外国人技能実習生が失踪?不法就労助長罪にならないためには?
外国人の方を雇用する際は、ルールをよく理解していないと、思わぬトラブルが起きることがあります。特に不法就労助長罪などは、典型的なパターンです。何らかの理由で失踪した技能実習生をアルバイトで雇った場合も、不法就労助長罪に該当します。
そこで今回は、不法就労助長罪について細かくご説明します。不法就労助長罪になるパターンや、それを防ぐための対策も合わせてお伝えすることで、できるだけわかりやすい内容にまとめました。ぜひ最後までご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
不法就労について詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
▶︎ 不法就労とは?3つの主なケースと雇用主の義務を確認しよう
Contents
不法就労助長罪とは?
不法就労助長罪は、「出入国管理及び難民認定法(入管法)73条の2」に規定されています。具体的には以下のような行為が該当します。
- 事業活動に対して、外国人に不法就労活動をさせる行為
- 外国人に不法就労活動をさせるため、自己の支配下に置く行為
- 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は2の行為に関しあっせんする行為
これらの行為を行った場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
「知らずに該当する行為をしていた」などの理由で処分を免れることはできません。あらかじめよく注意しておきましょう。
不法就労助長罪となってしまうパターン
具体的にはどのようなケースが不法就労助長罪に当たるのでしょうか。代表的なパターンを2つご紹介します。
不法滞在者や被退去強制者を雇用している場合
日本に滞在してはならない外国人労働者を雇用し続けている場合は、不法就労助長罪に問われます。在留カードの期限が切れている方も対象となるので注意が必要です。
在留資格に従わない働き方をさせている場合
外国人が日本でどんな仕事に就けるかは、在留資格によって決められています。その在留資格がなく、法務省出入国在留管理庁から認可されていない外国人労働者を働かせるのは違反行為です。
また、在留資格で許可されている範囲を超えて働かせることも、不法就労助長に当たります。例えば次のようなケースが該当します。
- 調理師や通訳士としての在留資格にもかかわらず、工場・作業所などで働かせている場合
- 許可された時間数以上働かせている場合
外国人技能実習生の失踪につながり、問題視されているのは、2つ目の例に当たります。
不法就労のパターンをもっと知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。
▶︎ 雇用側にも罰則?!知らないと怖い不法就労助長罪とその回避策とは
不法就労助長罪にならないためには?
不法就労助長罪に問われないためには、在留カードを定期的にチェックすることが肝心です。外国人技能実習生や外国人労働者の在留カードが失効していたり、偽造されたものでないかを確認し、適切に管理しましょう。
出入国在留管理庁の以下サイトでも簡単に在留カードの有効性が確認できるので、定期的にチェックすることをおすすめします。
▶︎ 出入国在留管理庁 在留カード等番号失効情報照会
不法就労助長罪を防ぐためには、在留カードの確認が重要ですが、具体的な確認方法や、不法就労の疑いがある場合の通報方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 不法就労防止に努めよう!在留カードの確認法、通報についても解説
アルバイトとして外国人を雇う場合にも、不法就労助長罪のリスクはあります。特に飲食業界では、人手不足から外国人労働者をアルバイトで雇うケースが多いようです。
その際、人手不足を補うために許可された時間以上働かせてしまうと、完全にアウトです。不法就労助長罪に限らず、過酷な労働環境から外国人労働者が失踪するというケースもあるのです。そうならないためにも、企業や団体には細心の注意と配慮が求められています。
万が一、外国人技能実習生が失踪してしまった場合の対応方法やペナルティ、対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 技能実習生失踪後に取るべき対応~ペナルティや対策についても解説
まとめ
今回の記事では、不法就労助長罪にならないための方法についてご紹介しました。注意点や意外な盲点についても詳しく記載し、わかりやすい内容にまとめています。ポイントは以下の通りです。
- 不法就労助長罪は企業側に罰則が科せられるので、細心の注意を払う
- 不法就労助長罪を防ぐためにも、定期的な在留カードのチェックは必須
- アルバイト雇用の場合にも、違反があれば不法就労助長罪は適用されるので注意
外国人技能実習生や外国人労働者は、日本の労働力を支える貴重な存在です。だからこそ、適切な管理と配慮が欠かせません。不法就労助長罪に問われれば、社会的な信用にも悪影響が及ぶので、十分に気をつけていきましょう。