ビジネス日本語「いってこい(ittekoi)」の意味とは?使い方・言い換え表現まで徹底解説

日本語の「いってこい(ittekoi)」は、日常会話でも耳にする表現ですが、実はビジネスシーンでも独特の使い方をされることがあります。
特に世代や場面によって異なる意味で使われることがあり、外国人にとっては少しわかりにくいことも。
この記事では、「いってこい」の基本的な意味から、ビジネスでの使い方、英語表現や言い換え表現まで、わかりやすく解説します!
Contents
「いってこい(ittekoi)」とは?

日本語の「いってこい」には、主に2つの意味があります。
ここでは、それぞれの意味について見ていきましょう。
行ってきなさい
まずは「行ってきなさい」という意味です。
「いってこい」は「行って来い」と書くと、「行ってくる」の命令形になります。
たとえば、上司が「営業先にいってこい」と言えば、「行って戻ってきてね」という指示になります。
差し引きゼロ
もうひとつの使い方は、「差し引きゼロ」という意味。
たとえば、新しい施策で売上が増えたけれど、経費も増えて結局はプラマイゼロだった…
そんなときに「いってこいだったね」と表現されます。
中高年のビジネスパーソンがよく使う言い回しです。
「プラスマイナスゼロ」について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
▶︎ 日本語の「プラマイゼロ (puramaizero)」とは?意味や言い換え表現、英語表現まで紹介
「いってこい(ittekoi)」にあたる英語表現

「行ってきなさい」の意味を英語で表現すると、“Go” や “Go ahead” といった表現が使えます。
一方、「差し引きゼロ」の意味では、“break even” や “come out even” がぴったり。
「収支がトントンだった」と言いたいときによく使われます。
ややビジネス寄りの言い回しとして、“offset” という単語もありますが、少し専門的な印象を与えることもあるので注意が必要です。
「いってこい(ittekoi)」のビジネスシーンでの使い方

続いて、ビジネスシーンで「いってこい」がどう使われるのか、例文を交えて見ていきましょう。
「売上は伸びたけど、広告費もかかったから、いってこいだったね」 |
成果とコストが相殺されて、実質的に変化がなかった状況を表す言い方。
「せっかく進んだプロジェクトが、方針変更でまた振り出しに。いってこい状態だよ」 |
前に進んだと思ったのに戻ってしまった、そんな停滞感や無駄になった感覚を伝えられます。
「相場が一度上がったのに、すぐ戻ってきたな。いってこいの動きだったね」 |
値動きがあったものの、最終的に元の水準に戻ったことをシンプルに表現。
このように、「いってこい」は一時的な変化があっても、最終的に何も変わらなかったような場面でよく使われます。
ただし、ややくだけた印象もあるので、フォーマルな場では言い換えた方が伝わりやすい場合もあります。
いってこい(ittekoi)の類語・言い換え表現は?

「いってこい」は少し口語的な言い回しなので、場面によっては別の表現に言い換えた方が伝わりやすいこともあります。
ここでは、意味が近い代表的な言い換えを紹介します。
プラマイゼロ
「プラスマイナスゼロ」の略で、得たものと失ったものが釣り合って、結果的に変化がなかったときに使います。
ビジネスでも日常会話でもよく使われる表現です。
▶︎「プラマイゼロ」の使い方についても気になる方はこちらから
「プラマイゼロ」ってどういう意味?使い方・言い換え・英語表現もチェック!
チャラ
もともとの意味は「帳消しにする」や「無かったことにする」という表現。
お金のやり取りや貸し借りなど、日常的でカジュアルな場面で使われることが多いです。
トントン
「ほぼ同じ」「大差がない」といった意味で、交互のやり取りやバランスが取れている状況に使われます。
損も得もなかったことを、柔らかく伝える表現です。
相殺
ややフォーマルな言い方ですが、「互いに打ち消し合ってゼロになる」という意味で、ビジネス文書などでも使われます。
会話よりも文章で使うことが多い表現です。
振り出しに戻る
「いってこい」が「進んだけどまた戻った」というニュアンスで使われる場合には、この表現が近くなります。
計画の変更や方針転換など、何かをやり直す状況にぴったりです。
「いってこい(ittekoi)」を使う際の注意点

「いってこい」は、特に中高年のビジネスパーソンに馴染みのある表現です。
若い世代やカジュアルな場では意味が伝わりにくいことも。
ビジネスの場でも、相手や状況によっては「プラマイゼロ」や「相殺」などの言い換え表現にした方が、誤解を避けやすくなります。
伝えたい内容や場面に合わせて、使い分けを意識しましょう。
まとめ
「いってこい」は、場面によって意味が変わる日本語らしい表現のひとつです。
特にビジネスでは、成果と損失が相殺された状況などでよく使われます。
ただし、やや古めの表現でもあるため、使う相手やシーンに応じて言い換えを考えるのが安心。今回紹介したポイントを参考に、自然に使いこなしましょう!
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