外国人ITエンジニア採用とは?メリット・ビザ・手続き・注意点まで解説

外国人のITエンジニアがパソコンでコードを書いている様子

IT人材の不足が続くなか、「外国人ITエンジニアの採用」を検討する企業が増えています。一方で、「採用できるのか」「ビザや手続きはどう進めるべきか」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。外国人ITエンジニアの採用には、メリットだけでなく注意点や準備すべき手続きもあります。

本記事では、外国人ITエンジニア採用の背景や特徴、メリット・注意点に加えて、ビザや手続き、具体的な採用方法までを解説します。これから外国人エンジニアの採用を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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Contents

IT人材不足が進む中、外国人ITエンジニア採用が注目される理由

IT業界では人材不足が長期的な課題となっており、国内人材だけでの確保が難しくなっています。こうした背景から、外国人ITエンジニアの採用を現実的な選択肢として検討する企業が増えています。ここでは、その理由を整理します。

IT人材不足の現状と将来予測

経済産業省の調査によると、IT人材は今後も不足が続き、2030年には最大で約79万人が不足すると試算されています。AIやIoT、クラウドなどの技術が急速に普及する中で、エンジニアの需要はさらに高まっています。

一方で、少子高齢化の影響により国内の労働人口は減少しており、日本人エンジニアのみでこの需要を満たすのは難しい状況です。採用競争も激化しており、企業側にとって人材確保の難易度は年々上がっています。

外国人ITエンジニア採用が広がっている背景

こうした状況のなかで注目されているのが、外国人ITエンジニアの採用です。海外には若くてスキルの高いエンジニアが多く、日本企業での就業を希望する人材も一定数存在します。

また、英語での開発やリモートワークの普及により、国籍に関係なく人材を採用しやすい環境が整いつつあります。実際に、外国人エンジニアを採用する企業は年々増えており、グローバルな人材確保が一般的になりつつあります。

外国人ITエンジニアの特徴とは

外国人ITエンジニアを採用する際は、スキルだけでなく人材の傾向や特徴を理解しておくことが大切です。ここでは、採用時に押さえておきたい代表的な特徴を紹介します。

技術志向・スキル習得意欲が高い人材が多い

海外のIT人材は、専門分野に特化してスキルを磨いているケースが多く、特定の技術領域に強みを持つ人材が多いのが特徴です。特にインドや東南アジアでは、IT教育が盛んで、実務レベルのスキルを持つ若手エンジニアも多く存在します。

また、キャリアアップや収入向上を目的に海外就職を目指す人も多く、新しい技術の習得に前向きで、主体的に学び続ける姿勢が見られる点も特徴の一つです。

英語での業務に対応できるケースが多い

外国人ITエンジニアの多くは、英語でのコミュニケーションに対応できるため、英語を共通言語とした開発体制を構築しやすいという特徴があります。

特にグローバル案件や海外展開を見据えている企業にとっては、英語での業務が可能な人材を確保できる点は大きなメリットといえます。一方で、日本語力には個人差があるため、業務上どの程度の日本語力が必要かを事前に整理しておくことが重要です。

国ごとに人材の特徴が異なる

外国人ITエンジニアといっても、出身国によって特徴は異なります。たとえば、インドは高度なIT教育を受けたエンジニアが多く、英語力が高い傾向があります。一方、ベトナムは勤勉でチームワークを重視する人材が多いといわれています。

このように国ごとの傾向を理解しておくことで、自社の開発体制やカルチャーに合う人材を見極めやすくなります。

外国人ITエンジニアを採用するメリット

外国人ITエンジニアの採用は、人材確保の選択肢を広げるだけでなく、組織や事業にもさまざまなプラスの影響をもたらします。ここでは、企業にとっての主なメリットを見ていきましょう。

優秀で意欲の高い人材を確保できる

海外には、スキルアップやキャリア成長を目的に日本での就業を希望するエンジニアが多くいます。そうした人材は、技術習得に前向きで、自ら学び続ける姿勢を持っているケースが多いのが特徴です。

また、日本国内では採用が難しい高度なスキルを持つエンジニアに出会える可能性もあり、採用の幅が広がります。結果として、チーム全体の技術力向上にもつながります。

若手エンジニアの採用につながる

日本ではエンジニアの平均年齢が上がる傾向にある一方で、海外には若くて優秀なIT人材が多く存在します。特に新興国では若年層の人口が多く、20代のエンジニア層が厚いのが特徴です。

将来の中核人材となる若手エンジニアを採用できる点は、長期的な組織づくりにおいても大きなメリットといえます。

多様性によるイノベーションが生まれる

異なるバックグラウンドを持つ人材が加わることで、これまでにない視点やアイデアが生まれやすくなります。開発においても、多様な考え方が組み合わさることで、課題解決の幅が広がります。

