飲食店の人手不足解消は外国人採用がカギ!雇用メリットや注意点を解説
飲食業界では慢性的な人手不足が続いており、外国人採用が注目を浴びています。2019年に出入国管理及び難民認定法(以下入管法)が改正され、特定技能という新しい在留資格が創設されたことで、飲食業界でも外国人を正社員として雇用できるようになりました。これにより、外国人材の活用が飲食店の人手不足解消の鍵となっています。
今回は、飲食店で外国人を採用するメリットや注意点、就労できる在留資格の種類などについて詳しく解説します。外国人採用を検討している飲食店経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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Contents
飲食業界が人手不足になっている原因
飲食業界が人手不足に陥っている主な原因としては、激務というイメージ、マルチなスキルの必要性、過剰なサービス疲れ、不規則なシフトなどが挙げられます。特に、早朝から深夜までの長時間労働や、接客・調理・清掃など幅広い業務をこなす必要があることから、若者を中心に敬遠される傾向にあります。また、お客様第一主義の風潮から過剰なサービスを求められ、従業員が疲弊してしまうケースも少なくありません。
飲食店で外国人を雇用するメリット
外国人材を雇用することで、飲食店にはさまざまなメリットがあります。ここでは、その主なメリットを3つ紹介します。
1. 外国人のお客様に対応できる
訪日外国人の増加に伴い、外国人のお客様が飲食店を利用する機会も増えています。外国人スタッフを採用することで、言語の壁を超えたスムーズな接客が可能になります。母国語で注文を取ったり、メニューの説明をしたりと、外国人のお客様に満足いただけるサービスを提供できるでしょう。
2. 若い人材を確保できる
外国人労働者の多くは20代〜30代の若者です。日本語習得に意欲的で、キャリアアップを目指す向上心の高い人材が多いことが特徴です。飲食業界の人手不足は若年層の採用難が原因の一つとされていますが、外国人材を積極的に採用することで、働き盛りの若手スタッフを確保することができます。
3. 異文化交流により職場を活性化できる
外国人スタッフを迎え入れることで、日本人スタッフとの異文化交流が生まれます。お互いの文化や価値観を学び合うことで、コミュニケーション能力や多様性の理解が深まり、職場に新しい風を吹き込むことができるでしょう。また、外国人スタッフの語学力の高さは、日本人スタッフの語学学習のモチベーションアップにもつながります。
飲食店で外国人を雇用する際の注意点
外国人の雇用には、メリットだけでなく注意すべき点もあります。スムーズな採用と適切な労務管理のために、以下の2つの点に留意しましょう。
1. 在留資格の確認が必要
外国人を雇用する際は、在留資格の確認が欠かせません。就労可能な在留資格でなければ、飲食店で働くことはできないためです。採用前に、必ず在留カードで在留資格と在留期間を確認しましょう。在留資格については、次の項目で詳しく解説します。
2. 日本の文化やマナーを教える
外国人スタッフを受け入れる際は、日本特有の文化やマナーを丁寧に教えることが大切です。特に接客業では、お辞儀の仕方や敬語の使い方など、日本のサービス文化に適応してもらう必要があります。一朝一夕では身につかないことも多いので、根気強く指導していきましょう。また、ラマダンなど宗教上の理由で食事制限があるスタッフには、個別に対応することも必要です。
飲食店で就労できる在留資格の種類
飲食店で働ける在留資格にはさまざまな種類があります。雇用形態別に雇用できる在留資格をまとめましたので、採用の前に確認しておきましょう。
アルバイトとして雇用できる在留資格
1. 在留資格「留学」
週28時間以内であれば、留学生をアルバイトとして雇用できます。
2. 在留資格「家族滞在」
家族滞在の在留資格を持つ外国人は、一定の条件の下でアルバイトが可能です。
外国人アルバイトを採用する際は、在留資格の制限に十分注意しましょう。特に留学生の場合、在留資格「留学」では週28時間以内の勤務しかできません。また、資格外活動許可を取得しているかどうかも確認が必要です。
外国人アルバイトの採用における注意点について、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
▶︎ 外国人アルバイトを採用する際の注意点は?特に留学生は注意を
正社員として雇用できる在留資格
1. 在留資格「技能」
調理師免許を持つ外国人は、飲食店の調理スタッフとして雇用できます。
2. 在留資格「特定活動46号」
外国料理店におけるホールスタッフや調理スタッフなどとして就労できます。
3. 在留資格「特定技能」
飲食料品製造業全般に従事することができる在留資格です。
在留資格「特定技能」は、深刻な人手不足に悩む特定の産業分野において、一定の専門性・技能を持つ外国人材の受け入れを可能にする制度です。飲食業界もその対象であり、外国人材の活用が期待されています。
特定技能での外国人材の受け入れについて、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
▶︎【特定技能】外国人労働者の受け入れ可能な分野・業種と受け入れ方
就労に制限のない在留資格
永住者や日本人の配偶者など、身分系の在留資格を持つ外国人は、就労に制限がありません。
以上のように、飲食店で外国人を雇用できる在留資格は複数あります。
なお、外国人を採用する際は、就労可能な在留資格を持っているかどうかの確認が欠かせません。在留資格の種類によって、働くことのできる職種や業務内容が異なります。
ビザの種類と申請に必要な書類について、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
▶︎ 外国人の就労ビザの種類と申請時の必要書類について
採用後は「外国人雇用状況届出」を忘れずに
外国人を雇用する際の手続きは、基本的に日本人の採用と同じです。社会保険や雇用保険の加入など、必要な手続きを滞りなく進めましょう。ただし、外国人雇用特有の手続きとして、「外国人雇用状況届出」があります。
外国人スタッフを採用または離職した際は、その都度、最寄りのハローワークまたは厚生労働省管轄のオンラインシステムを通じて、外国人雇用状況を届け出る必要があります。届出義務を怠ると、30万円以下の罰金が科される可能性があるので注意が必要です。
外国人スタッフの雇用保険手続きについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事もチェックしてみてください。
▶︎ 外国人の雇用保険手続きはどうすればいい?注意点も解説
まとめ
飲食店の人手不足解消には、外国人材の活用が欠かせません。グローバル化が進む中、多様な人材を受け入れることは、飲食店の成長につながるはずです。
外国人スタッフを採用する際は、在留資格の確認や文化・マナーの教育など、注意すべきポイントがあります。また、採用後の手続きとして、外国人雇用状況の届出を忘れずに行いましょう。
外国人雇用のメリットを最大限に生かすには、日本人スタッフとのコミュニケーションを大切にし、働きやすい環境を整えることが重要です。ぜひ本記事を参考に、外国人材の活用を検討してみてください。
なお、実際に外国人を雇用する際に必要な準備や手続きについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
[外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説]