技能実習生失踪後に取るべき対応~ペナルティ・失踪の理由も
2022/3/15 最終更新
中小企業の人手不足が深刻化する昨今、技能実習生の受け入れ数は年々増加しています。そのような中で、就労中に失踪してしまう技能実習生が増加していることも事実です。
この記事では、以下のような内容を解説します。
- 技能実習生が失踪してしまった場合に取るべき対応
- 技能実習生が失踪してしまった場合に受ける可能性のあるペナルティ
- 技能実習生が失踪する主な理由
「技能実習生が失踪してしまった」「技能実習生の失踪を防ぎたい」という方はぜひ参考にしてください。
外国人採用の雇用保険について知りたい方は以下の記事もおすすめです。
技能実習生の失踪数は年々増加している

技能実習生を雇用する企業・団体は増加しているものの、それに伴って技能実習生の失踪も増加しているのが現状です。平成26年は約23万7,000人だった失踪者数は、平成30年には約42万4,000人と、約1.7倍にも膨れ上がっています。
参考:法務省 技能実習制度における失踪問題への対応についてhttp://www.moj.go.jp/content/001311268.pdf
外国人労働者数は平成26年が約78万8,000人、平成30年が約146万人ですから、失踪者数は減少することなく比例して増加している状況です。
参考:厚生労働省『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年10月末現在)』https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/000590310.pdf
技能実習生の失踪が発覚した場合のペナルティ(罰則)
ここからは、技能実習生の失踪が発覚した場合に課せられるペナルティについて解説します。
受入企業・受入機関側が受ける可能性のあるペナルティ(罰則)
主なペナルティとして、以下の2つが挙げられます。
- 一定期間の研修生・技能実習生受け入れ停止
- 優良認定要件の減点
詳しく解説していきましょう。
一定期間の研修生・技能実習生受け入れ停止
技能実習生の失踪(行方不明)は条件を満たすと「不正行為」として認定されます。
「不正行為」が認められた場合、受入企業・受入機関は「研修生・技能実習生の受け入れが一定期間認められない」というペナルティが課されるという仕組みです。
受け入れが認められない期間は「不正行為」の重大性によって5年・3年・1年のうちから決定されますが、行方不明者が多発した場合は3年の新規受け入れ停止となっています。
また、3年が経過しても、改善策の提出を行うとともに「問題再発の恐れがなく適正な技能実習の実施が見込める」と地方入国管理局が認めなければ、受け入れの再開は認められません。
参考:公益財団法人 国際研修協力機構|技能実習生の行方不明者発生防止対策についてhttp://friendscop.or.jp/wp-content/uploads/yukuehumei_boushi.pdf
優良認定要件の減点
失踪の原因によっては「優良な実習実施者(受け入れ企業)及び管理団体」の認定要件から減点されてしまう可能性があります。
優良認定を受けることで「技能実習3号の受け入れが可能になる」「実習生の受入人数を拡大できる」といったメリットが発生するため、優良認定を受けている企業や優良認定を目指している企業は、技能実習生の失踪に細心の注意を払う必要があります。
参考:法務省 入国管理局 厚生労働省 人材開発統括官 | 新たな外国人技能実習制度についてhttps://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000204970_1.pdf
技能実習生側が受ける可能性のあるペナルティ
主なペナルティとしては以下の3つが挙げられます。
- 懲役刑・罰金(不法滞在を行った場合)
- 出国命令
- 在留資格の取り消し
失踪後、在留資格(就労ビザ)の期間を過ぎても滞在していた場合や、在留資格の範囲外の活動を行いながら日本に滞在していた場合は、懲役刑や罰金が課せられる場合があります。また、不法滞在を行っていた技能実習生が自ら出頭した場合は出国命令が下されるとともに、上陸拒否期間(1年)が設定されます。
さらに、在留資格の範囲外の活動を続けていた場合は在留資格の取り消しとなる可能性も。
失踪した場合は知らないうちに不法滞在・在留資格の範囲外活動を行ってしまうことがあるため、技能実習生にもペナルティが課される可能性は十分にあります。
技能実習生が失踪した際の対応

技能実習生が失踪してしまった場合、以下のような対応を行う必要があります。
- 技能実習生の監理団体への連絡
- 警察に連絡(事件に巻き込まれている可能性も考えられるため)
- 外国人技能実習機構に「技能実習実施困難時届出書」を提出
- 失踪以前に発生した給与の支払い手続き
- 技能実習生の退職手続き
技能実習生が失踪してしまった場合、さまざまなケースが考えられます。必要な対応をしっかり取り、失踪した技能実習生の発見を待ちましょう。
給与の支払いは現金で渡している場合・口座に入金している場合どちらも本人以外に支給することはできません。家族の口座などに入金することのないよう、注意しましょう。
技能実習生が失踪する主な理由
技能実習生が失踪する際の主な理由としては、以下のような調査内容が出ています。
- より高い賃金を求めて(67.2%)
- 実習終了後も稼働したい(17.8%)
- 指導が厳しい(12.6%)
- 暴力を受けた(4.9%)
- 帰国を強制された(2.5%)
参考:法務理事懇資料 https://archive2017.cdp-japan.jp/files/download/dVCK/tHc4/CoOr/aEBz/dVCKtHc4CoOraEBzhsgHqwE0.pdf
「より高い賃金を求めて」、つまり低賃金のためより高い賃金の就労環境を求めて失踪する、という理由が失踪理由の7割弱を占めています。このことから、技能実習生を適正な賃金で雇用することが失踪を減少させる一番の対策であると言えるでしょう。
技能実習生を始めとした外国人雇用者は増加していますが、比例して失踪する技能実習生も増加しています。技能実習生の失踪理由を参考に、双方が納得いく雇用環境を構築して技能実習生の失踪を防ぎましょう。
万が一技能実習生の失踪が発生してしまった場合は、この記事を参考に迅速な対応を行ってください。
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