また、異文化コミュニケーションを通じてチーム内の理解が深まり、組織全体の柔軟性向上にもつながります。

海外展開・グローバル対応がしやすくなる

外国人エンジニアを採用することで、海外市場への展開やグローバル案件への対応がしやすくなります。現地の言語や文化に理解のある人材がいることで、ビジネスを進めやすくなるケースもあります。

将来的に海外展開を視野に入れている企業にとっては、採用段階からグローバル人材を取り入れておくことが大きな強みになります。

外国人ITエンジニア採用の注意点

外国人ITエンジニアの採用には多くのメリットがありますが、事前に理解しておきたい注意点もあります。採用後のミスマッチやトラブルを防ぐためにも、ポイントを押さえましょう。

日本語力・コミュニケーションの課題

外国人エンジニアの中には、日本語が堪能な人材もいれば、英語中心で業務を行う人材もいます。日本語力には個人差があるため、業務に必要なレベルを事前に明確にしておくことが大切です。

たとえば、社内のドキュメントや会議が日本語中心の場合は、一定の日本語力が求められます。一方で、英語でのコミュニケーションが可能な環境であれば、採用の幅を広げることができます。どの言語を基準に業務を進めるのか、社内で方針を決めておくとよいでしょう。

文化・価値観・宗教への配慮

出身国によって、働き方や価値観、宗教的な習慣が異なります。たとえば、礼拝の時間が必要なケースや、食事制限があるケースもあります。

こうした違いを理解し、柔軟に対応することが、円滑な職場環境づくりにつながります。一方的にルールを押し付けるのではなく、事前に本人とすり合わせを行い、お互いに納得できる形を探ることが重要です。

受け入れ体制(社内整備)が必要

外国人エンジニアを採用しても、受け入れ体制が整っていなければ定着につながりません。オンボーディングや業務フォロー、生活面のサポートなど、継続的な支援が必要になります。

また、チーム内でのコミュニケーション方法や評価基準についても、外国人材にとってわかりやすい形に整備しておくことが大切です。採用だけでなく、その後の活躍を見据えた体制づくりが求められます。

外国人ITエンジニア採用に必要なビザ(在留資格)

外国人ITエンジニアを採用する際は、業務内容に合った在留資格(ビザ)を取得しているか、または取得できるかを確認する必要があります。ここでは、エンジニア採用で主に関係する在留資格について整理します。

主な在留資格(技術・人文知識・国際業務)

ITエンジニアとして働く場合、最も一般的なのが「技術・人文知識・国際業務」の在留資格です。

この在留資格では、システム開発やプログラミング、インフラ構築など、IT分野の専門知識を活かした業務に従事することができます。取得には、大学や専門学校で関連分野を専攻していること、または一定の実務経験があることが求められます。

採用時には、学歴や職歴が業務内容と関連しているかを確認することが重要です。要件を満たしていない場合、在留資格が取得できない可能性があります。

高度専門職との違い

高度なスキルや実績を持つ人材の場合、「高度専門職」の在留資格が適用されることもあります。

高度専門職は、年収や学歴、職歴などをポイントで評価する制度で、条件を満たすと在留期間が長くなる、家族帯同の要件が緩和されるなどのメリットがあります。企業にとっても、優秀な人材を長期的に確保しやすい点が特徴です。

ただし、一般的なエンジニア採用では「技術・人文知識・国際業務」が中心となるため、まずはこちらの理解を優先するとよいでしょう。

在留資格の確認方法

すでに日本に在留している外国人を採用する場合は、在留カードを確認することで在留資格や就労可否をチェックできます。

確認するポイントは以下のとおりです。
・在留資格の種類(エンジニア業務に該当しているか)
・在留期間(期限が切れていないか)
・就労制限の有無

また、業務内容と在留資格が一致しているかも重要です。資格の範囲外の業務に従事させてしまうと、不法就労とみなされるリスクがあるため注意が必要です。

外国人ITエンジニア採用の手続きの流れ

外国人ITエンジニアを採用する際は、日本人採用とは異なり、在留資格に関する手続きが必要になります。ここでは、採用から入社までの基本的な流れを紹介します。

採用〜入社までの基本フロー

外国人ITエンジニアの採用は、以下のような流れで進みます。

まず、通常の採用と同様に書類選考や面接を行い、内定を出します。その後、在留資格の申請手続きに進みます。

海外在住の人材を採用する場合は「在留資格認定証明書交付申請」を行い、日本国内にいる人材の場合は「在留資格変更許可申請」を行うのが一般的です。申請が許可されると、入社手続きへと進みます。

