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外国人採用で知っておきたい「労働保険」の知識とは?

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今回は、「労働保険」について解説します。事業所は1人でも労働者を雇用していれば、「労働保険」に入らなければなりません。当然ですが、外国人採用の際にも加入が必須となります。

また、雇用保険と社会保険について知りたい方は以下の記事もおすすめです。

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「労働保険」にはどんな保険がある?

「労働保険」とは、労働者災害補償保険「労災保険」と「雇用保険」の2つの保険をいいます。

「労災保険」とは?

「労災保険」とは、業務中や通勤途中で負傷をしてしまった場合や、業務が原因で病気になってしまったような場合に、治療費や病気で働くことができない期間の給料を補償することを目的とした保険をいいます。労働者本人およびそのご遺族も補償されます。

仮に採用した外国人がオーバーステイ等により適法な在留資格を保有していないいわゆる不法就労の外国人であっても、会社の指揮命令下で就労させている場合には本保険の適用対象となります。

外国人労働者に労災事故が起こった場合には、日本人と同様の手続きが必要です。

このような労働災害が発生し労働者が負傷をした場合、または事故等の被災による怪我で4日以上休業をした場合には、会社は管轄する労働基準監督署の所長に対し、「労働者死傷病報告書」を提出する必要があります(労働安全衛生法100条、同規則97条)。

万が一労災事故が発生した後、
①故意に「労働者死傷病報告書」を提出しない、
②報告書に虚偽の内容を記載して提出する、
ことは「労災かくし」となり、50万円以上の罰金に処せられることがあります(労働安全衛生法120条5号)ので注意が必要です。

「労災保険」の加入者及び保険料

⑴ 被保険者(必ず加入する人):

パートタイム・日雇・アルバイトを含むすべての労働者です。当然、外国人労働者も含みます。外国人採用の観点からは、「留学」や「特定活動」(ワーキングホリデー)の在留資格を保有する外国人も加入することに注意してください。ただし、例外的に常時5人未満の労働者を雇用する個人経営の農林水産業で一定の条件を満たしている労働者は任意加入となっています。

※「経営・管理」の保有者で代表取締役などに該当する外国人は原則適用除外(被保険者にならない)ですが、「特別加入」により加入が可能です。

⑵ 保険料

保険料は仕事の内容により異なりますが、おおむね賃金総額の0.25%~0.89%となっています。保険料は全額事業主負担です。

「雇用保険」とは?

「雇用保険」とは、会社に雇用されて働いている人が入る保険で、会社都合または自己都合で離職したときに、次の仕事がみつかるまでの期間の生活費を補償するものです。会社は労働者を1名でも雇用していれば必ず加入しなければなりません。

「雇用保険」の加入者、保険料の支払いと保険料(原則)

⑴ 被保険者(加入する人):

 ① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

 ② 31日以上の雇用見込みがあること※

   ※31日以上雇用が継続しないことが明確である場合を除き該当する

ただし、個人経営の農林水産業で、雇用する労働者が常時5人未満の場合は任意加入。

⑵ 保険料を支払う人:

会社と労働者がそれぞれ負担

⑶ 保険料

保険料は仕事の内容により異なりますが、おおむね賃金総額の0.9%~1.2%となっています。

「雇用保険」の被保険者とは(一般的なケース)

外国人採用の観点からは、以下の点に注意が必要です。

「留学」(昼間学生)と「特定活動」(ワーキングホリデー)を保有する外国人は「雇用保険」の被保険者となりません(=適用除外)。
「経営・管理」の保有者は原則被保険者とはなりませんが、使用人兼役員のように会社と雇用契約を結んでいる場合や、会社の指示命令により従事していることが明確な場合には、「雇用保険」の被保険者になる場合もあります(個別案件はハローワークに問い合わせ願います)。

「雇用保険」の被保険者とは(例外的なケース)

外国人採用の中でも例外的なケースとなりますが、会社で働く外国人が、日本の会社ではなく外国の会社と雇用契約が締結されている場合で、給料の全額をその外国の会社から支払われている場合にも被保険者(=「雇用保険」の適用の対象とならない)となります。
仮に日本の会社と雇用関係が締結されていれば、日本の会社からの支払いがなくても「雇用保険」に加入することとなりますが、現実的に給料の支払いがないので、保険料は発生せず、失業時の補償を受けることもできません。

「雇用保険」加入手続きについて

「雇用保険」の被保険者となる外国人を採用した場合、「雇用保険被保険者資格取得届出」を、事業所を管轄するハローワークに対し雇入れ日の月の翌月10日までに提出することが必要です。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000088973.pdf

また、「雇用保険」の被保険者ではない外国人(「留学」「特定活動」の保有者)については、「外国人雇用状況届出書」を提出します。

https://jsite.mhlw.go.jp/shizuoka-roudoukyoku/content/contents/000545607.pdf

なお、令和2年3月1日以降に雇用、離職をした外国人についての「外国人雇用状況届出書」では、在留カード番号の記載が必要となります。


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