技能実習制度改正について

4/14/2021最終更新

外国人技能実習制度は、国際協力という趣旨を掲げる一方、日本国内の人手不足を解消する労働力の供給という役割も同時に担ってきました。しかし、「技能を修得し本国の経済発展に役立てる」という本来の趣旨とは関係なく、劣悪な労働環境や人権侵害などが度々報道されてきました。そのような状況下、2017年11月に施行された「技能実習法」によって、制度そのものが大きく改正されることとなりました。
2020年に開催される予定であった東京オリンピックを経て、今後ますます外国人労働者の活用と活躍が期待されることを想定し、大幅な法整備がなされました。

今回は、批判の多かった技能実習制度の改正について解説します。

技能実習制度の改正の目的とその内容

改正された「技能実習制度」の概要は次の通りです。

外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図るため,技能実習に関し,基本理念を定め, 国等の責務を明らかにするとともに,技能実習計画の認定及び監理団体の許可の制度を設け,これらに関する事務を行う外国人技能実習機構を設ける等の所要の措置を講ずる

出展:新たな外国人技能実習制度について 法務省 出入国在留管理庁 厚生労働省 人材開発統括官 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000204970_1.pdf

技能実習制度の適正化

技能実習制度の適正化について以下に整理します。

  1. 技能実習の基本理念及び関係者の責務規定を定めるとともに, 技能実習に関し基本方針を策定する。
  2. 技能実習生ごとに作成する技能実習計画について認定制とし、技能実習生の技能等の修得に係る評価を行うことなどの認定の基準や認定の欠格事由のほか、報告徴収、改善命令、認定 の取消し等を規定する。
  3. 実習実施者について届出制とする。
  4. 監理団体について許可制とし、許可の基準や許可の欠格事由のほか、遵守事項、報告徴収、改善命令、許可の取消し等を規定する。
  5. 技能実習生に対する人権侵害行為等について、禁止規定を設け違反に対する所要の罰則を規定するとともに、技能実習生に対する相談や情報提供、技能実習生の転籍の連絡調整等を行うことにより、技能実習生の保護等に関する措置を講ずる。
  6. 事業所管大臣等に対する協力要請等を規定するとともに、地域ごとに関係行政機関等による地域協議会を設置する。
  7. 外国人技能実習機構を新設し、技能実習計画の認定・監理団体の許可等の事務を行い、実習実施者・監理団体に報告を求め、実地に検査を行う等の業務を行う。また、技能実習生に対する相談・援助等も行う。

技能実習制度の拡充

優良な実習実施者・監理団体に限定して,第3号技能実習生の受入れ(4~5年目の技能実習の実施)を可能とします。

その他

技能実習の在留資格を規定する出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という)の改正を行うほか,入管法の改正に伴い介護福祉士の資格を有する外国人を対象とする在留資格を創設する等の法整備も実施します。

技能実習制度の仕組み

技能実習制度は、企業単独型と団体監理型の2 種類に分類されます。制度改正後の大きな変更点は、外国人技能実習機構が新たに設立され、様々な業務が移管されたことです。これまで地方出入国在留管理局に対して行っていた申請や管理業務は同機関に移管されることとなりました。

 技能実習の区分

在留資格「技能実習」は、入国後1年目を第1号、2・3年目を第2号、4年目・5年目を第3号技能実習として3つに分類されます。

参考:「外国人技能実習制度とは」JITCOホームページ https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/

企業単独型と団体監理型

⑴「団体監理型」とは

 営利目的ではない商工会議所・商工会、中小企業団体、職業訓練法人、事業協同組合等の監理団体が受け入れをし、団体傘下の企業で実習を行う方式。

 ⑵「企業単独型」とは

 日本企業等が海外の現地法人、合弁会社や取引先企業の従業員を受け入れて技能実習を実施します。主に大手企業に多くみられる方式です。

 <企業単独型における海外所属企業等の範囲>

  • 日本企業の海外の現地法人(支店、子会社又は合弁会社など)
  • 日本企業と引き続き1年以上又は、過去1年間に10億円以上の国際取引の実績を有する企業
  • 日本の公私の機関と国際的な業務上の提携を行っているなど、事業上の密接な関係を有する機関で法務大臣が告示をもって定めるもの。

2018年末では「企業単独型」の受入れが2.8%程度、「団体監理型」が97.2%となっており、実習生の受け入れ方式に関してはほとんどが団体監理型を採用しています。

外国人技能実習機構とは?

外国人技能実習機構とは、技能実習法にて制度改正の柱として新設された法的権限をもつ監督機関です。これまで問題点を指摘されつつも日本国内の人手不足に関して重要な役割を果たしてきた実習制度ですが、今後は外国人技能実習機構によって運用状況を厳しくチェックされます。

注目すべき点は、それまで地方出入国在留管理局やJITCOが行ってきた業務を一括して行い、更にさまざまな役割や権限が与えられていること、技能実習の適正な実施・技能実習生の保護を図り、開発途上地域等への技能移転による国際協力を推進すること目的として創設されたこと、です。以下に主な役割をまとめました。

外国人技能実習機構の役割

  • 技能実習計画の認定、実習実施者の届出の受理
  • 監理団体の許可申請の受理等
  • 監理団体や実習実施者に対する指導監督
    ※外国人技能実習機構の指導に従わない監理団体は許可を取り消される可能性がある
  • 研修生からの相談・申告への対応

その他(最新トピックス)

令和3年2月12日付厚生労働省より、「雇用調整助成金を活用して外国人技能実習生の雇用維持に努めて下さい」との要請が、監理団体・実習実施者に対してなされました。

参考:厚生労働省 https://www.otit.go.jp/files/user/docs/200615-1.pdf

要点は以下の通りです。

  1. 外国人技能実習生の休業等も雇用調整助成金の支給対象であること。
  2. 経営上・事業上の都合等により技能実習を継続することが困難となった場合、 技能実習実施困難時届出書を外国人技能実習機構に提出する必要があること。
  3. 実習実施者(事業主)は雇用調整助成金の要件を満たせば、休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額の助成を受けられること。

技能実習制度については外国人技能実習機構の地方事務所・支所に、雇用調整助成金の要件等については最寄りの都道府県労働局・ハローワークに相談されることをお勧めします。

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