づくりが、結果的に企業の安定した人材確保につながります。

まとめ

自動車整備分野で特定技能外国人を採用するには、試験合格や技能実習修了といった要件に加え、企業側にも事業所認証や協議会加入などの条件があります。

制度を正しく理解し、業務範囲や雇用ルールを守ったうえで受け入れ体制を整えることが、人手不足解消だけでなく、長期的な人材活用につながります。必要に応じて、専門家や支援機関の力を借りながら、計画的に採用を進めていきましょう。

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