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建設業界の人手不足を解消!外国人労働者を受け入れる際のポイント

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日本の建設現場で働く外国人たち

現在、建設業界では深刻な人手不足が続いています。その理由として、若年層の建設業離れや熟練職人の高齢化などが挙げられます。建設現場の労働環境の厳しさや賃金の低さから、若者が建設業を敬遠する傾向にあり、一方で従事している職人の平均年齢は上昇の一途をたどっているのが現状です。

そんな中、建設業界の人手不足解消のカギを握ると注目されているのが、外国人労働者の活用です。政府も外国人材の受け入れ拡大に力を入れており、毎年多くの就労ビザを持った外国人が日本に入国し、建設業を含む様々な分野で技術を学び、働いています。意欲と能力のある外国人労働者を適切に雇用することができれば、建設現場の貴重な戦力となることは間違いありません。

そこで今回は、建設業界の人手不足問題の背景や外国人労働者の受け入れ方法についてわかりやすく解説していきます。外国人材の雇用を検討中の建設企業の方はぜひ参考にしてみてください。

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建設業界の人手不足問題とは

建設業界では長年にわたり深刻な人手不足が続いており、その解消が大きな課題となっています。少子高齢化の影響で若年労働力の確保が難しくなる一方、ベテラン技術者の引退が相次ぎ、現場を支える人材が不足しているのが現状です。

政府も人手不足対策として外国人労働者の受け入れ拡大を進めていますが、単に人数を確保するだけでは根本的な解決にはなりません。建設業の魅力を高め、働き手を増やしていく地道な努力が必要不可欠です。

ここでは、建設業界の人手不足問題の背景や対策について詳しく解説していきます。

建設業界は慢性的な人手不足

国土交通省の推計によると、日本の建設業界では長年にわたって慢性的な人手不足が続いています。2023年には人手不足を理由に事業継続を断念するケースが急増し、帝国データバンクの調査では人手不足倒産が260件に達し、2013年以降で最多を記録しました。特に建設業界での影響が顕著で、倒産件数は前年比約2.7倍に増加しています。

2024年4月から適用される時間外労働の上限規制、いわゆる「2024年問題」により、建設業の人手不足はさらに深刻化する見込みです。加えて、2025年には団塊の世代が後期高齢者に到達し、労働力人口の高齢化が進むことも影響します。

2023年12月時点で正社員の人手不足を感じている企業は53.1%にのぼり、コロナ禍以降で最も高い水準となっています。人材確保がますます難しくなると予測され、建設業界にとって大きな経営リスクとなっています。

その大きな要因は、日本の少子高齢化の影響で生産年齢人口、つまり働き手となる人口そのものが減少傾向にあることです。2065年に約4,500万人(2020年と比べ約2,900万人の減少)となると予測されており、国内の労働力だけでは需要に見合った人材確保は難しくなっています。建設業に限らず他の産業でも同様の問題を抱えていますが、建設現場の過酷さもあいまって若手の入職率は特に低く、将来の担い手不足が強く懸念されています。

このような危機的な人手不足を乗り越えていくためには、外国人労働力の活用が不可欠だと言えるでしょう。意欲のある外国人材に建設技術を学んでもらい、現場を支える戦力として活躍してもらうことが今後ますます重要になってくると考えられます。

参考:人手不足倒産の動向調査(2023 年)|帝国データバンク人口減少と少子高齢化|内閣府

今後の建設需要はさらに高まる

少子高齢化で労働力が減る一方、日本の建設需要は今後ますます高まっていくことが予想されています。

2025年の大阪・関西万博の開催に向けて、会場の建設をはじめとするインフラ整備が本格化します。大規模な再開発プロジェクトも各地で計画されており、将来的にも建設投資は堅調に推移すると見込まれています。

一方で災害大国である日本では、地震や豪雨などで被災したインフラの復旧・復興事業も欠かせません。いつ起こるかわからない自然災害に備え、迅速に対応できる体制を整えておく必要があります。

