英語が通じやすい技能実習生の送り出し国は?国別の英語レベルと企業側の対応ポイント
技能実習生は来日前に日本語学習を行っていますが、実際の現場では「思ったより意思疎通が難しい」と感じるケースも少なくありません。
そのようなとき、英語を補助的に使ったコミュニケーションが役立つ場合があります。送り出し国によって英語の習熟度には差があるため、あらかじめ傾向を把握しておくことは、受け入れ企業にとって大きな助けになります。
この記事では、技能実習生の主な送り出し国と英語レベルの傾向、そして企業側が意識したいコミュニケーションの工夫について解説します。
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Contents
技能実習生の送り出し国と英語レベルは?

技能実習制度では、アジアを中心にさまざまな国から人材が来日します。国によって公用語や教育事情が異なるため、英語の通じやすさにも違いがあります。
技能実習生の主な送り出し国とは
技能実習生の送り出し国には、フィリピン、ベトナム、インドネシア、中国、ミャンマー、ネパールなどがあります。
英語を公用語・準公用語としている国もあれば、英語教育が十分に行われていない国もあり、同じ「技能実習生」であっても言語面の前提条件は一様ではありません。
英語能力指数(EF EPI)から見る国別の英語力
英語力の目安として、世界的に使われている「英語能力指数(EF EPI)」があります。この指標を見ると、送り出し国ごとに英語レベルの傾向が見えてきます。
参考までに、日本の英語能力指数は457で、「低い」レベルに分類されています。これは中国と同程度であり、日本企業側も英語が必ずしも得意とは言えない状況にあることがわかります。
| 送り出し国 | 公用語 | 準公用語 | 英語能力指数 |
|---|---|---|---|
| フィリピン | フィリピン語 | 英語 | 578(高い) |
| インド | ヒンディー語 | 英語 | 504(標準的) |
| ベトナム | ベトナム語 | なし | 505(標準的) |
| パキスタン | 英語、ウルドゥー語(国語) | なし | 497(低い) |
| バングラデシュ | ベンガル語 | なし | 504(標準的) |
| スリランカ | シンハラ語、タミル語 | なし | 491(低い) |
| ミャンマー | ビルマ語 | なし | 450(非常に低い) |
| モンゴル | モンゴル語 | なし | 482(低い) |
| ウズベキスタン | ウズベク語 | なし | 442(非常に低い) |
| ペルー | スペイン語 | ケチュア語、アイマラ語 | 521(標準的) |
| ネパール | ネパール語 | 英語 | 507(標準的) |
| カンボジア | クメール語 | なし | 421(非常に低い) |
| インドネシア | インドネシア語 | なし | 473(低い) |
| タイ | タイ語 | なし | 416(低い) |
| 中国 | 中国語 | なし | 464(低い) |
| ラオス | ラーオ語 | なし | データなし |
英語での意思疎通がしやすい送り出し国
英語を公用語、または日常的に使っている国からの技能実習生は、英語を使ったコミュニケーションが比較的取りやすい傾向があります。
フィリピン:英語が公用語の一つ
フィリピンは英語を公用語の一つとしており、アジア諸国の中でも英語使用率が非常に高い国です。過去にアメリカ統治下にあった歴史的背景から、教育や行政の場でも英語が広く使われています。
そのため、フィリピン人技能実習生は、英語での基本的な会話ができるケースが多く、受け入れ初期の意思疎通が比較的取りやすいといえるでしょう。
ただし、フィリピン独特の訛りがある場合もあるため、聞き取りに慣れる姿勢も大切です。
インド:準公用語として英語が定着
インドも、イギリス統治時代の影響により英語が準公用語として使われています。教育水準や地域差はありますが、英語を使った意思疎通が可能な技能実習生も少なくありません。
フィリピンと同様、まずは英語で話しかけてみることで、相互理解が進みやすくなるでしょう。
英語教育が進んでいる国(標準的レベル)
英語が公用語ではなくても、近年の教育改革により英語力が向上している国もあります。
ベトナム、バングラデシュ、ペルー、ネパールなどは、英語教育に力を入れている国です。若年層を中心に英語への抵抗感が少なく、簡単な会話や単語であれば理解できるケースも見られます。
これらの国から技能実習生を受け入れる場合は、
- ゆっくりとした日本語
- 簡単な英語表現
を組み合わせて話すことで、理解を助けやすくなります。
英語での対応が難しい国の場合の考え方

一方で、英語能力指数が「低い」または「非常に低い」とされる国も多く存在します。
英語レベルが低い・非常に低い国の傾向
ミャンマー、カンボジア、中国、ウズベキスタンなどは、英語教育の歴史が浅く、英語が十分に通じないケースが多い国です。
パキスタンやスリランカは英語の歴史はあるものの、インドほど普及しているわけではありません。
企業側が意識したいコミュニケーションの工夫
これらの国から技能実習生を受け入れる場合は、英語に頼りすぎない姿勢が重要です。
- 短く、簡単な日本語で話す
- 身振り手振りや図・写真を活用する
- 英語は単語レベルにとどめる
といった工夫をすることで、現場での混乱を防ぎやすくなります。
技能実習生の日本語能力の目安を理解しておく
技能実習生は、一定の日本語能力を満たしたうえで来日していますが、現場での会話力には個人差があります。
入国要件とされる日本語能力(N4レベル)とは
技能実習生の入国要件は、日本語能力試験(JLPT)のN4相当とされています。N4は「基本的な日本語を理解できるレベル」とされており、日常会話であれば、ゆっくり話せば理解できる程度です。
ただし、専門用語や業務指示まで十分に理解できるとは限りません。
現場で起こりやすいギャップ
実際の現場では、
- 聞き取りはできても話すのが苦手
- 作業用語が理解できない
といったギャップが生じやすくなります。こうした点を踏まえた対応が必要です。
英語を交えたコミュニケーションが企業にもたらすメリット
英語対応は技能実習生のためだけでなく、企業側にもプラスの効果があります。
業務理解の向上とミス防止につながる
作業手順や注意点を、日本語と英語を組み合わせて伝えることで、理解不足によるミスやトラブルを防ぎやすくなります。
社内のグローバル対応力を高めるきっかけに
「Good morning」「How are you?」といった簡単な英語を日常的に使うだけでも、職場の雰囲気が和らぎ、相互理解が深まります。
技能実習生の受け入れを、社内の多文化理解や人材育成の機会として捉えることもできるでしょう。
まとめ
技能実習生の日本語能力に不安がある場合、英語が比較的通じやすい送り出し国を理解しておくことは、受け入れ企業にとって有効な判断材料になります。
英語はあくまで補助的なツールですが、片言でも使おうとする姿勢が、技能実習生との信頼関係づくりにつながります。
言語面での工夫を重ねることで、技術指導や日常業務が進めやすくなり、結果として企業の国際対応力の向上にもつながるはずです。