不法滞在の外国人を発見!通報方法は?

5/23/2021最終更新

出入国在留管理庁(以下、入管)の発表によると、日本における外国人の不法滞在者数は、2020年7月1日時点で82,616人でした。特に東京などの大都市圏で多く見られます。在留外国人の増加に伴い、オーバーステイなどの不法滞在による逮捕者が増え、治安の悪化が懸念されています。そのため、入管や警察、地方自治体は不法滞在外国人対策を強化し、企業にも協力が呼びかけられました。今回は、不法滞在外国人を発見した際の「通報」について分かりやすく解説していきます。

不法滞在の通報義務

入管法では、国または地方公共団体の職員および公立病院(独立行政法人や指定管理者は含まない)に勤務する公務員は、不法滞在外国人を通報する義務が課されています。ただし、例外として、通報することで「通報者自身の本来の業務が著しく阻害される場合」は通報しなくても良いとされています。

一般の方に通報の義務はありませんが、協力を求められていることは覚えておきましょう。また、不法就労の場合は雇用主に対し、不法就労防止の観点から在留資格(ビザ)や在留期限などの確認が義務付けられています。義務を怠ると「不法就労助長罪」で処罰されるため注意しましょう。

不法滞在の通報はどうするの?

オーバーステイを含む不法滞在や不法就労を発見した場合の通報先は、入管や警察となります。入管への通報は近くの地方入国管理署へ直接足を運ぶか、メールや電話で情報提供を行います。

直接訪れるのであれば休日にあたる土日祝日は避け、平日9:00〜17:00を選びましょう。なお、東京地方出入国在留管理庁では、土日祝日でも電話による通報であれば受け付けています。警察への通報の場合は、最寄りの交番や110番で行えます。

出典:出入国在留管理庁 情報受付http://www.moj.go.jp/isa/consultation/report/index.html

通報の際の注意点として、情報受付ページからメールを送る場合は情報提供者のIPアドレスなどが保存されます。そのため、誹謗中傷などの書き込みは控えましょう。

不法滞在の通報で謝礼がもらえるケースも

不法滞在の通報では、提供した情報によって不法滞在外国人が退去強制処分になると、謝礼金がもらえるケースもあります。これは、入管法第66条で規定された「報償金の交付」にあたります。

第66条

第62条第1項の規定による通報をした者がある場合において、その通報に基いて退去強制令書が発付されたときは、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、その通報者に対し、5万円以下の金額を報償金として交付することができる。但し、通報が国又は地方公共団体の職員がその職務の遂行に伴い知り得た事実に基くものであるときは、この限りでない。
出典:出入国管理及び難民認定法「出入国在留管理庁」http://www.moj.go.jp/isa/laws/nyukan_hourei_index.html

謝礼金として受け取れるのは最大5万円で、一般市民などが対象です。通報が義務付けられている国や地方自治体などの職員は、謝礼の対象になりません。業務を通じて不法滞在を知り得る立場にあるためです。

報償金制度はあるものの、謝礼を受け取れるケースはごく一部であることが明らかになっています。実際に謝礼金を受け取れたケースは、2018年3月時点でわずか7件のみでした。謝礼が得られるケースとしては、自身が実際に不法滞在外国人を追いかけ、居場所を通報したことで逮捕につながり、退去強制処分に至った場合などです。その場合でも、査定が行われてから交付の有無が決定されます。

通報者の中には、最大5万円の謝礼金欲しさに通報する人もいますが、情報の中身が正確かつ具体的でなければ、謝礼を受け取ることは難しいでしょう。謝礼は「運が良ければもらえる」程度に考え、通報の目的とするべきではありません。通報の目的はあくまでも不法滞在の防止です。

不法滞在の通報は匿名でも可能

オーバーステイなどの不法滞在で通報が求められているとはいえ、いざ発見した際に躊躇する方は少なくありません。自身の身分を明かすことに抵抗を感じたり、身元が特定されたら大変なことになると恐れる人もいます。

入管ではセキュリティに万全を期しており、通報者の個人情報や情報提供内容が外部に漏洩する心配はありません。それでも不安であれば匿名での通報も可能です。

警察庁では、幅広く情報を得ようと「匿名通報ダイヤル」を用意しています。ただし、匿名での通報は、ほとんどの場合で謝礼が受け取れないと理解しておきましょう。

不法滞在の通報は正確な事実に基づいて行う

不法滞在の通報は正確な事実に基づいて行いましょう。虚偽情報で通報することは「偽計業務妨害罪」として犯罪行為にあたります。人は正義感から、事実でないことまで通報する場合があり、結果として処罰されてしまうケースがあるのです。

もちろん、すべてのケースが処罰対象になるわけではありません。偽計業務妨害で告発されないケースや、告発されてもやむを得ない状況として無罪になる場合もあります。しかし、罪に問われるリスクを避けるためにも、虚偽情報での通報はやめましょう。

まとめ

不法滞在は治安の悪化につながる危険があり、入管や警察、地方自治体は対策強化に乗り出しています。公務員は通報の義務が課せられ、少しでも不法滞在外国人の数を減らそうと努力を重ねています。

一般市民や企業に通報の義務はないものの、不法滞在防止に協力を惜しむべきではありません。謝礼の有無に関わらず、正確かつ具体的な情報の提供を心掛けるべきです。身元を特定されるのが不安であれば「匿名通報ダイヤル」が利用できます。外国人採用に携わる立場として、いざという時の通報先や通報方法をしっかりと押さえておきましょう。

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