建設需要の増加に建設労働者の減少が重なれば、人手不足はより一層深刻化すると考えられます。単に数合わせで外国人を受け入れるのではなく、建設技術を学ぶ意欲と適性を見極め、日本の建設業の発展に寄与してくれる人材を見出していくことが大切です。

政府の外国人材受け入れ措置

建設業界の深刻な人手不足が続けば、インフラの維持管理や災害復興が滞るなど、国民生活にも大きな影響が出かねません。このような事態を避けるため、日本政府も外国人材の受け入れ拡大に乗り出しています。

2018年の出入国管理法の改正によって新たな在留資格「特定技能」が創設され、建設業を含む12の業種(旧14業種)での外国人労働者の受け入れが始まりました。当初は向こう5年間で最大34万人の外国人を受け入れる計画でしたが、その後、政府は令和6年4月からの5年間で受入れ見込数を82万人に上方修正しました。この制度は、技能と一定の日本語能力を備えた外国人材に就労の門戸を開くものです。

外国人が建設現場の即戦力となって活躍できるよう、適切な教育訓練や雇用管理を行っていく必要があります。受け入れ企業側にも責任が求められる一方、意欲ある外国人材が力を発揮できる環境を整備することで、日本の建設業の発展にもつながるはずです。外国人の視点を活かした新しい発想や技術の導入で、建設業のイノベーションを促進することも期待できるでしょう。

建設業における外国人労働者の受け入れ方法

建設業界の人手不足を解消するカギを握るのが、外国人労働者の活用ですが、外国人材を受け入れるためには、在留資格や雇用管理など、様々なルールを理解し、適切に対応する必要があります。

ここでは、建設業で外国人労働者を雇用する際の具体的な方法や手続きについて、政府の方針や関連法規を交えながら詳しく解説していきます。

在留資格「特定技能」とは

外国人が日本で働くためには、出入国管理法に定められた在留資格が必要です。建設業で外国人を雇用する際に必要となるのが、2019年から新設された「特定技能」という在留資格です。

特定技能は、深刻な人手不足に悩む特定の業種において、一定の専門性・技能を持つ外国人を受け入れるために創設されました。建設業のほかにも農業や介護など、12の業種(旧14業種)が対象として指定されています。

特定技能での就労には、業種ごとの試験に合格し、必要な技能を有していることを証明する必要があります。また、生活に困らない程度の日本語能力も求められ、日本語試験での基準点をクリアしていることが条件となります。

在留期間は通算5年までで、家族の帯同は基本的に認められていません。ただし優良な実績を持つ企業が行う高度な人材育成が評価された場合、在留期間の更新が認められる「特定技能2号」に移行でき、その場合は家族の帯同も可能となります。

特定技能の在留資格や雇用条件について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考になります。
特定技能「建設」で採用するには?業務区分や職種、注意点を解説
在留資格「特定技能1号・2号」とは?「技能実習」の違いや雇用側の条件

外国人労働者に対する政府の考え方

建設業界の人手不足解消に向けて、外国人労働者の受け入れ拡大は不可欠との認識から、政府は様々な対策を打ち出しています。一方で、外国人材の受け入れには一定のリスクも伴うため、適切な管理体制の構築も求められます。

ここでは、建設業における外国人労働者の活用に関する政府の基本的な考え方を2つの視点から整理してみましょう。

①構造的な労働者不足への対応との関係

日本の建設業界は、構造的な労働力不足に直面しており、団塊世代の大量退職による熟練工の減少、若年層の建設業離れによる担い手不足が大きな要因と考えられています。

こうした状況を打開するには、国内の人材確保に加えて、海外からの労働力の受け入れが不可欠です。建設業に限らず、高齢化が進む日本では外国人材の力を借りることが様々な分野で必須となっており、政府も外国人労働者受け入れの拡大を進めています。

