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日本における外国人労働者数は?増加の推移や出身国別の割合も紹介

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日本で働く外国人女性

人手不足の深刻化にともない、外国人労働者の受け入れ策が拡大されています。日本における外国人労働者数は、どれくらい増加しているのでしょうか?

本記事では、日本の労働力不足の現状を押さえつつ、外国人労働者の雇用が今後どのような見通しなのかを解説します。

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日本は生産年齢人口が低下し、労働力不足に

日本の総人口は、少子化を背景に2008年をピークに減少に転じました。生産年齢人口(生産活動への従事が可能とされる15〜65歳の人口)については、2008年よりさらに前の1995年に8,700万人台のピークを迎えていて、当時と比較すると現在では1,000万人以上が減少したことになります。さらに、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。

一方、労働力人口(15歳以上で、かつ労働能力・意欲を持つ)は、65歳以上の増加が影響し、ここ数年微増となっています。とはいえ、やはり若年層はそもそもの人口が減少している事もあり、人手不足の解消には程遠い状況であるといえます。この状況が続けば、日本経済の停滞や衰退につながりかねません。そのため、政府は外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切っているのです。

出典:令和4年版高齢社会白書|内閣府

日本における外国人労働者数の推移

日本の総人口と生産年齢人口が減少している状況下で、逆に外国人労働者の数は増え続けています。

【過去最高を更新】今後も増加する見込み

厚生労働省の発表によると、日本における外国人労働者数(2023年10月末時点)は204万8,675人となり、過去最高を更新しました。前年より22万5,950人(12.4%)増加し、伸び率も前年の5.5%から12.4 %に上昇しています。

現在、日本各地で、また各産業において人手不足が叫ばれていますが、社会的・経済的に日本全体が外国人という新たな労働力に期待しており、この傾向は今後も続くと予想されます。少子高齢化が進む日本では、労働力不足が深刻化しており、外国人材への期待が高まっているからです。

政府も、一定の専門性・技能を持った外国人を幅広く受け入れる新たな在留資格を創設するなど、外国人労働者の受け入れ拡大に向けた取り組みを進めています。特に、2019年に創設された「特定技能」の在留資格では、介護や建設など14分野での外国人材の受け入れが可能になりました。この制度により、今後さらに外国人労働者数の増加が見込まれており、介護や建設、製造業などの分野で、外国人労働者の需要が高まっています。

特定技能を含む外国人の採用を予定している方は以下の記事もおすすめです。
▶︎【特定技能】外国人労働者の受け入れ可能な分野・業種と受け入れ方

介護職に従事する人材が期待される

とりわけ今後の大きな社会問題となっていくのは、終戦直後(1946-1950)に生まれた第一次ベビーブームの世代が介護を必要とする年代に差し掛かっていることです。このままでは、介護職に従事する人材の深刻な不足が予想され、海外からの介護に携わる人材を求める動きも強くなっています。日本政府もこうした深刻化する労働力不足に対して外国人人材を活用していくために、日本の企業が外国人を雇用しやすく、また外国人が働きやすくなるよう、様々な政策を導入しています。

例えば、特定技能ビザを新たに創設し、このビザでは一定の日本語能力と専門分野の技能を持つ外国人が、最長5年間日本で働くことができるようになっています。この特定技能ビザは、介護を含む多くの分野で活用されており、今後も介護分野を中心に外国人労働者の増加が見込まれています。

出典:令和4年版厚生労働白書|厚生労働省

アジア圏の出身国別外国人労働者の割合

日本で労働に従事するアジア圏からの外国人を出身国別の割合で見ると、トップはベトナム(518,364人)で、次いで中国(397,918人)、フィリピン(226,846人)と続きます。その他の上位にはネパール(145,587人)、ブラジル(137,132人)、インドネシア(121,507人)が含まれており、アジアを中心に非常に多国籍化していることが見てとれます​。

ちなみに、対前年増加率が大きい国は、インドネシア(56.0%増加)、ミャンマー(49.9%増加)、ネパール(23.2%増加)の3か国となっています。

出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

注目される外国人人材の雇用

これまでの外国人人材の活用というと、あくまでも留学生や技能実習生の「安価な労働力の補填」といった短期的な利益の確保という企業戦略の側面が強かったように思います。しかし今後は、このような短期的な戦略から「永続的な企業発展のための安定的で質の高い労働力の導入」という長期的な戦略へと転換していくことが重要になるのではないでしょうか。すなわち、彼らを日本人と同様に貴重な戦力として受け入れ、しっかりと育成し、十分に能力を発揮してもらうことができれば、企業のみならず、日本社会・経済に素晴らしい効果を生みだす可能性があるということになります。