なお、ビザの審査には一定の期間がかかるため、入社までに時間を要する点も考慮しておく必要があります。

企業側が準備する書類

在留資格の申請では、企業側もさまざまな書類を準備する必要があります。主なものとしては、以下が挙げられます。

・雇用契約書
・会社概要(登記簿謄本など)
・決算書類
・業務内容の説明資料

これらの書類は、外国人が従事する業務の内容や、企業の安定性を示すために必要となります。不備があると審査に影響するため、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

手続きにかかる期間の目安

在留資格の申請から許可までには、一般的に1〜3ヶ月程度かかります。申請内容や時期によっては、それ以上かかるケースもあります。

そのため、採用計画を立てる際は、通常の採用スケジュールに加えて、ビザ申請にかかる期間も見込んでおく必要があります。特に急募の場合は、すでに日本で就労可能な在留資格を持つ人材を優先的に検討するのも一つの方法です。

外国人ITエンジニアの採用方法

外国人ITエンジニアの採用にはいくつかの方法があり、自社の採用体制や目的に応じて使い分けることが重要です。それぞれの特徴を理解し、適した手法を選びましょう。

人材紹介会社を活用する

外国人材に特化した人材紹介会社を利用する方法です。要件に合った候補者を紹介してもらえるため、採用工数を抑えながら効率的に進めることができます。

また、在留資格や採用手続きに関するサポートを受けられるケースもあり、初めて外国人採用を行う企業にとっては取り入れやすい手法です。一方で、紹介手数料が発生するため、コスト面は事前に確認しておく必要があります。

求人サイト・ダイレクトリクルーティング

求人サイトに掲載したり、ダイレクトリクルーティングを行ったりする方法もあります。英語対応の求人媒体や、外国人登録者の多いサービスを活用することで、幅広い候補者にアプローチできます。

自社で候補者を選定できるため、採用の自由度が高い一方で、選考やコミュニケーションにかかる工数は増える傾向があります。

自社採用(採用ページ・SNS)

自社の採用ページやSNSを活用して外国人エンジニアを募集する方法です。企業の魅力や働き方を直接伝えられるため、採用ブランディングにもつながります。

英語や複数言語で情報を発信することで、海外からの応募も期待できます。特にスタートアップやIT企業では、SNSを活用した採用が有効なケースもあります。

リファラル採用

社員からの紹介によって採用するリファラル採用も、有効な手法の一つです。既存社員とのつながりがあるため、企業文化との相性を事前に把握しやすく、ミスマッチを防ぎやすいという特徴があります。

一方で、紹介に依存しすぎると採用の幅が狭くなる可能性もあるため、他の採用手法と組み合わせて活用することが望ましいでしょう。

外国人ITエンジニア採用を成功させるポイント

外国人ITエンジニアの採用は、単に人材を確保するだけでなく、入社後に活躍・定着してもらうことが重要です。ここでは、採用を成功につなげるために押さえておきたいポイントを紹介します。

採用要件を明確にする

まずは、自社が求めるスキルや経験、語学レベルを具体的に定義することが重要です。特に外国人採用では、日本語力の要件を曖昧にしたまま進めてしまうと、入社後のミスマッチにつながる可能性があります。

たとえば、「業務で必要な日本語レベル」「英語でのコミュニケーション可否」「担当する業務範囲」などを事前に整理しておくことで、選考の精度を高めることができます。

英語または多言語対応を整える

外国人エンジニアが力を発揮できる環境を整えることも重要です。社内のドキュメントや開発環境、コミュニケーションツールが日本語のみの場合、業務のハードルが高くなることがあります。

必要に応じて、英語対応の資料を用意したり、コミュニケーションのルールを見直したりすることで、スムーズな業務遂行につながります。すべてを英語化する必要はありませんが、最低限のサポート体制は整えておくと安心です。

オンボーディング・定着支援を行う

採用後のフォロー体制も、成功の大きなポイントです。業務面だけでなく、生活面のサポートも含めて支援することで、安心して働ける環境を整えることができます。

たとえば、入社後の研修やメンター制度の導入、日本での生活に関するサポートなどが有効です。外国人エンジニアが長く活躍できるよう、継続的にフォローしていくことが求められます。

まとめ

外国人ITエンジニアの採用は、人材不足の解決や組織の成長につながる有効な選択肢です。一方で、ビザや手続き、受け入れ体制など、事前に押さえておくべきポイントもあります。

特に、在留資格の要件確認や採用後の受け入れ体制の整備は、スムーズな採用と定着に直結する重要な要素です。採用だけで終わらせるのではなく、入社後に活躍できる環境を整えることが、結果として企業の成長にもつながります。

採用要件を明確にし、自社に合った方法で進めながら、入社後の定着まで見据えて取り組むことが大切です。まずは、自社に合った形で小さく始めてみることから検討してみてはいかがでしょうか。

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