ただし、日本語教育や技能教育をしっかり行い、外国人が日本の職場に適応できるようサポートする体制の整備が重要です。雇用する企業には、外国人の適正な労働環境の確保と、日本人との共生がスムーズに進むような配慮が求められるでしょう。

②一時的な建設需要に対応する労働者の確保

日本は地震大国であり、大規模な震災や風水害に見舞われる機会が少なくありません。被災地の復旧・復興には大量の建設労働者が必要となりますが、必要な人材を確保するのは容易ではありません。

そうした非常時に備えて、外国人労働者の受け入れ体制を整えておくことは重要な意味を持ちます。被災地での復興事業はスピードが求められるため、即戦力となる技能者の確保が不可欠です。

外国人が日本の建設現場で力を発揮するには、非常時にスムーズな対応ができるよう、外国人材の訓練や教育、コミュニケーションの円滑化などを、平時から地道に行っていくことが求められるでしょう。また、一時的なマンパワーの確保という視点だけでなく、外国の優れた技術を日本に取り入れ、日本の防災力の向上や、災害に強いまちづくりに活かすという発想も必要です。

外国人労働者を雇用する際のルール

建設業で外国人を雇用する際は、様々な法律に基づくルールを遵守する必要があります。特に重要なのが、出入国管理法に定められた在留資格の確認です。

また、外国人労働者の雇用管理や労働条件、社会保険の適用など、適切な対応が求められる点も多岐にわたります。

ここでは、外国人の雇用に際して特に留意すべきポイントを、3つの観点からわかりやすく解説します。

1. 就労可能な外国人の雇用

外国人を雇用する際、出入国管理法で定められた就労可能な在留資格を持っているかどうかを確認する必要があります。建設業で働くことができるのは、「特定技能」「技能実習」など限られた在留資格の外国人だけです。

在留カードの提示を求め、在留資格と在留期間を必ず確認しましょう。就労資格のない外国人を雇用すると、不法就労助長罪に問われる可能性があるので十分に注意が必要です。

また、在留期間は必ず更新が必要で、更新がされないまま在留期間を超過して働かせると、これも不法就労となります。外国人を雇用する企業には、在留資格や在留期間の管理を適切に行う責任があるのです。

2. 外国人労働者の雇用の管理の改善及び再就職援助

日本の雇用慣行に不慣れな外国人労働者に対しては、雇用条件などをしっかりと説明し、トラブルを未然に防ぐ必要があります。賃金や労働時間、安全衛生など、日本人と同等の労働条件を保障しなければなりません。

外国人が日本の職場に円滑に適応できるよう、生活面でのサポートも欠かせません。社内での研修やOJTを通じて、仕事への理解を深めてもらうことも大切です。

また、雇用期間の満了や契約解除などで外国人労働者が離職する際は、再就職に向けた援助に努めましょう。職業安定所と連携し、外国人の再就職をスムーズに進められるよう、必要な情報提供などを行うことが求められます。

3. 外国人雇用状況の届け出

外国人労働者を雇い入れた時や、雇用関係を終了した時は、その都度、外国人雇用状況をハローワークに届け出る必要があります。「雇用対策法」で義務付けられており、正社員だけでなくパートやアルバイトも対象です。

届け出の際は、在留資格や在留期間、国籍、従事する業務の内容など、所定の事項を記入します。必要書類を揃え、期限内に確実に提出するのは企業の責任です。外国人の雇用状況を行政機関が正確に把握することで、不法就労の防止や適正な雇用管理の実施に役立てられます。

外国人労働者雇い入れ時の注意点

建設業で外国人材を活用する際は、在留資格の確認だけでなく、採用時と雇用後のきめ細かな対応が欠かせません。労働関連法令の遵守はもちろん、日本の職場環境に適応できるようサポートすることも重要です。