日本人にはハードルの高いタスクへの期待

例えば、彼らは日本人とは異なった文化で育ってきています。日本人に比べて考え方が柔軟であったり、チャレンジ精神が旺盛であったり、これまで日本人にはなかった様々な発想や経験から、日本人の発想では困難だった課題を簡単に解決に導いてくれることがあるかもしれません。また、そもそも母国語が異なり外国語にも堪能なため、海外展開等での市場リサーチなど、彼らの強みを活かして日本人にとってはハードルの高いタスクをこなしてもらうことが期待できます。グローバル化が進む中で、外国人ならではの視点やスキルは、日本企業の競争力強化に大きく貢献することでしょう。多様な人材を活かすダイバーシティ経営の観点からも、外国人材の戦力化は欠かせません。

モノづくりの継承や地方創世への期待

もし、外国人人材をこのように長期的な視野に立ち戦略的に活用していくことができれば、過疎化した地方へも人材が循環し、古くから伝わる地域のモノ作りの技術や品質の維持、後世への継承にも一役買ってもらえる可能性が生まれるのではないでしょうか。それが企業の発展や更には地域の活性化、つまり地方創生に繋がるといっても過言ではないでしょう。外国人材の受け入れは、少子高齢化で衰退の一途をたどる地方にとって、活路を見出す重要な機会となり得ます。彼らが地域に溶け込み、地元の人々と交流を深めることで、新たな文化や価値観が生まれ、イノベーションのきっかけにもなるかもしれません。外国人材の力を地方創生に活かすという視点は、今後ますます重要になってくるでしょう。

医療や教育などの課題解決が不可欠

しかし一方で、現在すでに日本に在留している外国人については、医療や教育を始め様々な分野で課題が発生しています。特に日本語教育の分野では、2019年6月に日本語教育推進法が可決され、外国人人材の日本社会への定着のためにも国、自治体、企業の責任が明確にされました。企業でもこうした課題の解決に対して積極的に取り組み、行政や地域と共に貢献していくことができれば、最終的に社会的コストを減らすことにもなり、「良い企業」として社会的にも大きな評価を得て、企業価値の向上にも貢献するのではないでしょうか。それはCSR(企業の社会的責任)が重要視される昨今においては大変重要な企業活動になることは間違いありません。

例えば、外国人労働者とその家族のために、企業が日本語教育や子供の教育支援に積極的に関わったり、医療機関と連携して健康管理をサポートしたりすることも考えられます。また、地域社会とのつながりを深めるため、地域イベントへの参加や交流機会の提供なども効果的でしょう。こうした取り組みは、外国人労働者の定着と活躍を助けるだけでなく、企業イメージの向上にもつながります。外国人材の受け入れは、企業の社会的責任を果たす絶好の機会とも言えるのです。

このように、外国人人材は私たちが想像していた以上に日本社会において間接的にも新しい価値を創造してくれる可能性があるのです。

まとめ

日本における外国人労働者数は、少子高齢化に伴う労働力不足を背景に大幅に増加しており、今後もその傾向は続くと予想されています。特に介護分野をはじめ、様々な業界で外国人材の活躍が期待されています。企業としては、単なる労働力の確保という短期的な視点だけでなく、彼らを貴重な戦力として育成し、活かしていくという長期的な視点が重要です。外国人ならではの発想力やスキルを企業の競争力強化に活かしたり、地方創生の原動力としたりすることで、日本社会全体に新たな価値を生み出していくことができるでしょう。

一方で、外国人材の受け入れには、言語や文化、教育、医療など、様々な課題も存在します。企業は、行政や地域と連携しながら、これらの課題解決に積極的に取り組むことが求められます。それは企業の社会的責任であり、ブランド価値の向上にもつながる重要な活動なのです。

外国人労働者の受け入れは、日本の未来を左右する重要な課題です。企業も社会の一員として、その課題解決に向けて積極的に関わっていく必要があります。多様な人材が活躍できる環境を整備し、外国人材の力を最大限に引き出していくことが、日本の持続的な発展につながるのです。

また、外国人の採用を予定している方は以下の記事もおすすめです。
外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説
採用担当者必見!外国人を雇用するまでの流れと手続きを解説

参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

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