ここでは、外国人の雇い入れ時と雇用管理上の注意点を、3つに分けて具体的に見ていきましょう。

1. 採用の際の注意点

外国人を採用する際は、在留資格の確認が何より重要です。就労可能な在留資格を持っているか、在留期限が切れていないかをしっかりとチェックしましょう。

在留資格は採用後も定期的に確認し、更新時期を逃さないよう管理することが大切です。在留資格や雇用関係の有無は、面接時の口頭確認だけでなく、在留カードの提示を求めて目視確認することが必要不可欠です。

また、ビザの内容と従事させる業務が合致しているかという点も重要です。例えば「技能実習」の在留資格では、建設現場の単純作業しかできません。一方、「特定技能」なら、より高度な作業に就かせることが可能です。

入管法に抵触することのないよう、採用基準と管理体制を整備しておくことが肝心だと言えるでしょう。

2. 雇用後の注意点

外国人を雇用する企業には、日本人と同等の労働条件を保障する責任があり、労働基準法をはじめとする労働関連法令は、国籍を問わずすべての労働者に適用されます。

賃金や労働時間、休日、安全衛生など、適正な労働条件の確保は当然ですが、日本の職場環境に不慣れな外国人が戸惑うことのないよう、教育訓練の実施や細かなサポート体制の整備にも配慮が必要になります。

また、言葉や文化、価値観の違いから生じる外国人労働者の不安を解消し、孤立させないことも大切です。社内のコミュニケーションを活発にし、日本人社員との一体感を醸成することで、外国人材が安心して働ける職場環境づくりを目指しましょう。

労務管理の面では、出入国在留管理庁への各種届出や、社会保険の加入手続きなど、外国人特有の事務手続きにも注意が必要です。

社会保険や労働保険の加入手続きの詳細や、外国人特有の注意点などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
外国人採用に必要な「社会保険」制度|健康保険と厚生年金保険を解説
外国人採用で必須の「労働保険」の知識とは?加入条件や手続きも解説
外国人の雇用保険手続きはどうする?外国人雇用状況届出書が必要なケースも

3. 雇用時・離職時の注意点

外国人労働者を雇用したら、出入国在留管理庁へ「外国人雇用状況の届出」を行わなければなりません。雇い入れの際は雇用開始日から14日以内、離職の際は離職日の翌日から14日以内が期限です。この届出を怠ると、30万円以下の罰金が科されることがあります。管轄のハローワークに必要書類を提出しましょう。

また、外国人の在留資格に変更があった場合にも、出入国在留管理庁への届け出が必要です。在留資格の変更や更新、取消などの際は、速やかに手続きを行いましょう。

一方、離職する外国人に対しては、雇用保険の失業給付や健康保険の任意継続などについて、説明することが求められます。離職票の発行など、日本人社員と同様の手続きを行うのは当然ですが、再就職先を見つける手助けをするなど、細かな配慮も必要です。

以下の記事では、外国人の募集から採用までに必要な準備や手続きを詳しく解説しています。
外国人労働者の募集~採用に必要な準備と手続きを詳しく解説
採用担当者必見!外国人を雇用するまでの流れと手続きを解説

まとめ:建設業界の人手不足解消には、外国人労働者が必須

少子高齢化で労働力不足が深刻化する中、建設業界が持続的に発展していくには、外国人材の力が不可欠です。単に人手不足を補うだけでなく、多様な視点や発想を活かし、建設業の新たな可能性を切り拓くチャンスでもあります。

外国人材の採用・育成・定着に向け、企業の覚悟と戦略的な取り組みが問われています。建設業の未来を担う原動力を獲得するため、今こそ一丸となって外国人材の活用に取り組むときです。

外国人労働者の受け入れには様々な準備と覚悟が必要ですが、日本の建設業の未来を切り拓く大きなチャンスでもあります。人手不足の壁に立ち向かい、活力ある建設業界を取り戻しましょう。

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